ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第2回
歌樽先生:今回はいろいろと難しいところもあるのですが、強いて言えば「네 길거리」でしょうか、あるいは「혼자 섰으면」でしょうかね。
詩子アナ:キーとなるハングル、難しいようですが、「네 길거리」と「혼자 섰으면」いただきました!「길거리」は「通り」、「네」は「4つ」の意味ですから、「네 길거리」は「四辻、四つ角、十字路」といった意味になります。また、「혼자」は「一人」、「섰으면」は「立てれば、立ちたいなあ」で、「혼자 섰으면」は「一人立てれば、一人立ちたいなあ」といった意味です。では、このキーとなるハングルが入っているのはどんな詩でしょうか。
歌樽先生:こちらを見てみましょう。金素月の詩集『진달래꽃』の55番目の詩です。
紙鳶
午后의 네길거리 해가 드럿다、
市井의 첫겨울의 寂寞함이여、
우둑키 문어구에 혼자섯스면、
흰눈의 닙사귀、紙鳶이 뜬다。
詩子アナ:漢字が多くて、読みにくいものもありますね。
歌樽先生:では、ハングルで読めるように綴りも現在の書き方に合わせましょう。ついでに、直訳型の臨時訳も付けておきましょう。しっかりした訳詩はあとでまた考えることにして、臨時訳をしてみましょう。
詩子アナ:分かりにくいところもあるのですが、それはゆっくり伺うことにします。
지연(紙鳶) 凧(臨時訳)
午後(오후)의 네 길거리 해가 들었다. 午後の四辻に陽が射した。
市井(시정)의 첫겨울의 寂寞(적막)함이여, 街の初冬の静かさよ、
우둑히 문어귀에 혼자 섰으면, ぷらりと門(かど)に独り立てれば、
흰 눈의 잎사귀, 紙鳶(지연)이 뜬다. 白雪の木の葉、凧浮かぶ。
歌樽先生:詩のタイトルを考えてみましょう。
第3問:「紙鳶」は音読みでは「しえん」ですが、訓読みでは次の内どれでしょうか。
1)やっこだこ 2)いかのぼり 3)かみとんび 4)あがりえい
詩子アナ:「鳶(とんび)」からすると「かみとんび」と読みたいのですが、少々お待ちを。辞書の支援をいただきまして、調べてみます。
第3問:答えは、2)いかのぼり、です。
広辞苑には「いか【紙鳶・凧】」「いかのぼり【凧・紙鳶】」「しえん【紙鳶】凧(たこ)。いかのぼり。<季新年>」とあります。1)も3)も4)もありませんので、2)です。
歌樽先生:正解です。凧揚げのことを「いかのぼり」と言っていたようですね。明治時代の「尋常小学唱歌」に「紙鳶の歌」があって、ここでは「紙鳶」に「たこ」のルビがついています。歌を聴いてみましょう。
紙鳶の歌(たこのうた)尋常小学唱歌「第一学年用」Bing video
一、紙鳶紙鳶揚れ。風よくうけて、雲まで揚れ、天まで揚れ。
二、繪紙鳶に字紙鳶、どちらも負けず 雲まで揚れ、天まで揚れ。
三、あれあれ、下る。ひけひけ絲を。あれあれ揚る。放すな絲を。
詩子アナ:初めてですが、どこかで聴いたことのあるようなメロディーですね。

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