2014tr-01 김치:キムチ

ハングル俳句2014-01翻訳 김치

冬将軍キムチ引っさげやってきた(NO101)

동장군님 김치 등에 업고 날아왔네

「冬将軍」は「동장군」といいますが、ここでは「님」を付けてあります。「引っさげる」の語感が「손에 들고:手に持って」では出せませんので、原義からはやや離れるのですが、背負ってと意訳してあります。「やってきた」は訳では「飛んできた」としてあります。

「冬将軍キムチ背負って飛んで来た」という意味になってつまらない句になってしまいました。直訳すると、よい感じが出ません。何か工夫が必要となります。

原句のピーンと張った緊張感はなかなか出ませんが、少し工夫してみたのが以下の句です。

동장군님 김치 등에 업고 오셨나이다

冬将軍キムチ背負ってお出ましだ

「오셨나이다」の「나이다」は尊敬を表す文語体で「오셨습니다」よりも敬語の度合いがはるかに強い感じがします。

キムチ食べ乳酸菌とり腸快調 (NO119)

김치 먹고 유산균 섭취하니 장이 쾌조

「乳酸菌」は「유산균」といいます。「섭취하니」は「섭취하니까:摂るので」の意。「腸快調」を「超快調」に掛けたのがこの句のポイントなので、ここをどう訳すかが問題です。 「장이 쾌조」ではよく分かりませんし、「장에 좋아」では「腸に良い」という説明になってしまっています。

少し工夫してみたのが次の句です。

김치 좋네 장에는 유산균 참 장하네

キムチ良し腸には乳酸菌超良ろし

「장하다」は「すばらしい、見事だ、あっぱれだ」などの訳が付いている語です。褒めるときに「장하다 장해:よくやった、立派だ」などとよく使います。「좋네」の「네」と「장하네」の「네」、「장에는」の「장」と「장하네」の「장」の韻を重ねてみました。

ハングル俳句の翻訳シリーズにご期待ください。

2013-05 이름:名前

第5回 イルム:이름(名前)

 

学びつつ イルムの仕組み 見つけ出す (NO106)

韓国人のイルム(名前)には色々なルールがあります。例えば男兄弟は同じ漢字が一文字使われ、この漢字は従兄弟にも用いられます。もちろん例外もありますが、同じ代では同じ漢字を用いるというルールがあります。

この漢字のことを「行列字(항렬자:ハンニョルチャ)」または「돌림자:トルリムチャ」といいます。代ごとに別の文字が用いられますので、これで何代目の子孫かが分かる仕組みになっています。

この句で「仕組み」とあるのはこのようなルールのことです。学びながらこのルールの仕組みを知ると、ドラマをみる目も変わってくるでしょう。

イルムには 伝統的な 五行あり (NO113)

イルムのルールの「行列字」には世代の順序があり、「五行説」に従います。「五行:오행」とは「木-火-土-金-水」の順の五つをいいます。イルムには五行とかかわりのある文字がよく用いられました。例えば、祖父が「木偏」だとすると、

父は「火偏」、私は「土偏」、子供は「金偏」で孫は「三水偏」が付くといったように五行の順に名前に漢字が振り当てられます。この文字は適当に付けるのではなく、すでに決まっていて、この決まった文字を「行列字」と呼んでいます。「五行」でない場合は数字や干支が用いられますが、この順序が世代順となります。

韓国の イルム可愛い うらやましい (NO114)

韓国の名前には難しいルールがありますが、最近はこうしたルールに沿ったものではなく、純固有語の名前を付ける親も増えてきましたし、実際に「아름:アルム(美しさ)」「한샘(大きい泉)」「보름(満月)」などよく耳にするようになりました。

こんな句もあります。

イルムを知り ため息をつく 若人よ (NO103)

韓国では長く同姓同本(姓も同じで、本貫(その姓の出た土地)も同じ)だと結婚できませんでした。せっかくミーティング(「合コン」のこと)でいい人と出会っても、同姓同本であればため息を付くしかないという内容の句です。

金さんは韓国に約1000万人ほどいます。このうち4割ほどが金海金氏(姓が金で本貫が金海の場合)で、全体の約1割に当たります。

類句に次の句があります。

合コンで イルムと本貫 最重要」(NO126)