ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第18回

詩子アナ:「とかくに人の世は住みにくい」で思い出しました。

23問:「樹芽」のところでやった「楽天(낙천)」です。

살기에 이러한 세상이라고 それもこれも世の定め
맘을 그렇게나 먹어야지 まことそうとも思わねば
살기에 이러한 세상이라고 それもこれも世の定め
꽃 지고 잎 진 가지에 바람이 운다. 風も涙す裸木の枝
 수아 樹芽(木の芽) 第14回  

歌樽先生:理不尽さを詠ったものはいくつもありますね。では、これを問題にしてみましょう。

24問:素月はなぜ凧揚げを詩の題材に選んだのでしょうか。

  • 1) 国の独立を願っていたから    
  • 2) 伝統的な凧作りを愛していたから
  • 3) 独立門の前に立ちたかったから  
  • 4) 旧暦1月15日の行事を継承したかったから

詩子アナ:これは大ヒントですね。

歌樽先生:何のヒントですか。

詩子アナ:いえ、あの、こちらの話です。何でもありません。

24問:独立門の前に立ちたかったのは、実はハングルと漢字で書いた「独立門」の文字ではなく、その両側の「太極旗」のことを連想させたかったからなんですね。ということで、

    答は1)国の独立を願っていたから、です。

歌樽先生:そうですね。分かる人には分かり、そうでない人には分からないままでも時が来れば分かる人が出てくるというのが素月のスタンスだったようですから、このあたりまで連想が及べば素月としては十分だったのかも知れませんね。

詩子アナ:いえ、先生、この先があるんです。

歌樽先生:この先というと?

詩子アナ:太極旗の旗の色です。沙織さんが送ってくれた写真が一枚逆になっていましたが、凧も舞い上がるまでに何度か上下が逆になりますよね。「紙鳶(지연)」が逆さまになると「연지」つまり「臙脂(えんじ)」になるんです。「えんじ色」というのは赤系統の色ですから、太極の「赤」がここに隠されています。

歌樽先生:なるほど、それで青は?

詩子アナ:これも青とは少し違うのですが、「흰 눈의 잎사귀(白雪の木の葉)」の葉っぱが青系統の色で、「白雪」が地の色の白になっています。

歌樽先生:「太極旗」に近づいては遠のき、遠のいては近づいているような感じを受けますが。

詩子アナ:私もそんな気がします。でも、このあたりの近づいたり遠のいたりする距離感が素月の絶妙なところだと納得しました。

歌樽先生:私も「心打つ言葉は時代を越えて語り掛ける」ということを教えられましたね。

詩子アナ:ロバート・ブラウニングの詩が「赤毛のアン」にも、素月にも、「エヴァンゲリオン」にも繋がっているんです。今回は「持つべきものは友」だということを実感しました。で、夕食はもちろん「たこ焼き」ですよね。

歌樽先生:タコかイカかの選択は難しいですね。今「タコ揚げ」といっているのは、昔は「イカのぼり」と言っていましたし、タコはソウルでは「낙지」ですが、平壌では「오징어」です。イカはソウルでは「오징어」で、平壌では「낙지」と言っています。

詩子アナ:タコとイカが逆になっていますね。

歌樽先生:ですから、「낙지볶음:たこ炒め」か「오징어볶음:イカ炒め」にしましょう。食べながら「紙鳶」の訳詩を考えてみましょう。

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