ハングルの詩・時代と文化
兼若博士が金素月(1902-34)の詩と時代・背景を楽しく案内します

▼ページ目次(スマホは=をクリック)
about
Category: Uncategorized
-
サイバー中継: ハングルの詩のある風景 金素月「つつじの花」第4回 詩子アナ:ソウルが新潟あたりと聞いていますから、寧邊はソウルより北ですよね。 歌樽先生:つつじの花は「かおりも」いいですね。 詩子アナ:つつじの蜜を子供の頃吸いました。匂いはよく分かりませんが。これ、ヒントですか? 歌樽先生:ヒントですよ。 詩子アナ:「かおり」がヒントですか。 歌樽先生:「かおり」ではなく「かおりも」がヒントです。 詩子アナ:「かおりも」ですか。なーるほど、強烈なヒントですね、やっと調子が出てきました。逆から読めばいいのであーる。「かおりも→もりおか」なので、 第6問:答えは、2)盛岡市 です。 素月は詩の中で寧邊以外の地名が出てくるのですか。 歌樽先生:『つつじの花』という詩集では、10ほどの詩に地名が使われていますね。仁川、平壌、定州、ソウル、南原などが出てきます。 ここでタイトルの「つつじ」関連のことについて少し考えてみましょう。 第7問:「つつじ」と最も関連の深い鳥は何でしょうか。 1)ふくろう 2)つばめ 3)おしどり 4)ほととぎす 詩子アナ:「松に鶴」「梅に鶯」のように考えればいいのでしょうか? 歌樽先生:それは花札ですね。花札には「ふくろう」と「おしどり」は出てきませんが、「つばめ」と「ほととぎす」は出てきますね。 詩子アナ:ネタバレですね。このあいだ京都で小野道風ゆかりの柳というのを見つけました。 歌樽先生:東寺の入り口を入ってすぐ左にある池ですね。浄瑠璃や歌舞伎で演じられた『小野道風青龍硯』「蛙飛の場」を指しているようですね。ではここで問題を出しましょう。 第8問:日本の花札と韓国の花札では花の月が違うものがあります。それは次のどれでしょう。 1)2月と3月が逆 2)4月と5月が逆 3)8月と9月が逆 4)11月と12月が逆 詩子アナ:まだ第7問が終わっていないんですが。 歌樽先生:では、出しついでにもう一問、続けましょう。 第9問:日本の花札と韓国の花札では絵柄が違うものがあります。それは次のどれでしょう。 1)鶴のくちばしの向き 2)鶯の向き 3)雁の数 4)小野道風の履物 詩子アナ:「つつじ」とはあまり関係のない問題のようですが・・・・ 歌樽先生:直接関係のないようなものも知っていて、損はありませんよ。 詩子アナ:損はありませんか。確かにそういわれると反論はしにくいですね・・・・
-
サイバー中継: ハングルの詩のある風景 金素月「つつじの花」第3回 歌樽先生:「馬の鼻向け」というのは、旅に立つ人の安全を祈り、乗っていく馬の鼻を進む方向に向けることを言うのですが、道中の安全祈願を込めて宴会や餞別をしたり、詩歌も送ったようで、これが「餞(はなむけ)」とか「餞別」という言葉として残っているんですね。 詩子アナ:では、「말없이」というのは、別れに当たって「言葉なく」つまり「ぐだぐだ言わず、静かに、そっと」という意味の他に「餞別なしに」といった意味を掛けている訳ですか? 歌樽先生:そうではないでしょうが、「馬の鼻向け」という言葉を知っていれば、「말없이」の「말」から「別れ」を連想することはできるかもしれませんね。 では、第2連の部分を確認しておきましょう。 詩子アナ:はい。第2連をみてみます。粗訳をつけてみます。 寧邊(녕변)에 薬山(약산) 寧邊に薬山 진달래꽃 つつじ花 아름따다 가실 길에 뿌리우리다 いっぱいお道に撒きましょう 歌樽先生:寧邊(녕변)の近くに薬山東台というつつじの名所があります。 第5問:日本で古くから歌に詠われた名所は何といわれるでしょうか。 1)枕詞 2)序詞 3)歌枕 4)掛詞 詩子アナ:百人一首で山とか川とかがあったようですが、分かりました。1)、2)、4)は習った覚えがありますので・・・ 第5問:答えは3)歌枕、です。 薬山は歌で詠まれていたのですか。 歌樽先生:「寧邊歌」という歌がありますね。 http://music.bugs.co.kr/newPlayer?trackId=185715&autoplay=true 노자 에 노자 노자 아하 아하 젊어서 노잔다 (遊ぼや、さ、遊ぼや、遊ぼや、そやそや、若いうっちや遊ぼや) 나이 많아 병이나 들며는 못 노리로다 (老いて病気にでもなりゃ遊べん遊べん) 영변에 약산에 동대로다 아하 아하…
-
サイバー中継: ハングルの詩のある風景 金素月「つつじの花」第2回 詩子アナ:「こい」という音から「恋、故意、請い、来い」などを思い浮かべましたが、そういうことではなかったんですね。 歌樽先生:素月は日本語でも詩を書いていますし、英語やフランス語もできたようですから、いろんな言語で考えることはマイナスではないと思いますよ。 まず、第1連の部分を確認しておきましょう。 詩子アナ:はい。第1連をみてみます。 나 보기가 역겨워 가실 때에는 말없이 고이 보내 드리우리다 歌樽先生:粗訳[あらやく]をつけてみましょう。 詩子アナ:直訳型でまずやってみます。 私に会うのがお嫌になり 去ってお行きになる時は 黙ってそっとお送りましょう 歌樽先生:これで意味が分かりますね。 詩子アナ:やや無理がありますが、7・5調にしてみました。では、意訳型でやってみます。 会うもお嫌の 別れなら 黙ってそっとお見送り 歌樽先生:原詩は7-5-5-7で、訳は7-5-7-5ですから、全体では原詩の文字数に合わせていますね。「가실」の意味を考えてみましょう。 第2問:2行目の 가실 は 가시다 (お行きになる)+ㄹ ですが、仮りに 가실 を名詞と見た場合に生じる意味のうち、一つだけ違うものがあります。それはどれでしょうか。 1)夫 2)妻 3)家庭 4)家族 詩子アナ:これは難題ですね。第1問の流れからすると、「妻」がポイントのようですから、答えは夫か妻かになるようですね。 歌樽先生:ということは? 詩子アナ: 가실「家室」で「家内」といった意味のようですから、分かりました。 第2問:一つ違うものは1)夫、です。 歌樽先生:なかなかいい調子ですね。가실「佳実」で「味も質もよい果物」という意味もあります。 第3問:3行目の 말없이 の 말 にもいろんな意味がありますが、次のうち一つだけ違うものがあります。それはどれでしょうか。 1)馬 2)言葉 3)将棋の駒 4)餞(はなむけ) 詩子アナ:1)~3)は知っていますから、、、 第3問:答えは4)餞、です。 歌樽先生:そうですね、말 には餞という意味はありませんね。 第4問:本来、「餞(はなむけ)」の「はな」とは何のことでしょうか。 1)鼻 2)花 3)端 4)華 詩子アナ:「つつじの花」という題ですから、ここは「花」との関連以外は答がないような問題のように思えるのですが、そこが落とし穴かもしれないという気もしますが。「はなむけ」の「むけ」は「向け」でしょうから、これに合ったものを探す必要があるようですね。 詩子アナ:ヒントを少しいただければ、、、 歌樽先生:ヒントですか、第4問の選択肢と関係があります。 詩子アナ:ああ、思い出しました。 第4問:答えは1)鼻、です。…
-
サイバー中継: ハングルの詩のある風景 金素月「つつじの花」第1回 ナレーター:詩には風景があります。それぞれの詩にどんな風景があるのか想像してみると、その詩の姿がはっきりと浮かび上がってまいります。今回のハングルの詩はどんな風景のどんな詩なのでしょうか。 独断と偏見でお馴染みの歌樽先生が、詩のある風景の現場にすでに到着なさっているようです。では、現地の詩子[うたこ]アナウンサーを呼んでみましょう。詩子アナ、現地の模様はいかがでしょうか。 http://bucheon.tistory.com/1657 詩子アナ:はい、こちら詩子です。現地には連翹[レンギョウ]とツツジが満開です。家族連れも多いですね。歌樽先生に伺ってみましょう。今回の詩のキーとなるハングルは、ずばり何でしょうか。 歌樽先生:ずばーり、、、難しいですね。 詩子アナ:その難しいところを何とか「ずばーり」お願いします。 歌樽先生:「사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서. 」でしょうかね。 詩子アナ:ずばーり、사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.、いただきました! さて、今回の詩のキーハングル「사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.(直訳)軽く踏みしめお行きください」の入った詩とは、どんな詩でしょうか。まず詩の朗読を聴いてみましょう。 https://www.youtube.com/watch?v=YQ6iOpHrtJE 詩子アナ:金素月の詩「진달래꽃:つつじの花」ですね。男性の朗読も聴いてみたいのですが。 歌樽先生:はい、では男の子が暗唱しているのを聴いてみましょう。 https://www.youtube.com/watch?v=K1N9N1stn1w 詩子アナ:歌はないのですか。 歌樽先生:歌もありますよ。 https://www.youtube.com/watch?v=UX6n_kQP8M8 https://www.youtube.com/watch?v=Xp4HMz5ulZU 詩子アナ:なかなかすばらしい歌ですね。 歌樽先生:韓国人が最も好きな詩の1つですからね。 http://blog.daum.net/skynaerin/6048296 詩子アナ:金素月の詩には、何度も作品を手直ししているものがあると聞いていますが、この「つつじの花」も何度か手を入れているのですか。 歌樽先生:今回はなかなか鋭い突込みから入ってきましたね。ずいぶん進歩しましたね。 詩子アナ:褒められると、先が思いやられます。お手柔らかにお願いします。 歌樽先生:実は、先ほどの「사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.」ですが、1922年の『開闢』25号(pp.146-147)には「고히나 즈려밟고 가시옵소서.」となっているんです。「사뿐히 즈려 밟고 가시옵소서.」のほうは1925年の『진달래꽃』初版本のものです。 詩子アナ:고히나 ですか。 歌樽先生:「고히」に関心があるようですね。「고히나」だけではなく、他にも「말없이 고이 보내 드리우리다. (直訳)黙ってそっとお送りいたしましょう」の「고이」が『開闢』25号では「고히고히」となっています。 詩子アナ:これは「恋」でしょうかね。 歌樽先生:さすが、目の付け所が違いますね。 詩子アナ:ヤッター!幸先よし!! 歌樽先生:ではここで、問題をだしましょう。…
-
長らくお待たせいたしました。ハングルの詩のある風景「ツツジの花」の連載を3月1日(木)より開始します。毎週木曜日に掲載します。 「詩子アナ、現地の模様はいかがでしょうか」というナレーションで始まるハングルの詩のある風景。歌樽先生と詩子アナのやり取りを聞きながら、しだいにハングルの詩の世界に引き込まれていきます。 シリーズ[1]は 엄마야 누나야 オンマヤ・ヌナヤ、[2]は 산유화 山有花、[3]は 제비 つばめ、[4]は 초혼 招魂です。 엄마야 누나야 オンマヤヌナヤ 全25回 산유화 山有花 全18回 제비 つばめ 全15回 초혼 招魂 全22回
-
ページタイトルとヘッダー画像*を変更しました。上の 메뉴 をクリックすると、サイトの目次が表示されます。 *a white tiger at the Moscow Zoo, Moscow, Russia (c)andamanec/Shutterstock
-
今夜の例会は大勢で賑わっています(2017年)。
-
1月25日は兼若先生の誕生日、元ゼミ生が先生の誕生祝いに集まりました(2017年)。 선생님 생일 축하드리겠습니다!
-
紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第22回 詩子アナ:では、第5連を読んでみます。 선 채로 이 자리에 돌이 되어도 부르다가 내가 죽을 이름이여! 사랑하던 그 사람이여! 사랑하던 그 사람이여! 歌樽先生:この詩では「망부석(望夫石))」が思い出されますね。 詩子アナ:「망부석(望夫石)」ですか。確か、済州島に行ったときに聞いたような気がします。夫を待っているうちに石になったという伝説のようでしたが。 망부석 http://blog.daum.net/01088299945/8608839 歌樽先生:「망부석(望夫石)」の説話はいくつかあるようですね。 第43問:では、5連を粗訳してみましょう。 詩子アナ:はい、やってみます。 第43問:初めは気軽にやります。 선 채로 이 자리에 돌이 되어도 立ったままこの場で石になろうとも 부르다가 내가 죽을 이름이여! 果てるまで我叫ぶ名よ! 사랑하던 그 사람이여! 愛していたあの人よ! 사랑하던 그 사람이여! 愛していたあの人よ! 歌樽先生:やや、直訳的で、説明的ですね。ほかの訳も考えてみましたか。 詩子アナ:こちらも勝手に作ってしまいましたが・・・ 立ちしまま石となるとも 我果てるまで叫ぶ名よ! 愛し愛しや君恋し! 愛し愛しやなほ恋し! 歌樽先生:なかなか、工夫しましたね。 詩子アナ:ヤッター! 歌樽先生:工夫がいいかどうかは別にして、リズムをかなり考えられようになりましたね。…
-
紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第21回 歌樽先生:では、詩の本文の方に移りましょう。 第42問:「하늘과 땅 사이가 너무 넓구나」とあります。天と地の間があまりに広いと感じた理由は何でしょうか。 詩子アナ:もともと天と地の間は広いというか、広すぎるように思うのですが・・・ 歌樽先生:確かにそうですね。広い方を見れば遥かに遠いのですね。でも、近い方を見るとそれほど遠くない場合もあるんじゃいでしょうかね。 詩子アナ:近い方と言うと? 歌樽先生:キャッチボールをしているときのボールは、地を離れて浮いている訳ですが、これは地と空の間にあると言ってもいいし、高いボールだと空にあると言ってもいいようですね。 詩子アナ:ああ、そういうことなら、シャボン玉なんかもすぐそこにあるようで、でも、空にあるとも言えますね。 歌樽先生:では、ヒントをだしましょう。 第42問続:天と地の間があまりに広いと感じた理由は次の内どれでしょうか。 1)呼ぶ声が本人に届かないから 2)天と地があの世とこの世を暗示するから 3)鹿が悲しく啼いていいるから 4)「天地玄黃、宇宙洪荒」だから 詩子アナ:まず、後ろからですが、4)の「天地玄黃(てんちげんこう)、宇宙洪荒(うちゅうこうこう)」は千字文の一番初めの言葉で、「天は玄(くろ)く地は黄色い。宇宙は果てしなく広い。」という意味ですから、これは感じた理由ではなく、事実をそのまま言っているように思います。3)も鹿が死者を知っているかどうか分かりませんし、鹿が悲しく啼いていることが天と地の広さを感じさせるとは思えません。 歌樽先生:なるほど。鹿の啼き声は死者とのかかわりがなくても、もともと悲しいものですからね。 詩子アナ:1)と2)は同じことを言っているようにも思えるのですが、この2つは別のことを言っているのですか。 歌樽先生:同じような面もあるし、別の面もあるようですね。よく考えてみましょう。 詩子アナ:天があの世で地がこの世だとしても、招魂の儀式ですから、まだ完全にあちらの世界、つまりにあの世に行っているという訳ではないように思うんですが、これは合っていますか。 歌樽先生:合っているとも言えますし、違っているとも言えますね。 詩子アナ:微妙ですね。 歌樽先生:「天と地があの世とこの世を暗示するから」と考えている人も多いようですが、これは一般論で、名前を呼ぶ立場から考えると、天と地があの世とこの世を暗示するしないにかかわらず、名を呼ぶという行為をせざるをえない訳ですから、これは「あまりに広い」と感じさせる理由とは思えませんね。 詩子アナ:ということは、分かりました。答を聞いてしまって申し訳ないのですが・・・ 第42問:1)呼ぶ声が本人に届かないから、です。 歌樽先生:あー、誘導訊問に引っ掛かってしまいましたね。詩ですから、必ずこう考えなくてはいけないというのはないので、自分で別の答を考えたり、問題自体を新たに作るということもできるといいですね。では、4連を粗訳してみましょう。 詩子アナ:では、軽めにやってみます。 설움에 겹도록 부르노라. 悲しみつのり名前呼ぶ。 설움에 겹도록 부르노라. 悲しみつのり名前呼ぶ。 부르는 소리는 비껴 가지만 呼ぶ声届くところなく 하늘과 땅 사이가 너무 넓구나. あまりに離れし天と地よ。 歌樽先生:やや、直訳的ですね。ほかの訳も考えてみましたか。 詩子アナ:こちらも勝手に創作したところがあるのですが、、、 呼べば悲しや、ああ悲し。 呼ばねば悲し、なお悲し。…