サイバー中継: ハングルの詩のある風景
つつじの花 진달래꽃 第13回
詩子アナ:ということは、ということは?
歌樽先生:詩の構造と関連させると?
詩子アナ:ああ、そういうことですか。Aは「가시는」と「발걸음」の間に「길」があるので、「발걸음」とはワンクッション置いてありますが、Bは「가시는」が直接「걸음걸음」に掛かっています。このBの文型であれば、「가시」を「棘(とげ)」と訳しうる条件を作っているように思います。
歌樽先生:なるほど。「가시는 길」では、「お行きになる道」としか理解されないけれど、「가시는 걸음걸음」では「お行きになる一歩一歩」という意味と、「棘は一歩一歩」と言う風に読めるということですか?
詩子アナ:そ、そうです。そういうことを言いたかったんです。
歌樽先生:では、この「棘」はどこにいったのでしょうか。ヒントになるかも知れませんので、
ここで気分をかえて「가시나무새」という歌を聞いてみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=Y3Jyy4GtZQs
詩子アナ:歌っているのは패티김のようですが。
歌樽先生:そうですね。こんな歌詞です。
「離別(이별)」「サランへ(사랑해)」などでも有名ですね。
別の歌手のものも聞いてみましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=yFalDaFMj_E
詩子アナ:歌唱力がすばらしいですね。アリという歌手ですか。「가시나무(茨の木)の새(鳥)」というのはどんな鳥ですか。
歌樽先生:下のサイトにでていますから、チェックしてみればわかりますよ。
http://goodwhmakers.tistory.com/242
詩子アナ:はい。オーストラリアの作家のコリーン・マッカラの小説「The Thorn Birds」、1977年の作品に出てくる伝説の鳥で、生まれて一度だけ歌を歌う時に、棘の木を探し、最も鋭い棘を体に刺し、地上で最も美しい声で歌いながら死んでいくという話のようですね。さっきのアリの歌の最後は歌いながら死んでいく鳥の様子だったんですね、ジーンと来ました。
生まれは1937年ということは金素月が亡くなった3年後に生まれた方なんですね。
歌樽先生:すこし、気分転換になりましたか。では、本題に戻りましょう。
第26問:「가시는」「사뿐이」の意味の二重性をヒントに、「見送る人」の本心と「去る人」への心情を説明してみましょう。
詩子アナ:「見送る人」の本心と「去る人」への心情は同じことではないんですか?