ハングルの詩のある風景: 失題の秘密 第12回

詩子アナ:昔の人は千字文で「樹」の後ろが「白」だということがすぐに分かっていたんですか。

歌樽先生:もちろんです。では、こんな問題を。

第19問:「いろは歌」で「あ」の後ろの音は何ですか。

詩子アナ:ちょっとお待ちください。「いろはにほへと・・・あさきゆめみし」ですから。

第19問:「さ」です。

歌樽先生:千字文も同じで、昔の人は子供のころから諳んじていましたから、「鳴鳳在樹」は「울 명,봉황새 봉,있을 재,나무 수」,「白駒食場」は「흰 백,망아지 구,밥 식,마당 장」とすらすらでてきます。ですから、「樹」の後ろは「白」とすぐに分かります。

詩子アナ:昔の人はいろんな勉強をしていたんですね。

歌樽先生:実は、この詩の本文の中にも「白頭」があるんですよ。次の第3連を見ておきましょう。

동무들 보십시오 밤이 옵니다

박쥐가 발부리에 일어납니다

두 눈을 인제 그만 감으십시오

우리도 골짜기로 내려갑시다

詩子アナ:「보」「십」「밤」「옵」「박」「발」「부」「납」など「ㅂ」の文字が目立ちますが。

歌樽先生:確かに「ㅂ」が目立ちますね。1行目と2行目の頭音をつなぐと、どうなりますか。

詩子アナ:「동무」と「박쥐」の頭音をつなぐと「동박」となります。「동박꽃」は「동백꽃:ツバキの花」、「동박나무」は「동백나무:ツバキ」のことですから、「박」を「백 」に変えて3行目の頭音につなげると「백두(白頭)」となります。

歌樽先生:かなり深いところまで来ましたね。

詩子アナ:あの、これも、AでもありBでもあるような形にしておいて、Aではないかと問い詰められた時に、AとBは違いますという類の例のようですが。

歌樽先生:なるほど。仮に「백두(白頭)」とはけしからんと言われた時には「백」ではなく「박」ですといえるようになっていますね。では、次の問題です。

第20問:独立運動で歌われた愛国歌に出てくる海は次の内、どれでしょうか。

1)동해(東海) 2)서해(西海) 3)남해(南海) 4)북해(北海)

詩子アナ:これは間違いなく答えられます。

第20問:1)の 동해(東海)、です동해 물과 백두산이 마르고 닳도록ですから

歌樽先生:これは韓国に行くと聞く機会が多いですね。

第21問:では、この「동해」を「失題」から探しましょう。

詩子アナ:ここまでやってくるとすぐに分かります。

무들 보십시오 가 집니다   

지고 오늘날은 가노랍니다    

第21問:まず、「무들 보십시오」の後ですぐに「가 집니다」 と言って「동」と「해」に注目させてから、第1連の1行目と2行目の頭音を続けて読むと「동무」の「동」、「해 지고」の「해」で、「동해(東海)」となります。

歌樽先生:これで、「愛国歌」の동해 물과 백두산이 마르고 닳도록」の「동해」と「백두산」が揃いましたね。

詩子アナ:でも、揃ったといっても、普通の人は分からないと思うんですが。

歌樽先生:普通の人が分かるようでは、すぐに捕まってしまいます。普通の人にも、普通でない人にも気が付かれないようにする必要がありますからね。

詩子アナ:国を失った悲しみの気持ちをどんな形であっても、残しておきたい、忘れないようにしたいという叫び声が「東海」を「동」と「해」に分けたところから聞こえるようです。

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