• 第22回 題目 이름:名前

    金素月の詩集『ツツジの花』の94番目に「招魂(초혼)」という有名な詩があります。

    以下のサイトでは32番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    愛する人の死を悼み、その名を死ぬまで呼び続けるという壮絶でかつ格調の極めて高い詩です。

    ①이름は親からの最初のプレゼント(NO214)

    自分の名前は嫌だというひとはあまりいないようです。親からの素晴らしいプレゼントであることを実証しています。しかも最初のプレゼントです。感謝の気持ちが一杯の句となっています。

    ②이름の字決まっているよ行列字(NO203)

    「行列(항렬[ハンニョル])」とは「돌림자」ともいい、同じ世代には同じ文字が名前の同じ位置に付けられます。この決まった名付けのルールを句にしたものです。

    最も多く用いられるのは「木、火、土、金、水」の五行の順に決められたものす。どの族譜にも世代ごとの行列字が紹介されています。

    ③이름には先祖の思い詰まってる(NO206)

    子供の名前を付けるとき、韓国では「作名哲学館」に相談に行く人も多いようです。行列字は決まっているのですが、もう一字を付けるのが大変です。字画のルールと発音上のルールに合った漢字が選ばれます。

    ④世の中の移り変わりを이름見て知る(NO209)

    名前は時代の変化を映し出している面があります。日本では子供の子の字を持つ女の子は激減しています。

    韓国では「子、淑、姫」などの字を持つ女性が1960年代までは多かったようですが、最近は固有語をハングルで書く人も多くなりました。

    以下のサイトにハングルの名前が紹介されています。

    http://ask.nate.com/qna/view.html?n=11975813

    この句をハングル訳してみましょう。

    이름을 통해 세상의 변화를 깨달았네

    ⑤みんなの이름みんなちがってみんないい(NO228)

    みんな名前が違うのに、みんなが素晴らしい名前だということに気付いたようです。「みんな」が3度使われているところがこの句ではよく生きています。

    名前がみんな同じでは困ります。みんな違っているところに価値があるのです。

    【人気の句】

    ⑥お母さん素敵な이름ありがとう(NO219)

    名前を付けてもらい、付けてもらった名前が呼ばれ、その名で生きていくのですから、いくら感謝しても仕切れないくらいです。素直にありがとうと言えるのは、やはりすばらしいお母さんがいらっしゃるからでしょう。

  • 第21回 題目 말을 할까:言ってみようか

    金素月の詩集『ツツジの花』の100番目の詩が「가는 길」です。

    以下のサイトでは27番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    この詩に「말을 할까:言ってみようか、言おうか」という語句があります。自分の気持ちを打ち明けるのか、打ち明けないままで帰るのか、悩みは深く、ハムレットの「To be, or not to be …」を思い起こさせます。

    27.   가는 길

    그립다
    말을 할까
    하니 그리워

    그냥 갈까
    그래도
    다시 더 한 번…..

    저 산에도 까마귀, 들에 까마귀,
    서산에는 해진다고
    지저귑니다.

    앞 강물, 뒷 강물,
    흐르는 물은
    어서 따라 오라고 따라가자고
    흘러도 연달아 흐릅디다려.

    ①喧嘩中말을 할까ごめんなさい(NO203)

    いつまでも喧嘩をしているわけにはいきません。どちらかが早めに謝れば何とかおさまるのでしょうが、なかなか先にごめんなさいとは言えません。

    ②말을 할까だけどやっぱり言いずらい(NO210)

    言おうと思って、喉まで出掛かっても、そこからもう一山あります。ゴメンというのか、誘おうと思っているのか、付き合ってほしいというのか、好きだというのか、若いときにはいいずらいことがたくさんあるようです。

    ③말을 할까言わなきゃ何もはじまらない(NO206)

    いろいろと悩んでみても、やっぱり何か言わなくては始まらないという現実に気付いたようです。言わないで悩むのか、言って悩むのか、同じ悩むのであれば、言ってからの方がよいという結論の句です。

    ④말을 할까色々あるぞ色んな道(NO212)

    小さなことで悩むのではなく、もっと見る目を広げてみれば、色んな道が見えてくることを示した句のようです。こんなアドバイスを聞くと、悩んでいる人も、ああ、そうなんだと気付いて、力づけられることでしょう。

    ⑤말을 할까私の身長151CM(NO216)

    自分の身長を、はっきり151センチだと言える人はそう多くないでしょう。この句ができるにはいろんな事情があったように推測されます。どんな背景があるにせよ、このように高らかに宣言する句には好感がもてます。

    この句をハングル訳してみましょう。

    말을 할까 난 키가 백오십일 센티라구

    【人気の句】

    ⑥後悔をするくらいなら말을 할까(NO201)

    この句がもっとも高い支持を得ました。多くの人が同じような気持ちを持っていることを示しているのでしょう。さあ、ここからです。

  • 第20回 題目:먼 훗날:ずっと先の日

    金素月の詩集『ツツジの花』の1番目の詩が「먼 後日」です。

    次のサイトでは33番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    「먼 後日」は直訳すると「遠い後の日」です。

    昨年度のNHKの「まいにちハングル講座」9月号(p. 87)では、詩のはじめの行の「먼 훗날 당신이 찾으시면」を「ある日あなたが訪ねて来たら」と訳してみました。

    33.  먼 후일

    먼 훗날 당신이 찾으시면
    그 때에 내말 잊었노라

    당신이 속으로 나무라면
    무척 그리다가 잊었노라

    그래도 당신이 나무라면
    믿기지 않아서 잊었노라

    오늘도 어제도 아니 잊고
    먼 훗날 그때에 잊었노라

    ①먼 훗날楽しく生きているだろう(NO206)

    将来を不安に思ったり心配している人も多いようですが、この句のように楽しく生きていることが想像できれば、現在も幸せな日々が送れるでしょう。

    ②먼 훗날私はいまなにしてますか(NO215)

    将来を考えてみると、今しなくてはいけないことが気になります。これだと言える何かをしているようでもなく、かといって何もしていないわけでもなく、もう一つ確信のもてることをしたいという願いが生じてきた句のようです。

    ③その日まで待ち遠しいな먼 훗날(NO217)

    その日というのはいつで何のことなのでしょうか、これをただ「その日」とさりげなく言っているところがこの句の見せ所のようです。

    期待しているものを結婚とはっきり言っている句もありました。

    ④먼 훗날結婚している私に期待大(NO225)

    ⑤結婚式いつになるかな먼 훗날(NO237)

    ⑥먼 훗날思っていたのにもうあいた(NO218)

    遠いいつかの日を夢見ていたのでしょうが、「もうあいた」という強烈なパンチからすると夢も終わりになったようです。こう言う側も言われた側もその心情を思うと胸が痛みます。

    ⑦먼 훗날思い出にかわる今この時(NO211)

    今この時の大切さと今の意味を「思い出にかわる」と詠んでいます。この句のもたらす緊張感から、自己の生き方を問う姿勢も感じられます。

    【人気の句】

    먼 훗날あなたの隣歩きたい(NO209)

    この句の「먼 훗날」は四、五十年後といった遠い先のことではなく、上の③、④、⑤の句と同じような時期のことだと思われますが、「あなたの隣歩きたい」とさりげなく言っているところが共感を呼んだようです。

    この句をハングル訳してみましょう。

    먼 훗날 항상 그대 곁에서 걷고 싶다

  • 第19回 題目:혼자서:一人で

    「혼자서:一人で」は金素月の詩に何度も出てきます。ここでは『ツツジの花』という詩集収録された詩の111番目の「山有花」にあるものから取りました。

    「山有花」以下のサイトでは61番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    61.   산유화

    산에는 꽃 피네
    꽃이 피네
    갈 봄 여름 없이
    꽃이 피네.

    산에
    산에
    피는 꽃은
    저만치 혼자서 피어 있네.

    산에서 우는 작은 새여
    꽃이 좋아
    산에서
    사노라네.

    산에는 꽃 지네
    꽃이 지네
    갈 봄 여름 없이
    꽃이 지네.

    上の詩を角度を変えて見るとハングルが漢字の「山」という字に見えます。

    ①혼자서より二人で時を刻みたい(NO205)

    誰かと一緒にいられることはそれだけで十分幸せでいられます。この句の作者はこのことを知っているのですが、現実はそううまくいかないようです。

    ②혼자서咲いて散る花は美しい(NO207)

    そっと咲き、そっと散る、そんな花の命を美しいと言い切っています。素月の詩を筒にしてスパッと切った断面をみているような句です。

    この句をハングル訳してみましょう。

    혼자 피고 혼자 지는 꽃이 아름다워라

    ③혼자서도 何でもできる強い子ね!!(NO230)

    何でもできる子とはどんな子なのでしょうか。強いけれど寂しい面を併せ持つ、そんな子かも知れません。頼り、頼られる関係ももてればいいですね。

    ④나 혼자서料理洗たく洗いもの(NO234)

    一人で住んでいるのでしょうか、毎日なかなか大変なようですが、勉強も頑張っています。掃除がこの中にありませんが、掃除もやっているはずです。自宅が恋しくなることもあるでしょう。

    ⑤人間は生きていけない혼자서는(NO236)

    孤立して生きていける生き物はありませんし、人も人との関係があって初めて人らしくなります。確かにこの句の通りです。

    【人気の句】

    ⑥疲れたらたまには혼자서ぼーっとしよう(NO213)

    この句が人気の句として選ばれたところを見ると、学生たちも疲れているのでしょう。そんなときには「ぼーっとしよう」という提案に何か暖かさを感じたようです。

  • 第18回 題目:갈잎의 노래:葦そよぐ

    金素月の『ツツジの花』という詩集に収録された詩の126番目の「엄마야 누나야」という短い詩があります。

    以下のサイトでは30番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    30. 엄마야 누나야

    엄마야 누나야 강변살자
    뜰에는 반짝이는 금모래 빛
    뒷문 밖에는 갈잎의 노래
    엄마야 누나야 강변살자

    ①갈잎의 노래聞こえる土地に住みたいな(NO207)

    「갈잎」とは「갈댓잎:葦の葉」のことです。「엄마야 누나야」の詩を踏まえて、「葦の葉の歌」の聞こえる川辺で住みたいという句です。

    この詩は各行の3語目が「강변(살자)」「금모래( 빛)」「갈잎(의 노래)」「강변(살자)」とすべてが「ㄱ」の音になっています。

    ②風吹けばあなたの髪と갈잎의 노래(NO211)

    葦の葉から髪がなびくことを連想した句のようで、類句もありました。葦の青くすくっと伸びたまま揺れる感じと長い髪の揺れは青春の場面を切り取ったような清潔感と緊張感が感じられます。

    ③갈잎의 노래ゆっくり時が流れてく(NO224)

    自然の営みの中に葦がそよぐ姿を思い浮かべると、水の流れのように悠久の時を感じることもできるでしょう。作者は葦の生い茂った水辺をよく知っているのかも知れません。

    この句をハングル訳してみましょう。

    갈잎의 노래 세월이 유유히 흘러가네

    ④人間も葦なんだよね갈잎의 노래(NO226)

    「人間は考える葦である」という有名なパスカルの言葉を思い出したようです。人は葦のように弱い存在ではあっても、ただ弱いのではなく、考えるというところに意義があるといった内容だと中学生のときに教わった記憶があります。この句の作者もずっと前に習ったことを思い出したのでしょう。

    ⑤갈잎의 노래そのすき間には何かいる(NO208)

    群生した葦の中になにかが潜んでいると考えています。それは何でしょうか。葦と葦の間に何かがいても不思議ではありませんが、少し不気味な気もします。葦を切って束にして、浮き輪の代わりにして池で遊んだ覚えがあります。この句の作者は想像力が豊かなようです。

    【人気の句】

    ⑥갈잎의 노래自然の音色癒される(NO210)

    自然から離れた音が多いからでしょうか、自然に音に癒されるひとは多いようです。若い人たちも精神的な疲れがたまっているせいでしょうか、癒(いや)しを求めているようです。

  • 第17回 題目:이 세상:この世

    金素月の『ツツジの花』という詩集収録された詩の58番目の「낙천(樂天)」という短い詩があります。次のサイトでは73番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    73. 낙천(樂天)

    살기에 이러한 세상이라고
    맘을 그렇게나 먹어야지,
    살기에 이러한 세상이라고,
    꽃 지고 잎 진 가지에 바람이 운다.

    「楽天」というタイトルとはずいぶん違った内容ですが、この世を風刺した詩のようです。この詩では「이 세상:この世」という表現はありませんが、「이러한 세상:このような世の中、こんな世」が二度使われています。

    ①이 세상 では誰でも等しく風は吹く(NO204)

    等しく吹く風は暖かいのでしょうか、冷たいのでしょうか、それとも交互に吹いてくるのでしょうか。一人だけに冷たい風が吹いてくるわけではないという意味もあるようです。

    ②이 세상 には苦難困難幸あり(NO219)

    「苦難、困難」と並べたあとに「幸」が来て安心しました。原文には「幸ありし」とありましたが、「し」は取りました。どんなに大変な時期があっても、その時期を乗り越えると「幸」が待っていると考えらるようになれば、気持ち的にもずいぶん楽になることでしょう。この句の作者はこのへんの事情をよく理解しているようです。

    ③내 사랑아 이 세상 끝까지 함께 해줄래?(NO227)

    「この世の果てまで一緒にいてくれる?」と恋人に問いかけている句です。どんな答えだったのでしょうか。すぐに答えられる人とそうでない人がいると思いますが、皆さんはどちらですか。

    ④이 세상 思い通りにゃいかんのだ(NO228)

    確かにこの句の通りです。これに付け加える言葉がありません。先生に代わってお説教をしているような感じも、また自分に言い聞かせているような感じもします。

    この句をハングル訳してみましょう。

    이 세상 뜻대로 되지는 않는 법이야

    ⑤이 세상 には渦巻いている善と悪(NO235)

    西欧には善なる天使と悪なる悪魔の対立といった見方があるようですが、ここでいう善と悪とは善なる行為と悪なる行為のことを言っているようです。日々の良いニュースで満ちればうれしいのですが。

    【人気の句】

    ⑥이 세상 に産まれてきたこと感謝して(NO220)

    平凡な句ですが、ストレートに感謝の気持ちが伝わったことと、自分もそう思っている人が多かったので、人気の句となったのでしょう。

  • 第16回  날이 저무네: 日が暮れる、日暮れかな

    金素月の『ツツジの花』という詩集収録された詩の24番目の「맘 켕기는 날」という短い詩があります。次のサイトでは23番目にあります。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    23.   맘켕기는날
    오실날
    아니오시는사람!
    오시는것같게도
    맘켕기는날!
    어느덧 해도지고 날이저무네!

    この詩をめぐって、いろいろな思いが寄せられました。

    ①待ちぼうけ いつのまにやら 날이 저무네(NO207)

    「待ち人来たらず」という詩の内容を踏まえて、これを軽めに表現した句のようです。この句をハングル訳してみましょう。

    바람을 맞아 어느새 해도 지고 날이 저무네!

    ②会いたいな あなた想って 날이 저무네(NO209)

    これも詩の内容を踏まえていますが、待ち人への想いがストレートに語られています。

    ③날이 저무네 明日になれば 日が昇る(NO201)

    これくらいしっかりした目で見られれば、失望することも間違うこともないようですが、それなりの悩みがない訳ではないようです。「日が昇る」と言い切れるような日々を送りたいものです。

    ④날이 저무네 母と手繋ぎ おうちまで(NO220)

    夕日と母と子供という童話の世界の一場面を見ているようです。祖母から母、母から子へという長い世代の繋がりをも感じさせます。

    ⑤カラス鳴き 夕やけこやけで 날이 저무네(NO255)

    午後5時になると町々でチャイムが流れてきます。「夕焼け小焼け」もよく聞きます。日本ではカラスが夕焼けや夕暮れとともに歌われるようになって久しいのですが、韓国ではほとんでカラスを見かけません。この句から童謡が聞こえてくるようです。

    【人気の句】

    ⑥날이 저무네 待つ時間さえ 愛しくて(NO211)

    待つと決めてしまえば、全てのものが愛しくなるのでしょうか。ここでは待つ時間さえ愛しくなると詠っています。このような昇華した愛の姿に共感したのでしょう。

  • 第15回 題目:봄(ポム:春)

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    このサイトの目次は「110.수아(樹芽)」となっていますが、本文の方では「111.수아(樹芽)」となっています。

    설다 해도
    웬만한,
    봄이 아니어,
    나무도 가지마다 눈을 텄어라!

    一茶の「目出度さもちゅう位なりおらが春」を思い出させます。

    ①봄来たり新たな思いと決意抱き(NO211)

    春は新学期です。あれをやろうこれをやろうと新たな決意をもって新学期を迎えます。「よし、やるぞ!」という意気込みがしっかり伝わってきます。

    ②冬来たらあっという間に봄が来る(NO219)

    11月だというのに台風のニュースで、季節感が狂っている感もしますが、四季の訪れを止めるわけにはいきません。あっという間に春という人もいれば、あっという間に50歳という人もいます。歳を取れば取るほど時間の流れが速くなるようです。

    ③봄が来る続いて来るぞ夏が来る(NO212)

    時間に急かされている感じがよく出ています。「来る、来る、来る」が「クル、クル、クル」と回っているような気がします。考えてみると、恐ろしい句ですが、この恐ろしさは年を取るにつれて分かってきます。この句の作者はどこかでこのような時の営みを感じ取っているのでしょう。

    この句をハングル訳してみましょう。

    봄이 온다 곧바로 온다 여름이 온다

    ④봄봄봄出会いと別れの季節です(NO217)

    「봄」というのは花のツボミが咲く時の音だと言われています。また動詞の「보다」の名詞形でもあります。「보다」には「見る」の他に「会う」という意味もありますので、作者はこの「会う」という意味に「봄」を掛けているのかもしれません。

    ⑤봄이 아니라 가을이야 지금 넘 춥네(NO227)

    (春じゃなく秋だよ今は寒すぎる)

    秋になって、春の句を詠めというのが無理だったようです。朝夕はぐっと冷え込むこともあります。風邪をひかないよう、気を付けましょう。

    【人気の句】

    ⑥切実に季節も恋も봄を待つ(NO209)

    「恋の季節」という歌が数十年前に大ヒットしました。1968年だそうです。恋を求める気持ちは昔も今も変わらないようです。いい恋をしましょう。

  • 第14回 題目:하늘(ハヌル:空)

    金素月の『ツツジの花』という詩集収録された詩のなかに「제비」(ツバメ)という短い詩があります。

    以下のサイトの「김소월 시선」に金素月の詩がおおく載せられています。

    http://cafe.daum.net/ypchung/2Wyx/3447?q=%B1%E8%BC%D2%BF%F9%20%BF%BE%B3%B8

    その87番目にあります。

    87. 제비
    하늘로 날아다니는 제비의 몸으로도
    일정(一定)한 깃을 두고 돌아오거든!
    어찌 설지 않으랴, 집도 없는 몸이야!

    ちなみに、詩集『ツツジの花』では27番目の詩です。

    この詩はテオドル・オオバネルの「故国」との関連が指摘されている句です。

    興味のある方は「제비」(ツバメ)と「故国」(上田敏訳)を比較してみてください。
    http://2style.net/misa/fuguruma/ueda/kai_53.html

    ①하늘は見てる消えゆく国も帰る燕も(NO207)

    金素月の「ツバメ」とテオドル・オオバネルの「故国」を踏まえての句です。国がなくなる悲しみがテーマになっている二つの詩をこの句に収めました。

    ②いつか逝く하늘の上の波羅韋増雲(NO209)

    テオドル・オオバネルの「故国」の上田敏訳に「波羅韋増雲:パライソウ」の語が見えます。これは「パラダイス」のことです。

    この句では「いつか逝く」ことと。そこが「하늘の上の天国」であることの二つのことを言い切っています。

    ③鳥達が하늘を飛び交い帰路に着く(NO203)

    どこにいても帰路につくことができるのは帰巣本能があるからなのでしょう。しかしそれも「巣」となるべきところがあっての話です。

    ④하늘という響きがいいななぜだろう(NO210)
    「ハヌル」という語の響きが気に入ったようです。言葉の響きに触れられるのは外国語を学ぶ楽しみの一つです。

    ⑤つらい時하늘見ながら歩いてる(NO220)
    どこか「上を向いて歩こう」を思わせる句です。
    この句をハングル訳してみましょう。

    힘들 때 하늘을 보면서 걷게 되네

    【人気の句】

    ⑥離れていても世界の하늘はみな同じ(NO219)

    離れていても、確かに하늘は一つで、同じです。同じ空の下なのに、世界は混沌としています。ニュースに接するたびに混沌の度を増しているように感じます。同じ空を平安で見上げたいものです。

  • 第13回 題目: 만리성:万里城

    今回から、しばらく金素月の詩から題目を取っていきます。

    「만리성:万里城」はギリシャ神話を思い起こさせます。次のサイトに詩と解説があります。

    http://blog.daum.net/rimpoet/11742655

    ① 만리성積んで崩して不条理に(NO204)

    「쌓았다 헐었다 サアッタ ホロッタ」の部分を句にしたもので、ここでは「積んでは崩し、崩しては積む」行為を不条理と見ています。

    「シジフォスの神話」を思い起こさせるかもしれません。因みに、カミュの同名の小説は1942年の作ですから、1925年の「만리성:万里城」の詩のほうが遥かに前のことです。

    ②만리성道のりは長い人生のように(NO222)

    人生はよくマラソンにたとえられますが、만리성の方が遥かに距離があります。新しい道に足を踏み入れる準備をしているのかもしれません。

    ③人生は永く険しい만리성(NO235)

    これも「万里城」を人生にたとえた句です。

    ④と⑤は、ハングルの類句です。

    ④만리성 인생처럼 너무 어려워(NO231)

    ⑤なんだろうはじめてきいた만리성(NO226)

    「万里城」を人生にたとえた句が多い中で、そっぽを向いた感じの句がありました。

    「なんだろう」というのは「何ですか」と尋ねているのではなく、やや斜めから見ていて「あの、さー」といったふうに発話をしてるだけのようです。

    この句をハングル訳してみましょう。

    글쎄 그게 처음 들었네 ‘만리성’

    【人気の句】

    ⑥乗り越えよう私の中の만리성(NO238)

    自分の中にある越えられない壁を意識することがあります。この句ではこの立ちはだかる壁を「万里城」として捉えています。

    この壁を克服したい気持ちがよく現われていて、「ウイシャル オーバーカム」という歌を思い起こさせる句です。

    http://www.youtube.com/watch?v=RkNsEH1GD7Q