ハングルの詩のある風景: 素月と凧揚げ 第12回

詩子アナ:まず、詩を確認してみます。

1行目 오후(午后)의 네 길거리 해가 들었다.   

2行目 시정(市井)의 첫겨울의 적막(寂寞)함이여, 

3行目 우둑히 문어귀에 혼자 섰으면,      

4行目 흰 눈의 잎사귀, 지연(紙鳶)이 뜬다.   

 1行目の「네 길거리」は平面的ですし、2行目の「市井」は街のことですし、建物に焦点を当てたようには見えませんし、3行目の「문어귀」は「門」自体ではなく、その入り口部分のようですし、4行目の「紙鳶」は凧で、これも立体というより、平面的と言えそうですから、立体的なものを探すのは難しいですね。

歌樽先生:そこをもう少し考えてみましょう。

詩子アナ:これ以上、ヒントをいただくのも申し訳ありませんし、もうひと踏ん張りですね。

歌樽先生:何か見えてきましたか。

詩子アナ:ここは「独立独歩」「独立独行」でやらなければ。あっ! 光が見えました!

16問:答は3行目です。「独立門」が浮かびました。

歌樽先生:それはどういう流れですか。

詩子アナ:「문어귀」は「門」、「혼자 섰으면」は「独り立てれば」と読めば、「独立」で「혼자」の前の「문어귀」の「門」と合わせれば、「独立門」になります。

歌樽先生:なるほど、よく見つけましたね。

詩子アナ:「連想」とおっしゃっていたのは、こういうことでしたか。素月が願っていたのは1897年の中国からの独立を記念した「独立門」ではなく、日本の支配からの「独立」ではないのですか。

歌樽先生:日本からの独立を意味することがすぐに分かるようではまずいですね。

詩子アナ:「独立」を願ってはいけないのですか。

歌樽先生:「独立」を願うことは日本の支配に反対することですから、すぐに逮捕されてしまいます。

詩子アナ:そんなに怖かったのですか。

歌樽先生:自由に思うことが言えるようになったのはつい最近のことですからね。

詩子アナ:それで「혼자 섰으면」と表現することで、連想力のある人には「独立したい」という気持ちを語っていることが分かるようにしたんですね。

歌樽先生:連想力がしっかり付いてきましたね。

詩子アナ:こういうのは「言外に匂わせる」ことなんでしょうか。

歌樽先生:言外でも言内でも「匂わせる」という意図が分かってしまえば、もうおしまいですね。

詩子アナ:では、これまで誰も気が付かなかったんですか。

歌樽先生:気が付かなかったでしょうね。

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