紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第11回

詩子アナ:烈女になるのは大変だと聞いたことがありますので。

歌樽先生:どんな風に聞いていますか。

詩子アナ:守節のために入水したり、縊死したり、夫を助けるために火の中に入ったり、息子を虎から守るために腕を虎に食べさせたり、夫の死後、長い年月を外部との接触をたち、墓の前で寝泊まりして何年も毎日祭祀をするとか、それはそれはとても尋常でないお話を伺ったことがあります。

歌樽先生:「烈女」はなりたくてなるものではありませんね。では、こんな問題をやっておきましょう。

第14問:「烈女」を決めるのは次の内どれでしょうか。

1)邑長(읍장) 2)宗家(종가) 3)観察史(관찰사) 4)朝廷(조정)

詩子アナ:邑長(읍장)というのはいわば村長さんとか市長さんとかそんな感じの人ですよね。宗家は一族の長、観察史は都道府県の知事といったところでしょうか。

歌樽先生:観察史の力は莫大でしたね。三権をすべて握っているくらい強い力を持っていましたね。

詩子アナ:オ、ホホホ。これで答は明確になりました。

第14問:答は4)朝廷です。「旌閭(정려)」や「旌門(정문)」は朝廷からのお達しのようですから。

歌樽先生:これは一本取られましたね。烈女を称えた旌閭の写真を見ておきましょう。

詩子アナ:この「慶州金氏」が烈女になったのはどんな経緯ですか。

歌樽先生:こんなことが書かれています。

忠淸北道淸州市興德區松節洞にある吳世煥の妻は夫が病死するや、直ちに飲食を止め悲しんでいたが、葬式後に25歳の若さで縊死した。

詩子アナ:いつのことですか。

歌樽先生:1752年(英祖28)4月ですから、江戸時代の中頃にあたりますね。

詩子アナ:烈女閣は全国にあるんですか。

歌樽先生:津々浦々にあるといっていいほどありますよ。

詩子アナ:話が元に戻りますが、結局妻の夫は家まで帰れた訳ですよね。

歌樽先生:そうですね。妻の夫は無事に帰って来られたようですよ。

詩子アナ:そうすると、男は万里城の築城の仕事をさせられ続けて戻れなかったということですね。

歌樽先生:そういうことですね。

詩子アナ:スマホで韓国の「国立国語院標準国語大辞典」が検索できるのですが、これには、

만리-성(萬里城)[말ː리성]매우 긴 성(とても長い城)

하룻밤을자도만리성을쌓는다: 잠깐 사귀어도 깊은 정을 맺을 수 있음을 이르는 말.

(短い期間付き合っただけでも深い情を交わしうることを指す言葉)

別の辞書では「一瞬の交わりでも深い誼(よしみ)を結ぶ」とあります。

この男が最終的にどうなったか心配ではないんですか。

歌樽先生:この諺では男の方に同情するといった雰囲気は全くありませんね。

詩子アナ:それじゃあ、その男がかわいそうではないのですか。

歌樽先生:そういう考えは諺が出来た当時はおそらくなかったでしょうね。身分制度が厳しかったせいもあるのでしょう。塩の行商人であったり小作人であったりという男の設定がすでに身分制度を背景にした物語のようですから。

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