紙上中継「ハングルの詩のある風景」素月と無主空山 第7回

詩子アナ:独立運動をしている人たちにとって素月の詩は激励になったのでしょうか。

歌樽先生:そのあたりはよく分かりません。直接激励になるようであれば、すぐに分かってしまい、逮捕されているでしょうから。

詩子アナ:そうなんですか、少しの油断もできませんね。ところで、「万里城」はどんな詩ですか。

歌樽先生:こんな詩です。

萬里城(NO29)
밤마다밤마다
온하룻밤
쌓았다헐었다
긴萬里城!

詩子アナ:「万里城」はもともと長いのに、なぜ「長い万里城」となっているのでしょうか。このあたりに何か秘密があるのですか?

歌樽先生:百里、千里とくらべると「万里城」ですから、さらに長いわけですが、このあたりにも微妙な何かがありそうですね。

詩子アナ:微妙な何かですか。見つけられるかどうか分かりませんが、7・5調で訳してみます。

万里城 
夜ごと夜ごとに
夜もすがら
積んで崩して
万里城 

歌樽先生:では、微妙な何かと関連して、こんな問題をやってみましょう。

第8問:「万里城」という詩には諺によく使われる語句が入っています。それらはどの行に入っているでしょうか。

  • 1) 1行目だけ  
  • 2) 1行目と2行目  
  • 3) 1・2・3行目  
  • 4) 1~4行全ての行

詩子アナ:一行目には諺に使われている語句が必ず入っているのですね。

歌樽先生:そうですね。「밤마다: 夜ごと」という語句の入った諺がありますね。

詩子アナ:では、ちょっと調べてみます。

歌樽先生:諺は昔から言い伝えられてきたものですから、一面の真理のみを語ったものや教訓、風刺などウイットに富んだものもありますが、今の価値観からすると許されない表現もありますので、そのあたりは十分注意しましょう。

詩子アナ:はい、わかりました。でてきました。

아이 못 낳는 년이 밤마다 용꿈 꾼다

歌樽先生:訳すとどうなりますか。

詩子アナ:「子供の産めない女が夜ごと竜の夢を見る。」

歌樽先生:何か説明がついていますか。

詩子アナ:「実際には能力がないくせに荒唐無稽な思いだけをしている場合を比喩」とありますが。

歌樽先生:竜の夢は一般に好まれるようですね。権力、幸運、長寿、富貴、成功などこれ以上ないよい夢とされていますね。

詩子アナ:そういえば、「春香伝」の主人公の成春香(성춘향)の相手の名前は李龍夢(이용몽)でしたね。将来出世して、成功と幸運が約束されている名前という訳ですか。

歌樽先生:そうとは言え、そこに至る過程でずいぶん苦労する姿が描かれています。特に春香の辛さは言葉では言い尽くせません。李龍夢が科挙に壮元(장원:首席)での合格後、南原に戻り、牢獄に入れられた春香を救い出し、最後はハッピーエンドになるのですが、二人が出会った時は互いに「二八青春:이팔청춘」でしたからね。

詩子アナ:「二八青春:이팔청춘」ですか。

歌樽先生:「2×8=16」で16歳ですね。ところで、さっきの諺には普通の会話では使えない言葉が入っていましたね。

第9問:次の語のうち、会話での使用がNGなのはどれでしょうか。

  • 1) 아이   
  • 2) 년   
  • 3) 밤마다   
  • 4) 용꿈

詩子アナ:使ってはいけない言葉だという認識のある語が一つあります。

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