• ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第4回

    詩子アナ:満年齢ですか、数え年ですか。

    歌樽先生:当時も今も年齢は数え年が普通ですね。

    詩子アナ:小学校に入る頃には凧揚げをやっているでしょうから、、、

    第4問:答は2)の5歳~7歳、です。

    歌樽先生:残念でした。

    詩子アナ:残念ですか。では、、、

    第4問:答えは4)の10歳以上です。

    歌樽先生:残念でした。

    詩子アナ:残念!では、、、

    詩子アナ:残念さは変わりませんが、かしこまりました。最後の選択肢で、

    第4問答えは3)の8歳~9歳、です。

    歌樽先生:残念でした。選択肢が一つ残っていますが。

    第4問:答えは1)4歳以下、です。

    数え年で4歳は満では3歳ということですから、これは初めから選択肢からは外していました。満3歳で凧揚げとは驚きです。

    歌樽先生:素月の叔母の桂熙永著の『私の育てた素月』(章文閣 1969)に書かれていますね。

    詩子アナ:どんな風に書かれているのですか。

    歌樽先生:「素月はこうして4歳の時から凧を揚げ、誰よりも凧を高く揚げた」(P40)

    詩子アナ:数えの4歳は満では3歳ですね。3歳の子が一人で凧を揚げるのは大変だったでしょうね。

    歌樽先生:凧揚げをかなり力を入れて習ったようなのですが、そのあたりを見ていきましょう。

    第5問:素月は誰から凧揚げを習ったでしょうか。

    1)父親  2)兄  3)祖父  4)祖母

    詩子アナ:凧揚げは習わなくても、やっているうちにできるようになるとは思いますが、幼いですから、誰かから教わった方が安心ですね。

    第5問:答えは、3)の祖父、です。

    歌樽先生:正解です。ちなみに素月は長男ですから、お兄さんはいません。

    詩子アナ:お祖母さんが教えることはないでしょうし、お父さんは病気がちだったようですから。

    歌樽先生:推理力が戻ってきましたね。

    詩子アナ:まだまだです。力を入れて習ったというのは、ただならぬ感じがしますが。

    歌樽先生:それには糸が関連しているようですね。凧糸を引いたり緩めたりと、力の入れ方が大切ですからね。『私の育てた素月』に祖父が凧揚げを素月に教えたこと、そして、凧糸がとても貴重だったことが書かれています。

    第6問:では、凧糸は誰が用意してくれたのでしょうか。

    1)父親  2)母親  3)祖父  4)祖母

    詩子アナ:凧糸は買えばいいんじゃないんでしょうか。

    歌樽先生:当時は今のように凧糸用の糸を簡単に買える時代ではなかったようですよ。

    詩子アナ:ということは、糸を紡ぐのですか。

    歌樽先生:凧糸を紡ぐだけでなく、糸ができた後に特殊な加工も必要になりますからね。

    詩子アナ:高く揚げるにはずいぶん長い糸が必要になるでしょうし、分かりました。

    第6問:答えは、4)の祖母、です。

    祖父が凧揚げを教えるのですから、糸は祖母という組み合わせがピッタリです。

    歌樽先生:ピッタリかどうかはあまり関係がありませんが、正解です。このころの子供たちは凧糸を作るのにセーターとかソックスのようなものの繊維を解いて使っていたようですよ。

    詩子アナ:そうなんですか。凧の糸に特殊な加工が必要だというのはどういうことですか。

    歌樽先生:では、これを問題にしてみましょう。

    第7問:凧糸が特殊なのは糸に何が必要だからでしょうか。

    1)長さ  2)太さ  3)切れにくさ  4)しなやかさ

  • ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第3回

    歌樽先生:私も久しぶりに聴きました。1911年刊行の『尋常小学唱歌』に掲載された文部省唱歌とありますね。

    詩子アナ:尋常小学というのは何ですか。

    歌樽先生:旧制の小学校で「尋常小学校」と言っていました。

    詩子アナ:同じ頃にどんな唱歌が作られたのですか。

    歌樽先生:「♪でんでん虫虫」の「かたつむり」や「♪山田の中の一本足」の「案山子(かかし)」、「♪秋の夕日に照る山」の「紅葉(もみじ)」、「♪京の五条の橋の上」の「牛若丸」などたくさんありますね。

    詩子アナ:「でんでん虫虫」以外はあまりよく分かりませんが。

    歌樽先生:学校で習う歌も昔とはずいぶん違っているんでしょうね。

    詩子アナ:先生は「かたつむり」「案山子」「紅葉」「牛若丸」の歌、全部知っているんですか。

    歌樽先生:有名な歌ですから、知っていますよ。そのかわり、最近の歌はよく知りませんが。

    詩子アナ:時代の移り変わりがとても早いようですね。「紙鳶の歌」のように、凧には「絵だこ」と「字だこ」があるんですか。

    歌樽先生:凧に「武者」や「龍」の絵を描いたものを「絵だこ」、「龍」などの文字をかいたものを「字だこ」と言っていますね。江戸時代の浮世絵にも凧揚げが取り上げられていますよ。

    • 広重: a) 山下町日比谷外さくら田  
    • 広重: b)『東海道五十三次』袋井「名物遠州だこ」
    • 北斎: c) 浅艸(あさくさ)本願寺    
    • 北斎: d) 江都(えど)駿河町三井(みつい)見世略圖

    子アナ:いろんな凧があるんでね。韓国でも凧揚げの民俗画のようなものが残っていますか。

    歌樽先生:凧揚げは大切な民俗行事ですから、いくつもありますよ。

    詩子アナ:小さい子供が凧揚げをしていますね。着ているものもカラフルで楽しいですね。金素月は子供の頃凧揚げをしていたのですか。

    歌樽先生:子供の頃、熱心にやっていたようですね。

    第4問:素月は何歳の頃から凧揚げをしていたでしょうか。

    1)4歳以下  2)5歳~7歳  3)8歳~9歳  4)10歳以上

  • ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第2回

    歌樽先生:今回はいろいろと難しいところもあるのですが、強いて言えば「네 길거리」でしょうか、あるいは「혼자 섰으면」でしょうかね。

    詩子アナ:キーとなるハングル、難しいようですが、「네 길거리」と「혼자 섰으면」いただきました!「길거리」は「通り」、「네」は「4つ」の意味ですから、「네 길거리」は「四辻、四つ角、十字路」といった意味になります。また、「혼자」は「一人」、「섰으면」は「立てれば、立ちたいなあ」で、「혼자 섰으면」は「一人立てれば、一人立ちたいなあ」といった意味です。では、このキーとなるハングルが入っているのはどんな詩でしょうか。

    歌樽先生:こちらを見てみましょう。金素月の詩集『진달래꽃』の55番目の詩です。

    紙鳶

    午后의 네길거리 해가 드럿다、

    市井의 첫겨울의 寂寞함이여、

    우둑키 문어구에 혼자섯스면、

    흰눈의 닙사귀、紙鳶이 뜬다。

    詩子アナ:漢字が多くて、読みにくいものもありますね。

    歌樽先生:では、ハングルで読めるように綴りも現在の書き方に合わせましょう。ついでに、直訳型の臨時訳も付けておきましょう。しっかりした訳詩はあとでまた考えることにして、臨時訳をしてみましょう。

    詩子アナ:分かりにくいところもあるのですが、それはゆっくり伺うことにします。

    지연(紙鳶)                            凧(臨時訳)

    午後(오후)의 네 길거리 해가 들었다. 午後の四辻に陽が射した。

    市井(시정)의 첫겨울의 寂寞(적막)함이여, 街の初冬の静かさよ、

    우둑히 문어귀에 혼자 섰으면,  ぷらりと門(かど)に独り立てれば、

    흰 눈의 잎사귀, 紙鳶(지연)이 뜬다.  白雪の木の葉、凧浮かぶ。

    歌樽先生:詩のタイトルを考えてみましょう。

    第3問:「紙鳶」は音読みでは「しえん」ですが、訓読みでは次の内どれでしょうか。

    1)やっこだこ 2)いかのぼり  3)かみとんび 4)あがりえい

    詩子アナ:「鳶(とんび)」からすると「かみとんび」と読みたいのですが、少々お待ちを。辞書の支援をいただきまして、調べてみます。

    第3問:答えは、2)いかのぼり、です。

    広辞苑には「いか【紙鳶・凧】」「いかのぼり【凧・紙鳶】」「しえん紙鳶】凧(たこ)。いかのぼり。<季新年>」とあります。1)も3)も4)もありませんので、2)です。

    歌樽先生:正解です。凧揚げのことを「いかのぼり」と言っていたようですね。明治時代の「尋常小学唱歌」に「紙鳶の歌」があって、ここでは「紙鳶」に「たこ」のルビがついています。歌を聴いてみましょう。

    紙鳶の歌(たこのうた)尋常小学唱歌「第一学年用」Bing video

    一、紙鳶(たこ)紙鳶(たこ)(あが)れ。(かぜ)よくうけて、(くも)まで(あが)れ、(てん)まで(あが)れ。

    二、繪紙鳶(えだこ)字紙鳶(じだこ)、どちらも()けず (くも)まで(あが)れ、(てん)まで(あが)れ。

    三、あれあれ、(さが)る。ひけひけ(いと)を。あれあれ(あが)る。(はな)すな(いと)を。

    詩子アナ:初めてですが、どこかで聴いたことのあるようなメロディーですね。

  • [毎週水曜日アップ、全18回の予定です]

    ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第1回

    ナレーター:詩には風景があります。それぞれの詩にどんな風景があるのか想像してみると、その詩の姿がはっきりと浮かび上がってまいります。今回のハングルの詩はどんな風景のどんな詩なのでしょうか。

    独断と偏見でお馴染みの歌樽先生が現場にすでに到着なさっているようです。では、現地の詩子アナウンサーを呼んでみましょう。現地の模様はいかがでしょうか。

    詩子アナ:はい、こちら詩子です。お昼を済ましてから、散歩がてらこの公園に来ている人も多いようです。では、歌樽先生に伺ってみましょう。今回の詩のキーとなるハングルはずばり何でしょうか。

    歌樽先生:ずばーり、、、難しいですね。

    詩子アナ:そこのところを何とかお願いします。

    歌樽先生:今回はかなりぐるぐると回り道をしながら見ていくことになりそうですので、全てをキーとなるハングルにしたいのですが、そうもいかないので、こんな問題から始めましょう。

    第1問:次の語の内、素月の詩の中で最も多く用いられているのはどれでしょうか。

    1) 새(鳥)   2) 구름(雲)   3) 달(月)   4) 하늘(空)

    詩子アナ:1)の「새」は「山有花(산유화)」という題の詩に「산에서 우는 작은 새요(直訳:山で鳴く小さな鳥よ)」 と詠っている部分がありましたね。

    歌樽先生:そうですね。本文では「적은새」という表記になっていますが、「작은 새(小さな鳥)」のことですね。

    詩子アナ:4)の「하늘」は「제비(つばめ)」という題の3行詩の一行目に「하늘로 날아다니는 제비의 몸으로도 (直訳:空を飛び交うつばめの身でも)」とありました。

    歌樽先生:なかなかよく覚えていますね。本文では「하늘」が「하눌」となっていましたね。

    詩子アナ:あの、あてずっぽうですが、

    第1問:4)空(하늘)、にします。

    歌樽先生:あてずっぽうといわれては、何とも言いようがありませんね。

    詩子アナ:では、当たりですか。よかった!空を見て何か探していらっしゃるようでしたので。

    歌樽先生:ああ、そうでしたか。空を見ながら、「空」が答になるような問題を無意識のうちに作ってしまったようですね。使用頻度順に並べると、およその割合ですが、

    ()구름()()하늘() →1:2:3:4 となります

    詩子アナ:あの、キーとなるハングルをそろそろ伺いたいのですが、いかがでしょうか。

    歌樽先生:では、この問題をしてからにしましょう。

    第2問:空をみながら待っているものは次の内、どれでしょうか。

    1) 花火(불꽃놀이)  2)凧揚げ(연날리기)の凧  3) 飛行機(비행기) 4) UFO(비행접시)

    詩子アナ:あの、私、UFOの町に行ったことがあります。

    歌樽先生:日本にUFOの町があるんですか。

    詩子:ええ、石川県の羽咋(はくい)市です。「宇宙科学博物館コスモアイル羽咋」という展示館で、実物大の宇宙船や宇宙食もあります。

    本物の宇宙船がある宇宙科学博物館コスモアイル羽咋

    歌樽先生:実は、あまりUFOの話をするつもりはなかったのですが。

    詩子アナ:それは残念ですね。『宇宙&UFO国際会議報告書』もここから出されているんですが。

    歌樽先生:そのお話は別の機会に伺いましょう。

    詩子アナ:ということは、UFOの話ではないようですので、答えが分かりました。

    第2問:答は、2)凧揚げ(연날리기) の凧、です。

    花火を上げるのは夜ですし、飛行機はよほど低空でなければ見えませんから。

    このあたりで、キーとなるハングルをお願いします。

  • 兼若先生執筆の「ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ」を連載中です。今回のキーワードは「네 길거리」と「혼자 섰으면」です。ハングルの詩の世界をのぞいてみてください。新しい世界を発見できるはずです。

    掲載日
    素月と凧揚げ 012021.12.01
    素月と凧揚げ 022021.12.08
    素月と凧揚げ 032021.12.15
    素月と凧揚げ 042021.12.22
    素月と凧揚げ 052021.12.29
    素月と凧揚げ 062022.1.05
    素月と凧揚げ 072022.1.12
    素月と凧揚げ 082022.1.19
    素月と凧揚げ 092022.1.26
    素月と凧揚げ 102022.2.02
    素月と凧揚げ 112022.2.09
    素月と凧揚げ 122022.2.16
    素月と凧揚げ 132022.2.23
    素月と凧揚げ 142022.3.02
    素月と凧揚げ 152022.3.09
    素月と凧揚げ 162022.3.16
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    素月と凧揚げ 182022.3.30
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    12月1日から新シリーズ「素月と凧揚げ」の連載が始まります。ご期待ください。

  • 「金素月の詩と韓国文化」というサイトを立ち上げました。「金素月の詩」と「ハングル俳句かるた文化」を統合し、デザインを変更したものです。コンテンツは以下のとおりです。近々、新しいシリーズの連載を予定しています。引き続きよろしくお願いします。

    目 次
    失題の秘密 (19篇)
    수아 樹芽(木の芽 15篇)
    진달래꽃 つつじの花(15篇)
    제비 燕(つばめ 15篇)
    초혼 招魂(しょうこん 22篇)
    산유화 山有花(さんゆうか 18篇)
    엄마야 누나야 オンマヤ・ヌナヤ(25篇)
    ハングルと韓国文化: こんなところにハングル; 食に文化あり
    ハングル俳句: 一語ハングル俳句; 作品集(1); 作品集(2); 作品集(3); 作品集(4 翻訳付)
    ハングルかるた: あ行; か行; さ行; た行; な行; は行; ま行; や行; ら行;
    リンク集: 金素月について
    site contents

  • 上田敏訳「海潮音」を縦書き文庫で読むことができます。

    スマホでは、画面左右の端をクリックしてページ送りしてください。PCでは、Jキー(右) Kキー(左)または左右ページ送りキーで行ってください。

    https://tb.antiscroll.com/novels/library/13236

  • ハングルの詩のある風景: 失題の秘密 第19回

    詩子アナ:素月は「Aでもあり、Bでもある」というスタイルですから、126のようにも、127のようにも見えるようにしたのかもしれませんね。それに「CでもDでもある」のでしたら、もうここでは126でも127でもどちらに理解されても構わないけれど、ただ127と理解できる余地を残しておきたかったのでしょう。だんだんそんな気になってきました。ということで、

    28問:答えは4)127番目「닭은 꼬꾸요」。1~127までの総和が「127×128÷2=8128」です。

    歌樽先生:いろんなところで完全数が出てきますね。目次の詩のタイトル表記と本文の詩のタイトル表記が違っているのですが、それを表にしておきましょう。

    NO目次表記p本文表記p字数記号
    4山우헤서8山우헤81  
    6님외노래12님의노래121  
    20옌前엔 밋처 몰낫서요37예전엔 밋처 몰낫섯요373  
    22해가 山마루에 저믈어도39해가 산마루에 저므러도392  
     無主空山 나의 金億씨에게。素月 無主空山4191
    25하늘끗(ㅅ+긋)45하눌끗(ㅅ+ㄱ+ㅡ+ㅅ)451  
        17 1
    1/2

    NO目次表記p本文表記p字数記号
    50맛나려는 心事87맛나려는 心思871  
    57서름의 덩이94셔름의 덩이941  
     녀름의 달밤『外二篇』 녀름의 달밤 外二篇 0『 』1
    85바라건데・・・・ 잇섯드면145바라건데・・・・ 잇섯더면1451  
    95旅愁(一)169旅愁一1690(  )1
    96旅愁(二)1691704(  )1
        7 3
    総計244
    2/2

    詩子アナ:異なっている文字と数字を合わせると「28」なんですか。目次からもう完全数をしっかり見つめていたとしか考えられませんね。国の完全な独立と自由の回復を「完全数」に託して詩集を完成させたという理解でいいのでしょうか。

    歌樽先生:素月が目次と本文の詩のタイトルの違いを認識していたという証拠はありませんが、「Aでもあり、かつBでもある」という理解が基礎にあればそのように理解して差し支えないでしょうね。こうして「ぎりぎりの表現の『自由』」を勝ち取ったわけですから。では、この形式の発見を土台にして1つ目の「失題」を訳詩してみましょう。

    詩子アナ:えっ?私が訳詩するのですか。もうほとんど出来ている状態ではないんですか。

    歌樽先生:いえ、まだ肝心なところができていませんね。「 눈을 인제 그만 감으십시오」の部分をどう訳すのかがまだ解決していませんし、全く新たに訳すことも可能ですから。

    詩子アナ:私、今、目をつむってしまいたい気持ちですが…

    歌樽先生:目をつむると夕日が見られませんよ。夕食は「メバルのメウンタン」をいただきましょう。

    詩子アナ:「スンデ」ではなくて「メバル」ですか?

    歌樽先生:メバルに似た魚です。「メバル」は「眼張」とも「目張」とも書くようですよ。しっかり目を開けて夕日を鑑賞しましょう。それから、明日は遊覧船で10景のうちの一つの「独立門岩」を見にいきましょう。

  • ハングルの詩のある風景: 失題の秘密 第18回

    詩子アナ:「みんなごらんよ 陽が沈む」ですから、これはもう2)の「西山」に違いないと思うのですが、これでは秘密になりませんね。

    歌樽先生:秘密があると睨んだところはさすがですね。

    詩子アナ:これで、秘密があることがはっきりしました。ということは、正解が2)ではないということですから、他を捜さなくては。以前「破字(파자)」を学びましたが、「破音(파음)」というのはあるのですか。

    歌樽先生:聞いたことはありませんが、必要であれば作ることは可能ですよ。どういう概念かはっきりしていれば考えましょう。

    詩子アナ:「破字」は漢字の字画の部分を利用しますが、この「破音」は一連の音のつながりから、その一部の「音」を利用するものなんです。

    歌樽先生:それはずいぶん深みに入ってきましたね。

    詩子アナ:ということは、これが正解のようですね。

    第27問:1)東海、です。

    歌樽先生:理由は?

    詩子アナ:ローマ字で書いてみると分かりやすいです。

    みんな ごらんよ ひが     しずむ

    MI(4)NNA GORAN’YO HIGA(1) SHI(2)ZUMU(3)

    下線の部分を数字の順によむと「HIGA(1)SHI(2) U(3)MI(4)」つまり「東海」となって「東海」になります。ここに「東海」が隠れているとは驚きですね。

    歌樽先生:なるほど、これが「破音」ですか。ここまでくると、もう一つやってみましょうか。

    詩子アナ:もう一つですか?もう一つといえば「東海」の次ということでしょうから、「白頭山」を捜せばいいということのようですね。

    歌樽先生:そのあたりはご自由に。

    詩子アナ:ローマ字で書く以外に漢字で書く方法がありますね。

          みんなごらんよ 陽が沈む → 皆(みんな)御覧よ 陽が沈む

    歌樽先生:それで?

    詩子アナ:まったくこじつけですが、 「皆(みんな)御覧よ 陽が沈む」の「皆」の下部に「白」があります。語頭にきているので、「語頭」の「頭」をいただいて、これで「白頭」、それから「みんなごらんよ 陽が沈む」は全部で3度繰り返されますから、この「さん」を繋げると「白頭山」の漢字をなんとか捜すことができます。

    歌樽先生:確かにこじつけがOKだと、いろいろなことが言えますね。あちこちにこじつけのできる種を蒔いておくと、あれもこれもになってしまって、「AでもありBでもあるだけでなく、Cでもあり、Dでもある」となって、なにが真なのかわかりにくくなってきますね。ただ、「みんなごらんよ 陽が沈む」は試訳ですから、本文とは実は無関係です。

    詩子アナ:それは理解できます。でも、あちこちに蒔いた種がそれだけ多いということですよね。

    歌樽先生:では、こんな問題を出しておきましょう。完全数の「6、28、496、8128」の4つ目の数字の「8128」についてです。

    28問:完全数の「8128」は次のどれと深い関係があるでしょうか。

    1)7番目「失題」 2)32番目「失題」 3)105番目「진달래꽃 4)127番目「닭은 꼬꾸요

    詩子アナ:何番目かということですから、詩のタイトルというよりも、どの数字が「8128」と関連があるかという問題のように思えますが。

    歌樽先生:もう気が付いたようですね。

    詩子アナ:127番目の「닭은 꼬꾸요」は詩集の最後の詩ですね。

    歌樽先生:そうですね。「엄마야 누나야」の次の詩です。詩の数の総計を127ではなく、126とすべきだという学者もいるのですが、目次の通りに数えると「旅愁」が2つあって、127になります。