紙上中継:ハングルの詩のある風景 제비 つばめ 第4回
詩子アナ:「な、や、も、け、わ、こ、た、と、ら、こ、う、た、し、こ」だから、ええと、「あ」が「な、や、わ、た、ら、た」で6つ、「い」が「し」で1つ、「う」が1つ、「え」が「け」1つ、「お」が「も、こ、と、こ、こ」で5つだから、、分かりました。
第5問:答は3)あお
歌樽先生:この「あお」がヒントです。
詩子アナ:「つばめ」という語がタイトルには付いていないんですね。
歌樽先生:タイトルに燕のあるものは「燕の歌」だけですね。それから、「ヰリアム・シェイクスピア」さんの「花くらべ」が「燕も来ぬに水仙花、」で始まっていますね。
詩子アナ:ということは、「つばめ」ではないが、意味が大切ということですかね。
歌樽先生:ちなみに、この歌は当時とても有名で、こんなふうに理解されていたようです。
새 새끼마저 제 깃이 그립다거던
하물며 푸른 하늘, 고국땅이여
내가 자라난 마을 파라타이스。
『(増補版)素月詩鑑賞』張萬榮・朴木月(博英社)1957(p77-78)
詩子アナ:じゃあ、これを訳せばわかりますね。大ヒント、いただきました!
「푸른 하늘:青い空」、さっきのヒントの「あお」つまり「青空」があるのを探せば正解が目に見えているようですね。「3行詩、青空」で完璧です。
歌樽先生:では、正解を。
詩子アナ:ええと、少し、お時間を。
第4問:「故国」です。
http://school.nijl.ac.jp/kindai/CKMR/CKMR-00030.html#140
歌樽先生:正解です。
詩子アナ:時間はかかりましたが、正解と聞いて、安心しました。読んでみます。
[ここく]
故国
[ことり す こひ]
小鳥でさえも巣は恋し、
[ あをそら くに]
まして青空、わが国よ、
[ さと パライソウ]
うまれの里の波羅葦増雲
(オオバネル)
歌樽先生:「波羅葦増雲」というのは「パラダイス」です。
詩子アナ:さっきの韓国語訳にあった「파라타이스」と同じですね。
歌樽先生:そうですね。
詩子アナ:でも、このオオバネルの「故国」と素月の「つばめ」がどういう関係にあるのですか。
歌樽先生:それをじっくり考えていこうという訳です。
詩子アナ:金素月はこの詩を知っていたのですか。
歌樽先生:知っていたというより、研究したのだと思いますね。そうでないと「제비:つばめ」という詩は出来ていなかったでしょうからね。
詩子アナ:そんなことが分かるんですか。
歌樽先生:3行詩といえども侮れませんよ。
第6問:なぜパラダイスを「波羅葦増雲」と訳したのでしょうか。
詩子アナ:ヒントは?
歌樽先生:ありません。