ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第16回
歌樽先生:素月の「燕」という詩とテオドル・オオバネルの「故國」という詩を以前比べたことがありましたね。
詩子アナ:はい、確かに比べてみました。思い出しました。
歌樽先生:「神、そらに知ろしめす。すべて世は事も無し。」は「故國」という詩と同じ上田敏の訳詩集の『海潮音』に出ている「春の朝」と題された詩の最後の部分なんです。
詩子アナ:詩人ですから、この明治時代に出た『海潮音』の詩はすべて読んでいるでしょうね。
歌樽先生:そうですね、何度も何度も声に出して暗唱するくらい読んだでしょうね。
あっ! また、チリンと音がしていますよ。
詩子アナ:こんどは沙織さんからの返事です。『海潮音』や素月とはあまり関係がないでしょうが、こんな画像が送られてきました。今、『新世紀エヴァンゲリオン』を読み終えたそうです。
歌樽先生:これにも葉っぱがありますね、赤い葉っぱが。一つは上下が逆のようですね。
詩子アナ:「エヴァンゲリオン」に出てくる「ネルフ」という国連の特務機関の二種類のロゴです。テレビのアニメでもやっていましたが。
歌樽先生:漫画もテレビもあまり見ませんから、分かりませんが、英文が書かれていますね。
詩子アナ:小さくて見づらいですね。少し大きくしてみます。
GOD’S IN HIS HEAVEN. ALL’S RIGHT WITH THE WORLD.
歌樽先生:これは偶然ですね。なるほど。
詩子アナ:何が偶然で、なるほどなんですか。
歌樽先生:ロバート・ブラウニングの詩です。この英文を訳してみると分かりますよ。
詩子アナ:直訳すると、「神は彼の天国にいる。すべては世界と共に正しい。」、つまり『赤毛のアン』の「神は天にあり、世はすべてよし」ですか!
歌樽先生:そうですね。この英語の原文と上田敏の訳文を見ておきましょう。
The year’s at the spring 時は春、
And day’s at the morn; 日は朝(あした)、
Morning’s at seven; 朝(あした)は七時、
The hill‐side’s dew‐pearled; 片岡(かたをか)に露みちて、
The lark’s on the wing; 揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
The snail’s on the thorn; 蝸牛(かたつむり)枝に這(は)ひ、
God’s in his heaven ― 神、そらに知ろしめす。
All’s right with the world! すべて世は事も無し。
詩子アナ:これが「春の朝」という詩ですか。
歌樽先生:「春の朝」という題は原文にはありません。『Pippa Passes』という劇詩の中の詩です。
Pippa’s Song by Robert Browning (Memorization Song) – YouTube
第22問:上の詩で朝の時間が7時となっているのはなぜでしょうか。
1) 毎朝早く起きていたから 2) 朝の7時が穏やかな時間だから
3)雲雀の活動する時間だから 4)「そら(heaven)」に韻を合わせるため



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