• 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第18回 

    詩子アナ:頭音は全て「산」、脚音は全て「네」ですから、いずれも1種4同です。なるほど、改行をどこでしても韻を踏む形になっているんですね。手品のようですね。これが「改行の名手」であり、かつ「改行の魔術師」といわれる所以ですか、驚きました。

    歌樽先生:では、驚いたところで、「オンマヤヌナヤ」との共通点を考えてみましょう。

    詩子アナ「オンマヤヌナヤ」(第15回)で「フラクタル」のお話がありましたが、今回も関連があるのですか。

    歌樽先生:ええ、もちろんありますね。「オンマヤヌナヤ」(第2回)がサンドイッチタイプの詩だといいましたが、「山有花」も大きくみれば、サンドイッチタイプの詩といえるでしょう。

    詩子アナ:第1連と第4連がサンドイッチの外側で、第2連と第3連を挟んでいる訳ですね。だんだん分かってきました。

    歌樽先生:「フラクタル」に気づいたり、サンドイッチの構造をすぐに理解したり、なかなか素晴らしいですね。

    詩子アナ:そんなに誉めてくださっても、いい訳詩ができる力は持ち合わせていませんよ。

    歌樽先生:いえいえ、そう謙遜しなくてもいいですよ。「オンマヤヌナヤ」の詩碑の写真が届きました。この写真の手前に漢川(한천)が流れています。

    kanewaka018a「オンマヤヌナヤ」詩碑(醴泉 漢川辺)

    kanewaka018bスンデタウン(新林駅)

    詩子アナ:そろそろお腹がすいてきましたが。

    歌樽先生:近くにスンデタウンと呼ばれているところがあるんです。そこに行ってみましょう。

    http://bass007.tistory.com/661

    詩子アナ:スンデがお好きなようですね。

    歌樽先生:「オンマヤヌナヤ」の詩碑を見て、スンデを思い出しました。建物全体がスンデのお店という、韓国でもそうそうないスンデタウンですよ。

    詩子アナ:「オンマヤヌナヤ」と「山有花」がどうして「スンデ」でつながっているのですか。

    歌樽先生:それを問題にしたいぐらいですね。では、こんな問題でどうでしょうか。

    第33問:「オンマヤヌナヤ」と「山有花」と「スンデ」のかかわりを述べなさい。

    詩子アナ:答がありそうにありませんが。ヒントを御願いします。

    歌樽先生:ヒントは詩の中にありますね。

    詩子アナ:「엄마야 누나야 강변 살자」と「산에는 꽃 피네 꽃이 피네」でしょ。降参です。

    歌樽先生:「강변 살자」は正解ですね。

    詩子アナ:「川辺に住もうよ」ですか。「山有花」は「산에서 사노라네」だから、「住むんだよ」といった感じなので、あっ!分かりました!

    第33問:答、「スンデ」を「住んで」に掛けているから。

    歌樽先生:大正解、ということで、訳詩には期待していますよ。

    詩子アナ:今回は訳詩のお話はもう済んでいたのかと思って、安心していましたが。

    歌樽先生:私も「すんで」のところで訳詩の話をするのを忘れるところでした。いろんな方がすでに詩を訳していらっしゃいますから、参考になりますよ。もちろん、独自の訳を試みるのもいいでしょう。

    詩子アナ:キーハングル「 여름 없이」をしっかり踏まえて訳詩してみます。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第17回

     

    詩子アナ:「縮約」のお話は以前「オンマヤヌナヤ」で伺ったような気がします。

    歌樽先生:そうでしたね。「갈잎」は「갈댓잎:葦の葉」を縮約したものでしたね。

    詩子アナ:「山有花」の「갈」は「가을:秋」を縮約した形でますが、「가을」でも「갈」でも頭音はどちらも「가」ですから、韻を踏むという点では変わりありませんから、「b)の縮約は関係がないのであーる」と見ましたが、いかがでしょうか。

    歌樽先生:久しぶりに「であーる」が出てきましたね。

    詩子アナ:ここまでの推測は当たっているようですね。次に五行については「山有花」だけではないようですから、「d)の五行は無関係であーる」と見ました。

    歌樽先生:これで心象と改行が残りましたね。

    詩子アナ:心象はいわばイメージですから、これもこの「山有花」だけには限りませんから、、

    第32問:答はa)改行の名手であーる。

    歌樽先生:やっと正解に辿りついたようですね。

    詩子アナ:そういえば、詩全体が山に見えるのですから、これだけで改行に気づくべきでしたね。

    歌樽先生:いえいえ、なかなかするどい推理でしたよ。素月のすごいところは、「改行の名手」でありながら、同時に「改行の魔術師」でもあったんです。

    詩子アナ:「改行の名手」と「改行の魔術師」とはどのように違うのですか。

    歌樽先生:「改行の名手」とは改行の技のすばらしさをいったものですが、「改行の魔術師」というのは、マジックのレベルにまで達しているといっていいでしょう。

    詩子アナ:では、「改行マジシャン」という訳ですか。

    歌樽先生:なるほど、面白い言い方ですが、当たっていますね。

    詩子アナ:何がマジックになっているのですか。

    歌樽先生:こんな風にあっちもこっちも改行して、16行の詩になっていますが、この詩全体では8行

    の詩にも、4行詩にもなっているのです。

    詩子アナ:4行詩と8行詩ですか。16行なのに?

    歌樽先生:そこが素月のすごいところですね。4連の詩をそれぞれまず2行で書いてみましょう。

    詩子アナ:わかりました。

    산에는 피네 꽃이 피네
    여름 없이 꽃이 피네. 

    산에 산에 피는 꽃은
    저만치 혼자서 피어 있네. 

    산에서 우는 작은 새요
    꽃이 좋아 산에서 사노라네. 

    산에는 지네 꽃이 지네
    여름 없이 꽃이 지네.

    歌樽先生:各連の1行目と2行目の頭音と脚音を調べてみましょう。

    詩子アナ:1行目は同じですが、2行目は頭音が変化しているのに、2種3同で五行の季節は変わらず、脚音は全て夏ですから、頭音も脚音も1種4同か2種3同となっていて韻が揃っています。

    image

    歌樽先生:では、4行詩と見た場合はどうなりますか。

    詩子アナ:上の8行を4行にすればいいんですね。やってみます。

     

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景:산유화 山有花 第16回

     

    歌樽先生:では、原本をみてみましょう。

    image

    『진달래꽃』金廷湜 賣文社1939

    詩子アナ:第1行目は6文字で、助詞の「이」はありませんね。ということは南山の詩碑の方が正しいんですね。

    歌樽先生:助詞についてはそのうち誰かが気づくでしょう。では、問題です。

    第31問:もし、助詞の「」を入れていたとしたら、その表記はどうなっていたでしょうか。

    詩子アナ:この写真のような書き方は不慣れでなのですが、第2行目が「꽃이 피네」の部分のようですから、

    第31問:助詞の「이」が入っていれば「치」です。

    歌樽先生:ハングルの表記法が確立する前ですので、いろいろと書き方を工夫していたようですね。「꽃이 피네」の部分は、まず初声が「ㅺ」、中声は「ㅗ」、パッチムは「ㅅ」で、これに「치픠네」が続いています。助詞の「이」がパッチム「ㅊ」と一緒になって、2行目、4行目、10行目、14行目、16行目では「치」となっていますね。

    詩子アナ:9行目の「적은 새요」のままでは「少ない鳥」になっしまいますが。

    歌樽先生:素月の住んでいた地方の方言では「작은:小さい 」を「적은」と言ってもおかしくないという話を定州に住んでいたおじいさんから聞いたことがあります。素月の詩には方言のまま書かれているものがいくつかあるようですね。

    では、ここで、各連の頭音と脚音を五行の季節で表してみましょう。

    詩子アナ:はい。「새여」は「새요」、「좋아」は「죠와」となっていますので、ここでは「요」「와」としてみました。

    image

    歌樽先生:なかなかすっきりしていますね。

    詩子アナ:すっきりしているということは素月が韻を踏んでいるということでしょうか。

    歌樽先生:もちろんそういうことになりますね。

    第32問:「山有花」で韻を踏むことと最も関係の深いのは次のどれでしょうか。

    1. a) 改行の名手 b) 縮約の名手 c) 心象の名手 d) 五行の名手
  • ハングルの詩のある風景シリーズの第2回分として、昨年9月から連載中の산유화 山有花の索引ページを作成しました。ご活用ください。

    シリーズ第1回のオンマヤ・ヌナヤの索引ページも、あわせてご利用ください。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第15回 

    詩子アナ:もっと大きくしてもらえるといいのですが。

    歌樽先生:わかりました。下の部分を大きくして見てみましょう。

    KimSW15a

    詩子アナ:「培材人 素月 김정식」とありますね。

    歌樽先生:その下にもなにかありますよ。

    詩子アナ:「제15회 졸업생일동」、「第15回 卒業生一同」、ということは、分かりました。

    第29問:左は培材の校内で、右は南山です。

    歌樽先生:正解としましょう。左は培材大学校の校内にあります。

    第30問:詩碑の「山有花」のはじめの詩の部分を比べて違ったところを探してみましょう。

    KimSW15b

    詩子アナ:同じ詩の詩碑ですから、同じではないかと思うのですが。

    歌樽先生:なんでも確認をしてみることが必要ですね。

    詩子アナ:あっ! ありました!

    第30問:第1行目が培材大のものは「山에는 꽃이 피네」、南山のものは「山에는 꽃 피네」となっています。

    どちらが正しいのですか。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第14回

     

    詩子アナ:サイン、コサイン、タンジェントですか。国語もすごいですが、理数系も強いですね。ところで、「漢文講読」が98点で「朝鮮語及漢文」が73点というのはどうしてでしょうか。

    歌樽先生:「朝鮮語及漢文」の点数の低さは不思議なくらい、他の科目が優秀だということですね。

    詩子アナ:ともかく、漢文をしていたというのは分かりました。ちょっと計算をしてみたのですが、点数の合計948点と平均の87点がうまく合わないようなのですが。

    歌樽先生:合計948点平均87点ということは、科目数は11で計算していますね。上から番号を付けて点数を計算してみましょう。

    詩子アナ:はい、①修身75、②国語及漢文99(国語100、漢文98、平均99)、③朝鮮語及漢文73、④英語75(講読87、作文など63、平均75)、⑤歴史90、⑥地理90、⑦数学(幾何90、三角98、平均94)、⑧物理・化学(物理95、化学98、平均97)、⑨法制及経済85、⑩図画80、⑪体操91の11科目とすると、合計は949点になります。その平均は86.3点です。

    歌樽先生:平均点は、少数点以下を切り上げたのでしょうかね。

    詩子アナ:⑧の物理・化学98の平均の96.5を96点で計算すると、948点で、平均86.2、切り上げると87点となりますが。

    歌樽先生:⑧の平均は「97」と書いてありますから、1点は計算違いでしょう。全部の科目の平均点はどうなりますか。

    詩子アナ:最後の科目の「操行」の90を足すと、科目数は計16で、合計は1403点、平均は87.7点、これを切り上げると88点です。ちなみにこの16科目の上位5科目の平均は97.8点、上位10科目の平均は94点となります。

    歌樽先生:もっとも得意のはずの朝鮮語や英語の科目が平均点を下げていますね。

    詩子アナ:英語も得意だったのですか。

    歌樽先生:英語は得意だったようですよ。金素月は「詩魂」という詩論をかいているのですが、その中に英語の詩があって、この詩のハングル訳がなかに入っています。

    学生が分かりやすい文にしたものが下のサイトにあります。

    http://shin_2417.blog.me/220407680956

    詩子アナ:漢文の詩も英文の詩もハングル訳詩をしているんですね。

    歌樽先生:それだけではなく、日本語でもいくつか詩を書いていますよ。写真が届いたようですね。「山有花」に戻りましょう。

    KimSW14a KimSW14b

    第28問:上の詩碑とソウル南山の詩碑(下)とを比べて違うところを一つ指摘しましょう。

    詩子アナ: 第28問:左は横書きで右は縦書きになっています。

    歌樽先生:素晴らしい!なかなかよく見えないところをよく見ましたね。横書きのほうは石が縦に長く、縦書きの方は石が横に長くなっているのもそのためですね。

    第29問:他の違うところを挙げてみましょう。

    詩子アナ:右は詩がなんとか見えますが、左は文字がよくみえません。右はソウルの南山(第8回)のもののようですが、左はどこにある詩碑ですか。

    歌樽先生:ヒントはこの詩碑の下の方にありますが、このままではよく見えませんね。

    この投稿は、ブログ「兼若博士の[一緒にハングル1000万]」にも掲載しています。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景:산유화 山有花 第13回

     

    KimSW13

    歌樽先生:空欄が多いのも、研究・教育目的以外の目的で使われることがないようにするためのようですね。ほかに気になったところはありませんか。

    詩子アナ:生年月日が明治33年というのは合っているのですか。

    歌樽先生:明治33年は1900年ですから、少し違いますね。

    詩子アナ:確か金素月は1902年だったようですが。

    歌樽先生:そうですね、1902年生まれです。転記する時に間違えたのか、もともと違っていたのかもしれません。

    詩子アナ:月日が書かれていませんが。

    歌樽先生:陰暦の8月6日生まれです。陽暦では9月7日になっていますね。

    第27問:素月はいつ入学して、いつ卒業したでしょうか。

    詩子アナ:入学年度をみればいいですね。

    第27問:大正11年4月1日入学、大正12年3月1日卒業です。

    歌樽先生:大正11年は1922年です。1年間勉強して卒業していますね。

    詩子アナ:1年で卒業したのですか。

    歌樽先生:五山中学校に4年間通いましたので、5年次に編入して、1年で卒業しました。

    『正本素月全集上』김종욱 2005 도서출판 명상

    歌樽先生:では、右上から各科目の点数を見ていきましょう。

    第28問:90点以上の科目名を挙げましょう。

    詩子アナ:ええっ!? すごい成績ですね。参ったー!

    第28問:国語講読が100点、漢文講読98点、歴史90点、地理90点、幾何90点、三角98点、物理95点、化学98点、体操91点です。

    ここの、「三角」というのは何ですか。

    歌樽先生:当時の数学のジャンルは「算術、代数、幾何、三角法」でしたから、三角法、つまり三角関数のことを言っているのでしょう。

    この投稿は、ブログ「兼若博士の[一緒にハングル1000万]」にも掲載しています。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第12回

     

    詩子アナ:成績表のようなものは残っていないんですか。

    歌樽先生:残っているものがあります。

    詩子アナ:えー! あるんですか。

    歌樽先生:培材高等普通学校の学籍簿があります。

    『正本素月全集上』김종욱 2005 도서출판 명상

    詩子アナ:明治や大正もありますね。

    歌樽先生:当時は日韓併合で朝鮮は日本に属していましたからね。では、学籍簿を見てみましょう。

    baejae-high-school1900

    第25問:金素月の本名と住所を捜しましょう。

    詩子アナ:分かりました。姓名のところに名前があります。住所に番地はありませんね。

    第25問:金廷湜(김정식)が本名で、住所は平北道定州郡郭山面です。

    歌樽先生:金廷湜の「廷」の字はもとは「珽」だったようで、従兄弟に「珽郁」「廷七」「廷燦」さんがいます。後に「王」偏をとって「廷」としたといわれています。また、住所は「原籍及戸主職業」の欄にありますが、この学籍簿では洞名も番地も書かれていません。住所は平安北道定州郡郭山面南端洞569番地だったと素月の叔母さんの桂熙永著の『私の育てた素月』という本の第一章の初めに記されています。

    詩子アナ:ずいぶん省略されていますね。「戸主」の名も「職業」も記入されていませんし。

    歌樽先生:この学籍簿は金素月の本人と成績確認のために必要なところだけを写してもらったもののようですね。ハングルのスタンプで「原本と相違なきを確認す」とあるところからも、原本でないことが分かりますね。

    詩子アナ:なるほど、しっかり見る必要があるんですね。

    歌樽先生:では、しっかり見ていきましょう。

    第26問:欄外にどのような注意書きがかかれているでしょうか。

    詩子アナ:欄外ですか。ありました。

    26問:「※단,연구・교육목적이외의 사용을 금합니다.」但し、研究・教育目的以外の使用を禁じます。

    この投稿は、ブログ「兼若博士の[一緒にハングル1000万]」にも掲載しています。

  • 紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第11回

    歌樽先生:陰陽五行の基本については当時は漢文の教養のある人はほとんど知っていたと思われます。当時の伝統的な勉強といえば、「四字小学」「千字文」から始めます。

    素月は祖父から習ったようですね。「千字文」は九九を暗唱するように、「하늘 천 따 지」といいながら覚えたようです。
    http://m.blog.daum.net/syho0628/16139703#

    詩子アナ:「하늘 천 따 지」というのは何ですか。

    歌樽先生:千文字は「天地玄黄(てんちげんこう)」で始まるのですが、これを「空の天、土地の地、黒い玄、黄色い黄」と暗唱しながら覚えていたのです。「하늘 천 따 지」はその初めの二文字の天地の覚え方です。

    詩子アナ:「玄黄(げんこう)」はどう覚えるのですか。

    歌樽先生:「검을현 누를황」といいます。

    詩子アナ:これで千文字全てを覚えたのですか。

    歌樽先生:そうです。どこの「書堂(서당)」でも同じです。

    詩子アナ:「書堂(서당)」というのは何ですか。

    歌樽先生:では、問題を出しましょう。

    第21問:「書堂(서당)」のことを他の言葉でなんと言っていたでしょうか。
    a)학교(学校) b)사자옥(寺子屋) c)서방(書房) d)글방(クル房)

    詩子アナ:a)とb)は違うようですので、c)かd)のどちらかが正解のようです。

    第21問:d)글방(クル房)が正解です。

    歌樽先生:よく分かりましたね。他にも「서숙(書塾)」「서옥(書屋)」「학방(学房)」「학당(学堂)」などとも呼ばれたようです。

    第22問:「글」とは「文字、文章、学問」などの意味がありますが、「書堂」では普通何を学んだのでしょうか。
    a)漢文 b)ハングル c)読み・書き・そろばん d)書道

    詩子アナ:ここはハングルといいたいところですが、先ほどの千字文から答が分かりました。

    第22問:答は、a)漢文です。

    歌樽先生:これはこれはすばらしい推理ですね。「千字文」は漢文を読むための基礎の基礎とされています。

    詩子アナ:では、「千字文」のつぎは何を勉強をするのですか。

    歌樽先生:「童蒙先習(동몽선습)」という子供向けの漢文の教材です。

    http://jkch.namoweb.net/cham/seoye/jaryo/han/dong-m/ser.htm

    これを教材に儒教思想の基本を学ぶことになります。

    詩子アナ:それからどんな勉強をするのですか。

    歌樽先生:これからが本当の勉強といえるのですが、『史略:사략』『通鑑:통감』『小学:소학』『四書:사서』 『三経:삼경』などが教材とされたようですね。

    第23問:次のうち『四書:사서』に含まれていないものはどれでしょうか。

    a)中庸:중용 b)礼記:예기 c)論語:논어 d)孟子:맹자
    詩子アナ:『礼記』は『五経』の方だったと思います。

    第23問:答は、b)礼記:예기です。

    歌樽先生:正解です。『礼記』ではなくて『大学:대학』が『四書』に含まれますね。

    第24問:次のうち『三経:삼경』に含まれていないものはどれでしょうか。

    a) 詩経:시경 b) 書経:서경 c) 周易:주역 d)春秋:춘추
    詩子アナ:『四書五経』というのはよく聞きますが、『三経』がどれかといわれると難しいですね。何かヒントがあればうれしいのですが。

    歌樽先生:ヒントになるかどうか分かりませんが、歴史書は『三経』には入っていませんね。

    詩子アナ:ということは、歴史書を探せばいいので、分かりました。

    第24問: 答は、d)春秋:춘추です。
    ところで、金素月が漢文を学んだことが分かる資料はあるのですか。

    歌樽先生:漢詩をいくつもハングルで訳詩していますね。有名なものでは、孟浩然の「春暁」、杜甫の「春望」、李白の「烏夜啼」なども訳詩の中に入っています。

    詩子アナ:私、実は漢詩、ほとんど忘れてしまって、、、

    歌樽先生:杜甫の「春望」を「봄(春)」のタイトルでハングルで訳詩したものの紹介があります。

    http://blog.daum.net/oksun3363/8704903

    この投稿は、ブログ「兼若博士の一緒にハングル1000万」にも掲載しています。

     

  • 紙上中継[LIVE]  ハングルの詩のある風景: 산유화 山有花 第10回

    詩子アナ:「土用の丑(うし)の日」にウナギを食べる「夏の土用」だけではないんですね。

    歌樽先生:そうですね。四季それぞれに土用がありますから。

    詩子アナ:韓国では「土用の丑の日」のような日はあるのですか。

    歌樽先生:「복날:伏の日」とか「삼복:三伏」と呼ばれる日がありますね。夏至の日から数えて3番目と4番目の「庚(かのえ)」にあたる日と立秋のすぐ後の「庚」の日で、それぞれ「초복:初伏(しょふく)」「중복:中伏(ちゅうふく)」「말복:末伏(まっぷく)」といって、暑さ負けしないように体に良いといわれるものを食べています。

    詩子アナ:それはどんな食べ物ですか。

    歌樽先生:代表的なものは犬料理で「ポシンタン(보신탕:補身湯)」とも「ヨンヤンタン(영양탕:営養湯)」とも言っていましたが、最近は「サチョルタン(사철탕)」と呼んでいますね。「サチョル」とは「四季」のことで、季節にかかわらずいつでも食べられるという意味で名付けられたといわれていますね。

    詩子アナ:「갈 봄 여름 없이」という訳ですか。「山有花」とは無関係なのに、こんなところで回り回ってドッキングですか。「初伏」「中伏」「末伏」の「伏」の字には「犬」がありますね。これもドッキングでしょうか。

    歌樽先生:それは気がつきませんでした。では、「갈 봄 녀름업시」に戻って、季節について考えてみましょう。

    第20問:「갈 봄 녀름업시」を一文字ずつ読んで、その音に対応する季節を調べてみましょう。

    詩子アナ:はい、五行と五音、それに対応する音と季節を整理しておきます。
    五行 五音 対応音 季節
    ① 木:牙音  ㄱ/ㅋ/ㄲ ・・・・・・ 春
    ② 火:舌音  ㄴ/ㄷ/ㄹ/ㅌ/ㄸ ・・・ 夏
    ③ 土:喉音  ㅇ/ㅎ・・・・・・・・ 土用
    ④ 金:歯音  ㅅ/ㅈ/ㅊ/ㅆ/ㅉ ・・・ 秋
    ⑤ 水:脣音  ㅁ/ㅂ/ㅍ/ㅃ・・・・・ 冬

    第20問:こんな感じです。
    初声:季節   終声:季節  意味
    「갈」・・・가:春    ㄹ:夏     秋
    「봄」・・・보:冬    ㅁ:冬     春
    「녀」・・・녀:夏
    「름」・・・르:夏    ㅁ:冬     夏
    「업」・・・어:土用   ㅂ:冬
    「시」・・・시:秋
    一文字ずつ初声と終声の季節と意味も付け加えました。

    歌樽先生:これで、何か分かりましたか。

    詩子アナ:はい、五行音の季節でいえば、「갈」の「가」が春、「ㄹ」が夏となって、「갈」は「가을」、つまり秋ということですから、この順に季節を考えると、これで「春→夏→秋」、次の「봄」の「보」が冬となって、季節が巡っています。
    つまり、「春→夏→秋→冬→春」が「갈 봄」で表わされているということでしょうか。

    歌樽先生:そうですね。これを「봄」から始めると意味は春から始まりますが、音から見ると「봄」の「보」も、パッチムの「ㅁ」も冬になってしまいます。

    詩子アナ:では、「갈 봄 녀름 없이」を「秋春夏なく」と訳さなくてもいいのですか。

    歌樽先生:「秋春夏なく」では順序がおかしいですからね。
    詩子アナ:なるほど、音と意味から「春夏秋冬」と理解できるような仕組みを考えたところがすごいですね。それで「갈 봄 녀름업시」がキーワードという訳ですか。

    歌樽先生:もちろんリズムも忘れてはいけませんが。

    詩子アナ:ところで、金素月は「陰陽五行説」について知っていたのでしょうか。