• 第12回 マンナム:만남(出会い)

     

    春香と 夢龍の만남 素敵です (NO115)

    「春香伝」の主人公の成春香と李夢龍の出会いは端午の節句の日です。

    春香がブランコ遊びをしているところに夢龍が通りかかります。

    この句の作者はこんな出会いを求めているのかも知れません。

    ぜひ一度読んでみましょう。

    以下のサイトで二人が出会ったとされる南原の「広寒楼」、ブランコなどがみられます。

    http://www.seoul-mate.com/xe/kor_posting/19730

    http://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=dakorea0820&logNo=90076443768

    出会いの喜びを詠(うた)ったものに以下の句があります。

    만남の 数だけかがやく 話あり (NO130)

    毎日が 素敵な만남 あふれてる (NO107)

    ドラマでは 만남はいつも 運命的 (NO101)

    ドラマは出会いがないと作れません。偶然な出会いが、後になって必然であることが分かります。これを運命的というのでしょう。ドラマだけでなく、こうした出会いは身近にもたくさんあります。

    韓国ドラマでは、出会い、事故、出生、病気などが偶然以上の頻度で出てくるようです。筋書きが分かっていてもドキドキしながら見ているのは偶然でしょうか、必然でしょうか。

    これまでの 만남のお陰で 今がある (NO127)

    いろいろな出会いがあります。この句の作者はそれらの全ての出会いによって生かされている今を大切にしています。また、感謝の気持ちもストレートに表しています。人のせいにしたり、言い訳をしたりすることをしない作者の生き方がよく出た句です。

    만남を 経て少女はすぐ ゴールイン (NO102)

    この少女とは誰なのでしょうか。春香のことなのでしょうか。春香は「二八青春(イパルチョンチュン)」で、16歳ですから、当時は立派な大人といえる年齢です。この「二八(イパル)」は「2×8=16」という掛け算になっています。

    こんな句も

    どう転ぶ? ケンタッキーとの この만남 (NO103)

    「ケンタッキー」との「만남」とはあの髭のおじいさんが立っているお店のことなのでしょうか。毎日行っているのかも知れません。それとも特定の誰かのことを指しているのでしょうか。この先どうなるのか興味津々です。

  • 第11回 ハラボジ:할아버지(おじいさん)

     

    할아버지は 俺より時代 進んでる (NO111)

    おじいさんが自分より進んでいる「時代」とは何でしょうか。未来を予測する力でしょうか、時代が要求する技術なのでしょうか、あるいは考え方なのでしょうか。この句の作者の할아버지は若くても60代ではないかと思われます。これからは「할아버지力」が問われる時代になるのかもしれませんが、そうなると若い皆さんの研鑽が今後益々求められるようになります。할아버지も「マゴマゴしてられない」と思っているのでしょう。

    할아버지は 僕らの知らない 顔をもつ (NO102)

    自分の知らない할아버지の顔とはどんな顔なのでしょうか。興味津々ですが、何かは分かりません。할아버지の知らない私の顔もあるのでしょうから、家族の知らない面があるからといって不思議ではありません。逆に할아버지の何を知っているのか考えてみると、これといって挙げられるものはあまりありません。しかし、この句の「할아버지」を「할머니:ハルモニ」に代えるとこの句は成り立たない気がしますから、할아버지でよかったと内心思っています。

    할아버지は 床屋へ行って 髪切った (NO123)

    齢を取ると頭の髪が気になってきます。할아버지がいつも床屋で髪を切ってもらうのであれば、この句を作ることはないでしょうから、할아버지の髪はふさふさとはしていないのだと思われます。何かがあって普段は行かない床屋に行って髪を切ってもらったのでしょう。お祝い事であればいいのですが、その反対の場合もあります。若い人が髪を切るのとは違った理由があったのでしょう。この句の作者はその理由を知っているのかも知れません。

    할아버지と 共に過ごした あの夏の日 (NO129)

    子供の頃の思い出は季節と結びついているものが多いようです。夏の日の思い出ということですから山か海か川に一緒に出かけたのか、あるいは夏休みに할아버지の家に泊まりに行ったのでしょうか。きっと할아버지に可愛がってもらった記憶とともに夏の日があるのでしょう。そして할아버지の記憶にも残っていることでしょう。

    할아버지に 会えずに今日も 雪が降る (NO121)

    雪の国に住んでいたのでしょうか。雪がなければ할아버지の家に遊びに行けるのに、雪で外に出られないのでしょう。今年は東京でも雪がたくさん降りました。ソウの方が東京よりも雪の降る回数が多いのですが、20センチを超える大雪はそれほど多くありません。歴代5位までの記録が以下のサイトに出ています。

    http://blog.naver.com/PostView.nhn?blogId=dutchkorea&logNo=130180618222

    こんな句も

    할아버지は 山へ柴刈りに 行く (NO132)

    「桃太郎」のはじめの部分のようですが、このように書かれたものを見ると、文句なく新鮮さを感じます。「柴」とは薪(たきぎ)のことで、おじいさんの家に行くと風呂焚き用の薪を刈りに近くの山に登った記憶があります。할아버지のきりっとした姿が見えるようです。

    할아버지は 床屋へ行って 髪切った (NO123)

    という句も

    할아버지は 床屋へ行って 髪を切る

     とすると、할아버지の颯爽とした姿が思い浮かびます。

  • 第10回 ハルモニ:할머니(おばあさん)

     

    正月は 할머니の家で お年玉 (NO127)

    日本では新暦で正月を祝いますが、韓国では旧暦で祝います。年によって立春の前になったり、後になったりします。何歳ぐらいまでお年玉がもらえるのかは家庭によって違うでしょうが、成人になってもまだ学生だからといってもらっている学生もいるようです。

    ハラボジよりハルモニのほうが言いやすいのでしょう。ちなみに、新年の挨拶を「세배」、お年玉のことは「세뱃돈:セベットン」と言います。

    朝走る うちの할머니は 超元気 (NO106)

    ハルモニは走るというイメージからはずいぶん遠いようです。それは、「꼬부랑할머니 (腰の曲がったお婆さん)」という童謡のせいかも知れません。以下のサイトで「이선희」の歌を聴くことができます。

    http://www.youtube.com/watch?v=SRyd2ssrrm4

    「超元気」という表現から、若者のほうが負けてしまっているような感じもします。ぜひ一緒に走ってみてください。ハルモニの本当の力を知ることになるでしょう。

    ねえ할머니 教えて煮物の 作り方 (NO103)

    煮物の作り方は母親からというのが普通なのですが、母親が忙しいのでしょうか、おばあさんから教わろうという作戦のようです。韓国では鍋料理が基本で、チゲの味も家ごとに違います。チゲといえば「キムチチゲ」「テンジャンチゲ」「トゥブチゲ」などが代表格ですが、最近日本でも「プデチゲ」が流行っているようです。

    「プデ」というのは「部隊」のことで、野菜でも肉でも魚でもありません。肉の代わりにハムやソーセージなどを入れた軍隊での鍋料理からきています。「부대찌개」を韓国のサイトで検索すると美味しそうな「プデチゲ」がたくさん見られます。

    こんな句も

    我が할머니 頼りにするよ これからも (NO107)

    頼りになる人がいれば、不安な時、困難な時にどのくらい心の支えになるかわかりません。頼りにされる할머니も頼りにされていることを知っているでしょう。

  • 第9回 ウリシック:우리 식구(我が家族)

     

    우리 식구 世界一 家族愛 (NO127)

    「우리」は「私たち」、「식구:食口」は「家族」という意味です。何であれ自分の家族を世界一と言えるのは幸せなことです。家族愛で世界一であればなお更です。いつまでも世界一でいられることを願っています。

    우리 식구 一発当てたい 宝くじ (NO108)

    宝くじは買わなければ当たりませんが、買ったからといって必ず当たる訳ではありません。家族のうち誰かが宝くじを当てると大喜びですが、急に大金を持つと不幸になるという話しもよく耳にします。心配があっても当たる確率は低いので、ともかく当てたいという気持ちが先に立つのでしょう。当たったときにはくれぐれも注意しましょう。

    우리 식구  家庭崩壊 大ピンチ (NO109)

    子供が大きくなり、生活のスタイルが各自バラバラになって、分食(ぶんしょく:家族が別々に食事をすること)が始まり、進学や就職などで兄弟姉妹が別れ別れになり、家族間の感情の交流も少なくなり、疎遠になっていくという流れを直感的に感じ取っている句です。大ピンチにならないうちに何とかしたいという思いも感じられます。

    類句に次の句があります。

    成長し バラバラになる 우리 식구 (NO101)

    こんな句も

    우리 식구 血液型が みなちがう (NO119)

    4人家族で血液型が皆違う場合があります。血液型による性格占いなども流行っているようですが、血液型がみんな違うと、とてもバラエティに富んだ家族といえるでしょう。

    なお、血液型については次のサイトをご参照ください。

    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1068949045

  • 第8回  シオモニ:시어머니(姑-しゅうとめ)

     

    イジワルな 시어머니いると ひと苦労 (NO111)

    ドラマの姑(しゅうとめ)の意地悪なイメージが強いせいか、シオモニはあまりよく思われていないようです。しかし、ドラマ作家はあちこちに葛藤を作り出すことを仕事としています。そこでシオモニに働いてもらうという筋書きになるのですが、イジワルさを維持するのも実は一苦労なのです。

    시어머니が 埃を吹いて 嫁が散る (NO103)

     日本では障子の桟に埃がよく溜まりますが、韓国の最近の家では障子に当たるものはみあたりませんし、姑が嫁を埃が溜まっているといって叱っている場面はあまりみません。

    韓国のホームドラマでよく見る嫁姑の葛藤を「コブカネ カルトゥン(고부간의 갈등)」と言いますが、葛藤の材料は埃などの細かいものでなくても、そこここにありますので、この句は日本式の葛藤の表れを表したもののようです。

    本当は 寂しがり屋だ 시어머니 (NO124)

    シオモニは年を重ねるごとに内面は寂しくなるのでしょう。「本当は」ということはそのようには見えないけれど、といったニュアンスが感じられます。憎まれ役のシオモニであればなおさらのこと、寂しがり屋かもしれません。こうしたシオモニの心の一面をよく捉えている句です。

    こんな句も

    시어머니と 仲良く楽しく 暮らしたい (NO117)

    誰しも仲良く暮らしたいと思うでしょう。シオモニとも仲良く楽しく暮らせればもう怖いものなしで、ルンルンです。このような希望とは裏腹な境遇も多いことからこのような句ができるのでしょう。

  • 第7回 オンマ:엄마(母さん)

     

    親孝行 엄마と一緒に 韓国旅行 (NO101)

    韓国旅行に母親と一緒に行ってきたという話を女子学生からよく聞きます。どうやら一緒に韓国に着いた後は別行動をすることも少なくないようです。行きたいところがそれぞれ別にあるからで、「いつでも一緒」というパターンでは親孝行にはならないのかも知れません。ずいぶん韓国旅行に慣れている母親と娘のようです。

    엄마엄마~ 留学で見た 韓国のぬくもり (NO114)

    韓国に留学したことのある学生のようです。友達の家に呼ばれて、食事なども一緒にしたに違いありません。「엄마엄마~」と母親を呼ぶ友達の声に韓国の家庭のぬくもりを感じたようです。これは日本と韓国での子育て観の違いが形になって現れているように思います。

    厳しいが 一番偉大な 우리엄마 (NO117)

    日本で母親が厳しさを娘に求めるのは、早く一人前になってほしいという希望と期待がその背景にあるからだと思われます。「엄마」が「一番偉大」であることは日本も韓国も変わりないと思いますが、韓国では娘はいつまでも娘であって、大きくなってからも厳しい母親はあまりいないようです。

    こんな句も

    あの山は なぜ待っているの 教えて엄마 (NO102)

    子の母親に対する信頼は無限といってもいいようです。なんでも答えてくれ、なんでも実現してくれるのが母です。子供は無理難題をいくつも母親にぶつけますが、その度に母親は答えてくれます。本当に母親は偉大です。

    この句で「엄마」をもし「아빠(父さん)」に替えると、おそらくこの句は成立しないでしょう。「엄마」だからできることがうなずける句になっています。皆さんはどう答えますか?

  • 第6回 アンニョン:안녕(安寧)

     

    昼晩 いつでも使える 안녕하세요 (NO118)

    この句のように「안녕하세요:アンニョンハセヨ」は朝昼晩いつでも使える挨拶です。「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」を一つの言い方で表せる大変便利な挨拶言葉です。

    「안녕하다:安寧だ」には「平安だ、安泰だ」の他に「元気だ、心身がすこやかだ」といった意味もあり、健康を気遣う時に用いられます。

    友達と 안녕だけで 一日あいさつ (NO110)

    「アンニョン」は会った時も、別れる時も、すれ違う時も使える便利な挨拶で、友達同士で最もよく用いられます。本来は「安寧」という漢字語ですが、やわらかい響きがあります。略さずに言えば「アンニョンハセヨ」です。この句のように「アンニョン」だけで一日過ごす人もたくさんいるようです。

    類句に次の句があります。

    オールマイティ この一言で 안녕(NO127)

    안녕と 笑顔で別れて また明日!(NO119)

    「アンニョン」と笑顔で挨拶できる間柄は人間関係もよく、元気でいることの証明のように思います。次の日の朝、また友達に会って、「アンニョン」と挨拶して、夕方になり「アンニョン」と言って別れて家路につき、一日を終えて、また明日を迎える。なんと明るく平和の響きあう世界なのでしょう。この句の作者のように元気溌剌でいたいものです。

    こんな句もあります。

    안녕하세요 あいさつ一つで みな笑顔 (NO117)

    「アンニョンハセヨ」には笑顔が似合います。会うときも別れるときも挨拶の基本は「アンニョンハセヨ」です。「アンニョンハセヨ」と挨拶をしてくれる学生も増えて来ました。

    「アンニョンハシムニカ」というフォーマルな表現もありますが、フォーマルなだけにややかたい感じがします。かつては初対面の人には「アンニョンハシムニカ」を使うようにという注釈をつけていましたが、現在は初対面の人でも「アンニョンハセヨ」で十分だと思います。

  • 第5回 イルム:이름(名前)

     

    学びつつ イルムの仕組み 見つけ出す (NO106)

    韓国人のイルム(名前)には色々なルールがあります。例えば男兄弟は同じ漢字が一文字使われ、この漢字は従兄弟にも用いられます。もちろん例外もありますが、同じ代では同じ漢字を用いるというルールがあります。

    この漢字のことを「行列字(항렬자:ハンニョルチャ)」または「돌림자:トルリムチャ」といいます。代ごとに別の文字が用いられますので、これで何代目の子孫かが分かる仕組みになっています。

    この句で「仕組み」とあるのはこのようなルールのことです。学びながらこのルールの仕組みを知ると、ドラマをみる目も変わってくるでしょう。

    イルムには 伝統的な 五行あり (NO113)

    イルムのルールの「行列字」には世代の順序があり、「五行説」に従います。「五行:오행」とは「木-火-土-金-水」の順の五つをいいます。イルムには五行とかかわりのある文字がよく用いられました。例えば、祖父が「木偏」だとすると、

    父は「火偏」、私は「土偏」、子供は「金偏」で孫は「三水偏」が付くといったように五行の順に名前に漢字が振り当てられます。この文字は適当に付けるのではなく、すでに決まっていて、この決まった文字を「行列字」と呼んでいます。「五行」でない場合は数字や干支が用いられますが、この順序が世代順となります。

    韓国の イルム可愛い うらやましい (NO114)

    韓国の名前には難しいルールがありますが、最近はこうしたルールに沿ったものではなく、純固有語の名前を付ける親も増えてきましたし、実際に「아름:アルム(美しさ)」「한샘(大きい泉)」「보름(満月)」などよく耳にするようになりました。

    こんな句もあります。

    イルムを知り ため息をつく 若人よ (NO103)

    韓国では長く同姓同本(姓も同じで、本貫(その姓の出た土地)も同じ)だと結婚できませんでした。せっかくミーティング(「合コン」のこと)でいい人と出会っても、同姓同本であればため息を付くしかないという内容の句です。

    金さんは韓国に約1000万人ほどいます。このうち4割ほどが金海金氏(姓が金で本貫が金海の場合)で、全体の約1割に当たります。

    類句に次の句があります。

    合コンで イルムと本貫 最重要」(NO126)

  • 第4回 アヤオ体操:아야어 체조

     

    疲労感 アヤオ体操 5連発 (NO116)

    アヤオ体操とはハングルの母音を覚える体操です。次のブログで紹介しています。

    http://blog.livedoor.jp/kanetaka123/archives/1127174.html
    ○ま~る書いて縦棒は(イ)、
    右に(ア)(ヤ)、左(オ)(ヨ)
    ○ま~る書いて横棒は(ウ)、
    上に(オ)(ヨ)、下は(ウ)(ユ)

    と歌いながら、腕を動かします。このアヤオ体操を5回ワンセットで5連発すれば、体で覚えられますが、やはり疲れるのでしょう。

    アヤオ体操 歌って踊って 先生息切れ (NO101)

    字余りの句ですが、「先生息切れ」が教えるときの体操の様子をよく伝えています。高いテンションを維持しながらやりますので、先生も大変ですが、学生も大変です。

    もう一度、ブログのユーチューブの動きを見て、真似ながら、5連発やってみましょう。すぐに覚えられるようになります。

    さあみんな アヤオ体操 はっじまるよ (NO115)

    アヤオ体操をするぞという気合が「はっじまるよ」の小さい「っ」に感じられて、好感のもてる句になっています。「さあ」という掛け声と「みんな」への呼び掛けもぴったりです。こんな調子で授業が進められると最高です。

    こんな句もあります。

    アヤオヨと 母音がいっぱい ウェあるの (NO121)

    アヤオ体操を卒業して、合成母音の「왜:ウェ」のことを詠んだ句です。どことなく余裕が感じられるのは「ウェ」に「なぜ」という意味があり、しかもこれが「오+아+이」の3つの母音を合わせた文字だと知っていて、使っているからでしょう。

    アヤオでハングルの母音は覚えたが、数えてみると基本母音は10個、合成母音は11個もあって、これは「ウェ(なぜ)?」と問う形の洒落た句になっています。

  • 第3回 チェサ:제사(祭祀)

     

    準備して 皆が集まる チェサの日は (NO103)

    「チェサ」は漢字では「祭祀」と書きます。祖先を敬い、チェサ用の食べ物を準備し、四角いテーブルの決められた位置に配膳します。チェサの日には他の予定は入れず、家族、親戚一同が会します。チェサは長男がすることになっていますから、長男の嫁は準備が大変です。

    前日から準備をすることが多く、長男の家族だけでなく、長男の姉妹が手伝いに行くことが多いようです。料理などは女性の仕事で、男性は栗の皮を剥く位です。ともかくチェサには出ないわけにはいかないという重要行事であることを詠った句です。

    祭祀には亡くなった日に行う「忌祭祀」と旧正月や秋夕(陰暦8月15日)など年中行事の「茶礼」があります。ただし、キリスト教徒のプロテスタント(新教)は「祭祀」をしません。

    チェサして 先祖敬い 子孫繁栄 (NO126)

    祭祀をする理由を尋ねると、祖先を敬うことで、子孫が繁栄するからという答が返ってきます。祭祀を代々している家は長男の家ですが、いつ祭祀をするからという連絡を親戚にすることはないようです。

    「忌祭祀」も旧暦でするので、新暦では毎年、月も日にちも一定していませんが、どの家にも旧暦が書かれた暦があるので、迷うことはありません。行くほうも連絡をしてから行くことはあまりないようです。行くことになっているので、当然のように長男の家を訪れます。

    この時、季節の果物や肉などをお土産に持っていきます。こうして親戚中が集まることが、子孫繁栄を促しているのかもしれません。

    金かかり 泣きたくなるよ チェサとやら (NO109)

    祭祀をするには、お肉、魚、餅、野菜、果物、菓子類など相当の量を使いますのでこの材料費だけでも大変です。当日、テーブルに配膳した食べ物だけでなく、祭祀に訪れた親戚にも作ったものを持って帰ってもらう習慣がありますので、長男一家の食費の一ヶ月分ほどを使うこともあるようです。

    この句はそのあたりの事情を詠んだものです。食料品が上がると主婦は大変ですが、とくに祭祀の準備には響きます。

    こんな句もあります。

    大集合 明日はチェサだ 嫁急ぐ (NO120)

    祭祀の忙しさを詠った句です。いろいろと買い物をしなくてはいけませんが、祭祀には使わない野菜や魚、果物があります。野菜では「ニンニク」「ニラ」「ネギ」「唐辛子」など辛かったり、刺激の強いものは用いません。

    魚では「갈치(カルチ:太刀魚)」「삼치(サムチ:さわら)」「꽁치(コンチ:秋刀魚)」「멸치(ミョルチ:いわし)」など「치」の付くものは膳にあげません。

    これらは安い魚と考えられていて、もっといいものを膳にあげなければいけないからという理由のようです。果物では「桃」が嫌われます。霊は「桃」に弱いとされているからです。

    「제사상」で検索すると配膳の仕方が分かります。一度検索してみてください。配膳の仕方にルールがあることが一目で分かります。

    http://jepisode.com/326

    http://100farm.tistory.com/139

    http://blog.daum.net/milchang/354

    例えば、手前の列に果物が並んでいますが、左端は「棗(なつめ」で、その右側には「栗」があります。「棗、栗、梨、柿」という順に並んでいます。地方によっては、「棗、栗、柿、梨」の順にするところがありますが、いずれもこうした決まりがあって、配膳をしているのです。

     

    初めての場合は準備も大変、配膳するのも大変です。