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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第13回 歌樽先生:そうですね。「진달래꽃:つつじの花」といえば、寧邊の「藥山(약산)」ですね。 詩子アナ:素月が妓女のチェランに会ったのはそれぞれ何歳の時ですか。 歌樽先生:チェランの年齢は20歳、素月は22歳の時です。 詩子アナ:当時の妓女はどんな教育を受けて妓女になったのですか。 歌樽先生:音楽、舞踊、文学、礼節などの科目があったようです。 詩子アナ:ずいぶん科目が多いですね。 歌樽先生:絵画、時調、歌謡なども習ったようですね。では、こんな問題をしてみましょう。 第18問:素月はチェランと別れた後もチェランの歌う歌を口遊んでいたのですが、それは次のうちどこでしょうか。 1)窓辺で 2)庭で 3)海辺で 4)野道で 詩子アナ:素月はチェランの歌う歌を覚えていたんですか。 歌樽先生:この歌を紹介するに至った理由の中に、眠れない夜、静かにその歌を口遊むといった内容が書かれていますから、歌詞を覚えていたようですね。 詩子アナ:ということは、夜眠れない時の素月の行動を考えればいいということですね。 歌樽先生:そういうことになりますね。 詩子アナ:まず、家か外かの二択にしてみると、韓国の家屋は窓辺と言う概念はほとんどないようですし、素月が泊っているのは安宿のようですから、庭といっても立派なものではないという推理を勝手にしてみると、家の外という気がします。 歌樽先生:では、家の外の場合はどんなところが考えられますか? 詩子アナ:夕日を見るのであれば丘や海辺もいいのですが、眠れない夜ということですから、、、 第18問:4)野道、でお願いします。 歌樽先生:なるほど。ヒントがピッタリ当たったようですね。 詩子アナ:今まで、チェランはどんなところにいたのですか。 歌樽先生:チェランは「南は門司、香港、北は大連、天津」に連れていかれたと言っていますから、日本には門司港に入ったのでしょう。 詩子アナ:門司には当時遊郭があったのですか。 歌樽先生:「馬場遊郭」や「新町遊郭」があったようです。 http://nkj2011.blog.fc2.com/blog-entry-549.html 詩子アナ:チェランもこういった所に連れて行かれたのでしょうかね。 歌樽先生:そうでしょうね。連れていかれた香港や大連や天津にも遊郭があったようです。では、こんな問題を出してみましょう。 第19問:門司の繁栄ぶりを示すことばとして西欧のある都市の名前がついていたのですが、それは次のどの都市でしょうか。「一丁(いっちょう)〇〇」の〇〇に当たる都市です。 1)倫敦(ロンドン) 2)紐育(ニューヨーク) 3)巴里(パリ) 4)羅馬(ローマ) 詩子アナ:「一丁〇〇」ですか。どこかで聞いたことがあるような気がしますが、ずいぶん昔のことのようですね。読めるのは「巴里」と「羅馬」くらいで、「倫敦」も「紐育」もなかなか難しいですね。 歌樽先生:夏目漱石の「倫敦塔」という小説にはもっと難しい漢字がたくさん使われていますよ。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第12回 詩子アナ:「一瞬の交わりでも深い誼(よしみ)を結ぶ」というのがこの諺のメインポイントではなかったのですか。 歌樽先生:諺として認識している多くの人はそのように考えているようですね。 詩子アナ:ところで、素月はそのような経験をしたことがあるのですか。 歌樽先生:それは極めて鋭い質問ですね。 詩子アナ:極めて鋭い質問ですか?キタ、キタ、キター!これは来ましたね!ということは、詩か何かに残っていると睨みましたが。 歌樽先生:睨まれては仕方ありませんね。 第15問:実は「〇〇노래조(〇〇の歌の調べ)」の紹介文にそれらしきことが記されているのですが、〇〇とは次のどれでしょうか。 1)팔베개(手枕) 2)팔도(八道) 3)팔경의(八景の) 4)팔자(運勢) 詩子アナ:紹介文とはどういうものですか。 歌樽先生:しっかりした内容で、この詩を紹介せざるを得ない事情がしたためられています。 詩子アナ:どれも「팔」の文字がついていますね。「八道」というのは京畿(경기)、忠淸(충청)、慶尙(경상)、全羅(전라)、黃海(황해)、平安(평안)、咸鏡(함경)ともう一つはどこでしたっけ。 歌樽先生:「雪嶽山(설악산)」のある「江原道(강원도)」ですね。これも二択に直して考えてみますか。 詩子アナ:難しいですね。あっ!ありました。 第15問:答は、1)팔베개、「팔베개 노래조(手枕の歌の調べ)です。 歌樽先生:答を見つけたようですね。では、いくつか質問をしますから、調べながらでいいですから答えてください。 第16問:素月の詩集『진달래꽃:つつじの花』が出版されたのは1925年12月のことですが、この「手枕の歌」を聞いたのは「甲子年の秋」だったと書かれているのですが、これは西暦何年のことでしょうか。 1)1922年 2)1923年 3)1924年 4)1925年 詩子アナ:これはお茶の子さいさいです。 第16問:答は3)1924年です。 歌樽先生:「お茶の子さいさい」とは久しぶりに聞きました。「茶」の字で思い出しましたが、丁茶山 (정다산:本名丁若鏞(정약용)1762-1836)の記した『耳談續纂(이담속찬)』、中国と朝鮮の諺を集めた本なのですが、その中に「一夜之宿 長城或築:일야지숙도 장성혹축이라)」という諺が出ています。 詩子アナ:茶山といえば實学者ですよね、その方も興味を持った話だったのですか。 歌樽先生:内容が内容だけに興味を持った学者は他にもいたようですが、結局「男女関係での警戒と慎重さ」とか「何に関しても準備が大切」といった解釈に落ち着いたようです。 詩子アナ:諺の解釈がずいぶん変わっていますね。 歌樽先生:儒教的な考え方からすれば、教訓が必要で、それを「警戒」とか「準備」とかに求めたのでしょう。ところで、なぜ1924年という答えが「お茶の子さいさい」なんですか。 詩子アナ:甲子園球場ができた年が甲子年にあたるという話を父から聞いたことがありますから。 歌樽先生:なるほど。実は干支(えと)で「甲」の付く年は西暦では一桁がいつも「4」になるんです。ちなみに4444年も甲子年です。 詩子アナ:西暦4444年といえば2400年以上も先のことですね。干支はまだまだ続くのでしょうか。 歌樽先生:えーと、ちょっと考える時間を、、、干支よりも人類が続いているかどうかの方が心配です。栄えた文明は滅びるということであれば、発展すればするほど心配になりますね。 詩子アナ:素月と妓女は発展したのですか。 歌樽先生:微妙なことを聞いてきますね。では、こんな問題を。 第17問:この歌を歌ったのは「채란:チェラン」という名の妓女ですが、素月が彼女と会ったのはどこでしょうか。次の地名から選びましょう。 1)천안(天安) 2)영변(寧邊) 3)정주(定州) 4)남원(南原) 詩子アナ:いろんな地名が出てきますね。 歌樽先生:これらの地名は詩集の詩の中にも出てきます。 詩子アナ:これは、何といってもこれしかないでしょう。 第17問:答は、2)영변(寧邊)です。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第11回 詩子アナ:烈女になるのは大変だと聞いたことがありますので。 歌樽先生:どんな風に聞いていますか。 詩子アナ:守節のために入水したり、縊死したり、夫を助けるために火の中に入ったり、息子を虎から守るために腕を虎に食べさせたり、夫の死後、長い年月を外部との接触をたち、墓の前で寝泊まりして何年も毎日祭祀をするとか、それはそれはとても尋常でないお話を伺ったことがあります。 歌樽先生:「烈女」はなりたくてなるものではありませんね。では、こんな問題をやっておきましょう。 第14問:「烈女」を決めるのは次の内どれでしょうか。 1)邑長(읍장) 2)宗家(종가) 3)観察史(관찰사) 4)朝廷(조정) 詩子アナ:邑長(읍장)というのはいわば村長さんとか市長さんとかそんな感じの人ですよね。宗家は一族の長、観察史は都道府県の知事といったところでしょうか。 歌樽先生:観察史の力は莫大でしたね。三権をすべて握っているくらい強い力を持っていましたね。 詩子アナ:オ、ホホホ。これで答は明確になりました。 第14問:答は4)朝廷です。「旌閭(정려)」や「旌門(정문)」は朝廷からのお達しのようですから。 歌樽先生:これは一本取られましたね。烈女を称えた旌閭の写真を見ておきましょう。 詩子アナ:この「慶州金氏」が烈女になったのはどんな経緯ですか。 歌樽先生:こんなことが書かれています。 忠淸北道淸州市興德區松節洞にある吳世煥の妻は夫が病死するや、直ちに飲食を止め悲しんでいたが、葬式後に25歳の若さで縊死した。 詩子アナ:いつのことですか。 歌樽先生:1752年(英祖28)4月ですから、江戸時代の中頃にあたりますね。 詩子アナ:烈女閣は全国にあるんですか。 歌樽先生:津々浦々にあるといっていいほどありますよ。 詩子アナ:話が元に戻りますが、結局妻の夫は家まで帰れた訳ですよね。 歌樽先生:そうですね。妻の夫は無事に帰って来られたようですよ。 詩子アナ:そうすると、男は万里城の築城の仕事をさせられ続けて戻れなかったということですね。 歌樽先生:そういうことですね。 詩子アナ:スマホで韓国の「国立国語院標準国語大辞典」が検索できるのですが、これには、 만리-성(萬里城)[말ː리성]:매우 긴 성(とても長い城) 하룻밤을자도만리성을쌓는다: 잠깐 사귀어도 깊은 정을 맺을 수 있음을 이르는 말. (短い期間付き合っただけでも深い情を交わしうることを指す言葉) 別の辞書では「一瞬の交わりでも深い誼(よしみ)を結ぶ」とあります。 この男が最終的にどうなったか心配ではないんですか。 歌樽先生:この諺では男の方に同情するといった雰囲気は全くありませんね。 詩子アナ:それじゃあ、その男がかわいそうではないのですか。 歌樽先生:そういう考えは諺が出来た当時はおそらくなかったでしょうね。身分制度が厳しかったせいもあるのでしょう。塩の行商人であったり小作人であったりという男の設定がすでに身分制度を背景にした物語のようですから。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第10回 詩子アナ:時代はいつ頃の話ですか。 歌樽先生:万里城の築城ですから、それはそれは古い話のはずですが、完成後の保守や修繕を考えれば、時代を確定させることは難しいですね。 詩子アナ:ますます微妙になってきましたね。これはもともと中国の話ですか。 歌樽先生:元は中国の話のようですが、この話に尾ひれがついてくると、もうどうにも止まらなくなってしまって、自国に合った話にどんどん置き換えられてしまって、より身近な隣村かお隣ぐらいの感じで語られるようになったようですよ。 詩子アナ:では「万里城」が万里の長城ではないかもしれないのですか。 歌樽先生:いえいえ、これはやはり万里の長城でないとだめでしょう。妻が文章を書けるというのは相当な家柄だったということでしょうし、こういう家柄の場合、妻が一人でいるということも考えにくいのですが、そういうことはすべて端折って、朝鮮王朝時代のこと仮定して、話を進めていきましょう。 詩子アナ:なにがなにやら分からなくなってきましたが。 歌樽先生:驚きましたか? 詩子アナ:もっと驚くというのがこんな驚きとは知りませんでした。 歌樽先生:いえ、驚くのはこのポイントではないのです。 詩子アナ:まだ先ですか。 歌樽先生:かなり先になりますが、できるだけ早めに驚いてもらえるようにしましょう。 詩子アナ:では、どんどん端折って、先にいきましょう。 歌樽先生:では、気になる所は目を瞑ってもらって、スルーしてよいことにしましょう。ここで、問題になるのは妻に対する評価です。 第13問:妻は夫からどのように評価されるでしょうか。 1)恥知らず 2)良妻 3)賢者 4)烈女 詩子アナ:話の腰を折るようで申し訳ないのですが、何だか物語を作るための話のような気がしてならないのですが、、、 歌樽先生:そういう面がない訳ではないでしょうね。実際にあったかどうかは別にして、多くの人が興味を持って今日に至っている訳ですから。このことを押えて、話をもとに戻しましょう。 詩子アナ:妻の評価ですか。「恥知らず」から「烈女」まで、ずいぶん評価の幅がひろいですね。 歌樽先生:立場が違えば評価もずいぶん違ってきますからね。 詩子アナ:騙された男からすれば、詐欺師だというかも知れませんね。 歌樽先生:そうですね。ただ、それは結果論で、もし夫が一晩一緒に男と寝たことが許せないと考えて妻の元に帰るという選択をしなければ、妻は男との約束を守った可能性もなくはないとも考えられますよね。 詩子アナ:もし男が万里城の築城現場に行かず、途中で行商を続けていたら、男が詐欺師となり、一方妻は騙されたことになりませんか。 歌樽先生:そうなりますね。 詩子アナ:詐欺師という項目を入れ、夫、夫の父母、男、男の父母、村人などの立場から見て、妻の評価を考えてみましょう。 第13問:こんな表にしてみました。 立場 恥知ず 良妻 賢者 烈女 詐欺師 夫 ー 〇 △ ー ー 夫の父母 △ △ △ ー ー 男 ー ー ー ー 〇 男の父母 ― ー…
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第9回 歌樽先生:正解です。京都にはいろんなしきたりがあるようですね。 詩子アナ:「風呂敷包を渡す」のが「もうそろそろお引き取りください」、「ぶぶ漬でも」というのは単なる外交上の挨拶で、なにもなければ寂しいので、言ってみているだけだそうです。 歌樽先生:では、次に3行目の「쌓았다 헐었다」の入った諺を調べてみましょう。 詩子アナ:こんな諺がでてきました。 歌樽先生:どんな説明がありますか。 詩子アナ:「ああしてみたりこうしてみたりといろいろいい方法がないかやってみる」とあります。 歌樽先生:では、最後の4行目の「만리성(萬里城)」を調べてみましょう。 詩子アナ:「하룻밤」のところにもありました。 歌樽先生:「만리장성:万里城」についても調べてみましょう。 第12問:その中で最も驚いたものを選びましょう。 詩子アナ:辞書にはいろんな説明が出ていますね。 第12問:ありました。 ④男女が互いに交わることを比喩的にいう言葉。 歌樽先生:驚いたようですね。 詩子アナ:出て来ましたね、デターというデーターが出て来ましたね。④ですか。それで「万里城」が男女の関係を匂わせるような言葉となっているんですね。驚きました‼ 歌樽先生:驚くのはこれからですよ。 詩子アナ:えっ!これで十分驚いていますが。 歌樽先生:では、もっと驚いていただくことにして、次にいきましょう。 詩子アナ:どうして一晩で万里城を築城することになるのですか。 歌樽先生:一晩で万里城を築くというのではなく、万里城を築城する仕事をさせられるはめに陥るという意味です。話が込み入っていますので、箇条書きにしてみましょう。 詩子アナ:話が微妙な世界に入ってきましたね。 歌樽先生:③の塩売りの行商人の部分は隣家の未婚の男、または小作人という説もあります。 詩子アナ:いくつかバージョンがあるようですね。 歌樽先生:昔話のようなものですから、バリエーションも多いですね。 詩子アナ:それだけ有名な話なんですね。 歌樽先生:説話ですから、時代と共に変化していきますね。では、話を進めましょう。 詩子アナ:男はその手紙を読むことはできなかったのですか。 歌樽先生:男は文字が読めなかったとされています。 詩子アナ:夫への妻の手紙には何と書かれていたのですか。 歌樽先生:妻がその男と一晩寝たこと、それが許せないなら万里城を作る仕事をそのまま続けてほしい、許してくれるなら、この服を着て、家に帰ってほしいといった内容のようです。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第8回 歌樽先生:誰かから教わりましたか。 詩子アナ:教わった訳ではありませんが、いつかどこかでなんとなくといった感じでしょうか。 第9問:正解は2)년です。映画かなにかでも聞いたような気がします。 歌樽先生:こんな言葉を昔はよく聞きましたね。 詩子アナ:あのー、ただならぬ気配が漂っていますが、大丈夫ですか。 歌樽先生:辞書には「女性を卑しめていう言葉、あま」という説明がありますが、今は完全にアウトですね。 詩子アナ:アウトかセーフかぎりぎりか、またはアウトに近いのはどんな言葉ですか。 歌樽先生:それを聞かれるとは思っていませんでしたが。 詩子アナ:難しいようであれば、あえてとはいいませんが。 歌樽先生:そこまで言われると、、、ではこんな問題にしましょう。 第10問:素月が詩集『진달래꽃』の中で使われている語は次の内どれでしょうか。 1)년 2)계집 3)자식 4)녀석 詩子アナ:この中のうち一つだけですか。 歌樽先生:詩集『진달래꽃』の中で使われているのはこの内、一つだけです。 詩子アナ:強烈なパンチ級の言葉に比べると穏やかと言う感じがしますが。 歌樽先生:詩集ですから、悪口を書くわけにはいきませんからね。 詩子アナ:詩集『진달래꽃』を全部読んでみないと分かりませんが。 歌樽先生:では、読んでからにしましょう。 詩子アナ:あの、第8問がまだ終わっていませんが。 歌樽先生:一つずつやって行けば第7問は自然にわかるでしょう。 詩子アナ:一つずつですか? 歌樽先生:何かまずいことでもありますか? 詩子アナ:まずくはないのですが、、、あの、、第8問の答えが分かりました。 第8問:答は4)の1から4行の全ての行です。 歌樽先生:正解です。ヒントになりましたか。 詩子アナ:はい、これ以上ない、とてもありがたいヒントでした。 歌樽先生:ヒントだけで正解を出されると、何か置き去りにされている感じがするのですが。 詩子アナ:一つずつやって行けばわかるというお言葉でしたので、2行目までは「あり」が確定していて、4行目は詩のタイトルの部分ですから、これも「あり」確定で、あとは3行目があるかどうかなんですが、3行目だけが「なし」の選択肢がありませんので、これは1~4行目までの全てではないかと推理しました。 歌樽先生:なるほど、さすが、四択の女王と言われるだけありますね。では次に2行目の「온 하룻밤」の「하룻밤」を用いた諺を探してみましょう。 詩子アナ:「하룻밤」を用いた諺ですね。こんな諺がありました。 하룻밤을 자도 헌 각시 歌樽先生:現代からみるとなんともなじめない表現ですね。 詩子アナ:こんなのもあります。 歌樽先生:「봇짐을 내어 주며 앉아라 한다:風呂敷包を渡しながら座れという」という諺もこれと同じような意味です。 第11問:この諺の意味は次の内どれでしょうか。 詩子アナ:これは京都の「ぶぶ漬け(お茶漬け)でもどうどす?」と同じ香りがしますね。京都では実際にはお茶漬けはだしてもらえないようですし。 第11問:3)そろそろお帰りください。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第7回 詩子アナ:独立運動をしている人たちにとって素月の詩は激励になったのでしょうか。 歌樽先生:そのあたりはよく分かりません。直接激励になるようであれば、すぐに分かってしまい、逮捕されているでしょうから。 詩子アナ:そうなんですか、少しの油断もできませんね。ところで、「万里城」はどんな詩ですか。 歌樽先生:こんな詩です。 萬里城(NO29) 밤마다밤마다온하룻밤쌓았다헐었다긴萬里城! 詩子アナ:「万里城」はもともと長いのに、なぜ「長い万里城」となっているのでしょうか。このあたりに何か秘密があるのですか? 歌樽先生:百里、千里とくらべると「万里城」ですから、さらに長いわけですが、このあたりにも微妙な何かがありそうですね。 詩子アナ:微妙な何かですか。見つけられるかどうか分かりませんが、7・5調で訳してみます。 万里城 夜ごと夜ごとに夜もすがら積んで崩して万里城 歌樽先生:では、微妙な何かと関連して、こんな問題をやってみましょう。 第8問:「万里城」という詩には諺によく使われる語句が入っています。それらはどの行に入っているでしょうか。 詩子アナ:一行目には諺に使われている語句が必ず入っているのですね。 歌樽先生:そうですね。「밤마다: 夜ごと」という語句の入った諺がありますね。 詩子アナ:では、ちょっと調べてみます。 歌樽先生:諺は昔から言い伝えられてきたものですから、一面の真理のみを語ったものや教訓、風刺などウイットに富んだものもありますが、今の価値観からすると許されない表現もありますので、そのあたりは十分注意しましょう。 詩子アナ:はい、わかりました。でてきました。 아이 못 낳는 년이 밤마다 용꿈 꾼다 歌樽先生:訳すとどうなりますか。 詩子アナ:「子供の産めない女が夜ごと竜の夢を見る。」 歌樽先生:何か説明がついていますか。 詩子アナ:「実際には能力がないくせに荒唐無稽な思いだけをしている場合を比喩」とありますが。 歌樽先生:竜の夢は一般に好まれるようですね。権力、幸運、長寿、富貴、成功などこれ以上ないよい夢とされていますね。 詩子アナ:そういえば、「春香伝」の主人公の成春香(성춘향)の相手の名前は李龍夢(이용몽)でしたね。将来出世して、成功と幸運が約束されている名前という訳ですか。 歌樽先生:そうとは言え、そこに至る過程でずいぶん苦労する姿が描かれています。特に春香の辛さは言葉では言い尽くせません。李龍夢が科挙に壮元(장원:首席)での合格後、南原に戻り、牢獄に入れられた春香を救い出し、最後はハッピーエンドになるのですが、二人が出会った時は互いに「二八青春:이팔청춘」でしたからね。 詩子アナ:「二八青春:이팔청춘」ですか。 歌樽先生:「2×8=16」で16歳ですね。ところで、さっきの諺には普通の会話では使えない言葉が入っていましたね。 第9問:次の語のうち、会話での使用がNGなのはどれでしょうか。 詩子アナ:使ってはいけない言葉だという認識のある語が一つあります。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」 素月と「無主空山」 第6回 歌樽先生:詩子アナ作であることは分かっています。ただ、AIで調べてみるとどうなるか、やってみましょう。 詩子アナ:あのー、こんなことがあるのでしょうか。 第6問:「加藤楸邨(かとうしゅうそん)」とでてきました。 歌樽先生:検索機能によっては、他の俳人の名が出てくることも考えられますよ。ああ、ここですね。 「梅が香を比べてみつつ高尾まで」 https://share.google/aimode/JQLqP1ah6jwalRuNg 詩子アナ:あのー、そんな立派な句ではないのに、名の知れた俳人の句とされたのはなぜでしょうか。 歌樽先生:それはAIの機能の特殊性のためでしょう。 詩子アナ:私の句だと主張することはできないのですか。 歌樽先生:この句を詠むときに似たような句をいくつか作っていませんか。 詩子アナ:はい、いくつか作ってみましたが。 歌樽先生:では、それらの句の作者をAIに調べてもらいましょう。 詩子アナ:はい、やってみます。えっ! 「梅が香を探してけふは高尾まで」高浜虚子(たかはまきょし) 「梅が香を求めてけふは高尾まで」山口青邨(やまぐちせいそん) 「梅が香を比べ比べて高尾まで」松尾芭蕉(まつおばしょう) 歌樽先生:すべて事実とは異なりますが、何度か調べているうちに回答の内容も変わってきますよ。 詩子アナ:あり得ない!! 歌樽先生:一言言えば、俳人の句の世界とこの「・・高尾まで」句はまったく異質ですから、間違えるAIのほうに根本的な問題があるのです。 詩子アナ:異質さについてはAIは理解できないのでしょうか。 歌樽先生:AIは真実に近そうなものを探しているだけで、真実かどうかに関しては全く無関心なのです。無関心ゆえに時には真実の場合もあるのですが、真実かどうかだけでなく、異質かどうかの判断も現在の機能ではできません。 詩子アナ:私の句が誰か他の俳人の作と言われて、AIに対する不信感が増してきました。なにやら不穏な方向に行っているような気がしてならないのですが。 歌樽先生:これは察しが早いですね。このままでは誰もが自分の作ったものだと証明することが難しくなってしまいますからね。 詩子アナ:ミネルヴァのフクロウはもう飛び立っているのでしょうか。 歌樽先生:すでに飛び立っているかもかも知れませんね。昨今の世相を見ると世界中に何百羽、何千羽と飛び回っているかも知れません。 詩子アナ:ということは、黄昏時に飛び立つミネルヴァのフクロウと素月の詩の「夕べ窓辺に」来たミミズクは似たものと考えていいのですか。 歌樽先生:似ていますね。そのためにもフクロウよりもミミズクのほうを選択したのだと思われます。 詩子アナ:黄昏時にフクロウが飛び立つとどうなるのですか。 歌樽先生:「時代の終焉と総括」とでも言えばいいでしょうか。 詩子アナ:1925年とはどんな年でしたか? 歌樽先生:朝鮮の独立との関連では1925年6月に独立運動の取り締まりを目的とした「三矢協定」が日本側の朝鮮総督府警務局長の「三矢宮松」と中国側の警務処処長の「于珍」との間で交わされたことが挙げられます。 詩子アナ:取り締まりが厳しくなった訳ですね。 歌樽先生:厳しくなりましたね。そのあたりは「素月と鉄橋第12回」で確認しておきましょう。 詩子アナ:「時代の終焉と総括」の後はどうなるのですか。 歌樽先生:ヘーゲル流に言えば「時代の終焉と総括」の兆候でしょう。つまり、今の時代が終わり、新たな時代が到来することになりますね。 詩子アナ:ミミズクは明日の天気の話で出てきたのかと思っていましたが、そういう深い内容があったとは驚きです。フクロウが夕方にやってくればすぐに新しい時代が来るという期待があり、ワンクッション置いてミミズクにしたという素月の技巧で逮捕を逃れている訳ですね。 歌樽先生:そうですね。フクロウが来ると言えば大変なことになりますからね。本命のフクロウは表に出さず、フクロウが脇役として控えているということなのでしょう。 詩子アナ:実際にはフクロウは来ていないんですね。 歌樽先生:その通りです。来てはいないのですが、来るという認識はしているのでしょう。
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」 素月と「無主空山」 第5回 歌樽先生:この詩はハングルのリズムに合わせて訳してみましょう。 부엉새(NO28) 간밤에 뒷 창(窓) 밖에 부엉새가 와서 울더니, 하루를 바다 위에 구름이 캄캄. 오늘도 해 못 보고 날이 저무네. 詩子アナ:こんな風に訳詩してみました。 ミミズク(ハングルのリズムに合わせての試訳) 夕べ 窓辺に ミミズクが来て啼き 海にはひねもす黒雲が 今日も陽は出ず日が暮れる。 詩子アナ:「ミミズク」と「フクロウ」はよく似ていますね。 歌樽先生:一般的には頭が丸いのがフクロウで、頭の両側に耳のような羽角(うかく)があるのがミミズクと言われています。映画「禁じられた遊び」にフクロウが出て来ますね。 詩子アナ:映画は見ていませんが、ギターの音楽の「禁じられた遊び」は知っています。 歌樽先生:映画の方もいいですよ。 詩子アナ:この詩のタイトルは「ミミズク」ではなく「フクロウ」ではだめですか。 歌樽先生:これはまたすごい角度から攻めてきましたね。 詩子アナ:いえ、ただよく似ていて、どちらがどちらかよく分からないものですから。 歌樽先生:なるほど。では、こんな問題を出してみましょう。 第5問:フクロウかミミズクと最も関連の深い哲学者は誰でしょうか。 1)ソクラテス(BC470-399) 2)デカルト(1596-1650) 3)カント(1724-1804) 4)ヘーゲル(1770-1831) 詩子アナ:この方面は全く不案内ですが、素月が生きていた時代の人ではないようですね。 歌樽先生:このうちの誰かと「フクロウ」か「ミミズク」をセットで検索すると、どういう流れか推察できますよ。 詩子アナ:はあ、そういうことですか。 歌樽先生:何か分かりましたか。 詩子アナ:はい、出て来ました。 第5問:答は4)ヘーゲル、です。ヘーゲルの著書『法の哲学』の序文に「ミネルヴァの梟(ふくろう)は迫り来る黄昏(たそがれ)に飛び立つ」とあります。 歌樽先生:そうですね。ヘーゲルといえば弁証法と「ミネルヴァの梟」が有名ですね。 詩子アナ:ミネルヴァというのはローマ神話の女神でしたよね。 歌樽先生:そうですね。「ミネルヴァの梟」は知恵の象徴として知られています。 詩子アナ:女神のミネルヴァの左手に乗っている像が梟なんですね。 歌樽先生:この詩と「無主空山」との関連はあとでゆっくり考えてみてください。 詩子アナ:あとでゆっくりというのは、説明がすぐには難しいということですか。 歌樽先生:難しいというよりも結論にいくまでの過程がやや複雑だからと言っておきましょう。 詩子アナ:AIで調べられるといった類のものではないようですね。 歌樽先生:そうですね。これからはAIに頼っていいものと頼ってはいけないものを知っておくことが一層重要になります。…
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紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第4回 詩子アナ:「無主空山」の辞書的な意味では、「①人家も人気もない寂しい山、②持ち主のいない山」とありますが、この詩集ではもっと広い意味で使われているようですね。 歌樽先生:いいところに気が付きましたね。では、そのあたりも考えながら、次の詩「개아미:蟻」を見ておきましょう。こんな詩です。 개아미(NO26)진달래꽃이피고바람은버들가지에서울때,개아미는허리가늣한개아미는봄날의한나절, 오늘하루도고달피부지런히집을지어라. 詩子アナ:では、今回は7音と5音で訳してみます。 アリツツジの花は咲き誇り風はヤナギの枝で泣くアリはといえば腰細のアリはといえば春の日も日がな一日身を粉(こ)にしては巣を作る。 歌樽先生:いろいろと考えた跡が分かる訳になっていますね。 詩子アナ:ありがとうございます。この詩は不思議な香りがする詩ですね。 歌樽先生:何かこの詩の心を捕まえたようですね。 詩子アナ:まだまだです。何かを捕まえたいのですが、香りだけでなかなか掴みきれません。ここで何かヒントがあれば万々歳なのですが。 歌樽先生:そう来ましたか。ではこんな問題はいかがでしょうか。 第4問:二行目に「바람은버들가지에서울때:風は柳の枝で泣く時(直訳)」とありますが、風が泣くのはなぜでしょうか。 1)春だから 2)つつじがきれいだから 3)戻る所がないから 4)風の本性だから 詩子アナ:風が強く吹けば、泣くように聞こえることがありますから、風の本性のようにも思えますが、4択問題の解法の経験上、「それらしいものに正解無し」ですので、4)は除外します。 歌樽先生:4択問題の「해결사(解決士)」の域に達していますね。 詩子アナ:これは、どうもありがとうございます。1)の春はどことなく憂鬱な雰囲気があり、つつじがきれいで風が泣くという風景はなかなか情緒があるようにも感じますが、いまひとつピンとくるものがありません。 歌樽先生:ピンと来ない理由は何でしょうか。 詩子アナ:それは他に答があるからだと思います。 歌樽先生:方向はしっかりしていますね。 詩子アナ:いえ、まだまだですが。 歌樽先生:出てますよ。 詩子アナ:えっ?ああ、そういうことですか。「いえ:家」ということですか。なるほど、納得です。 第4問:答は、3)戻る所がないから。 「つばめ」では「어찌설지않으랴, 집도없는몸이야!(ああ、悲しきは家なきわが身!)」、家がないことを嘆いています。家とは故郷でもあり、故国でもあり、祖国でもあり、安心できる場所でもあるのですが、「개아미:アリ」では蟻は家を作っているのに、風は安心できる場所でないので、せめて柳の枝にでもと自分の身の上を悲しんで泣くという設定となっていて、これは素月の気持ちを表しています。 歌樽先生:かなり攻めてきましたね。「無主空山」の理解が深まったようですね。 詩子アナ:はい。何か素月の詩の世界が少し開けてきたようです。 歌樽先生:それは素晴らしいですね。主役と脇役の関係を考えてみるとさらに理解が深まりますよ。 詩子アナ:はい、そのあたりを考えてみます。「부엉새(ミミズク)」はどんな詩ですか。 歌樽先生:「부엉새」はなかなか手強い詩です。






