초혼 招魂 20

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第20回

歌樽先生:なにをそんなに慌てているのですか。

詩子アナ:さっき、頭音と脚音の母音の整理をしましたが、表記が変わるとこちらもまた変わるのではないかと思いまして。

歌樽先生:頭音と脚音の場合は大丈夫ですよ。

詩子アナ:頭音と脚音は大丈夫だと聞いて安心しました。

歌樽先生:安心したところで、次に行きましょう。

40問:では、頭音と脚音の子音を整理しておきましょう。

詩子アナ:子音は五行に分けるので、さっきの母音と同じようにやってみます。

五行 五音   対応子音
① 木:牙音    /
② 火:舌音   ///
③ 土:喉音    /
④ 金:歯音   //
水:脣音   //

第1連 第2連 第3連 第4連 第5連

 

第1連 第2連 第3連 第4連 第5連
頭音: 3種2同 2種3同 3種2同 3種2同 2種3同
金1土1水2 金3木1 水1金1火2 金2水1土1 金3水1
脚音: 1種4同 2種2同 2種3同 2種3同 2種3同
土4 火2土2 火3金1 火3水1 火1土3

40問:以上、整理すると、頭音は2種3同が2つ、3種2同が3つ、脚音は1種4同が1つ、
2種3同が3つ、2種2同が1つです。頭音と脚音合わせて10の内、2種3同が
5つでこちらも半分を占めています。

歌樽先生:では、もう1つ、やっておきましょう。

41問:1連から5連の初めの音と終わりの音にも注目して整理しましょう。

詩子アナ:はい。1連は初めの音が「산」で「金」、終わりの音は「여」で「土」です。

各連の初めの音を初音、終わりの音を終音として整理してみます。

初終音    第1連   第2連   第3連   第4連   第5連
初音  산:金   심:金   불:水   서:金   선:金
終音  여:土   여:土   라:火   나:火   여:土

41問:初声は5つの内、「金4、水1」、終音は5つの内、「土3、火2」です。

歌樽先生:それで、なにか分かりましたか。

詩子アナ:仮にですが、4連までとすれば、初音は2種3同、終音は2種2同、また第4連を5連と入れ替えてみると、初音は1種4同、終音は2種3同となります。

歌樽先生:ということは?

詩子アナ:つまり・・・、詰まってしまいました。ええと・・・

歌樽先生:ここで詰まっては、つまりませんね。

詩子アナ:つまり、頭音も脚音もそうですが、より大きくみると初音も終音も韻というものを考えて、詩作をしていたということになります。あー、疲れた!

歌樽先生:おおきいスケールでみられるようになりましたね。お疲れさまでした。

초혼 招魂 19

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第19回

詩子アナ:では、第4連を読んでみます。

설움에 겹도록 부르노라.
설움에 겹도록 부르노라.
부르는 소리는 비껴 가지만
하늘과 땅 사이가 너무 넓구나.

歌樽先生:では、これを粗訳してみましょう。

詩子アナ:えっ!すぐに訳すのですか。急に訳せといわれても・・・

歌樽先生:では、いくつか見ていきましょう。

37問:설움에 겹도록 부르노라」とはどんな気持ちを詠ったものでしょうか。

1)名前を呼びたくなる気持ち   2)いやいや名前を呼ぶ気持ち
3)名前を呼ぶしかない気持ち   4)懐かしく名前を呼ぶ気持ち

詩子アナ:悲しみが込み上げて名を呼ぶわけでしょうから・・・

37問:正解は、3)名前を呼ぶしかない気持ち、です。

歌樽先生:皐復(고복)儀式では死者の名前を呼ぶのですが、そうするしかない儀式でもありますね。

38問:부르는 소리는 비껴 가지만」と違う内容は次の内どれでしょうか。

1)산산이 부서진 이름이여!     2)허공중에 헤어진 이름이여!

3)불러도 주인 없는 이름이여!  4)부르다가 내가 죽을 이름이여!

詩子アナ:これは死者の名を呼んでも、スーっと通り過ぎて答えてくれないことを言っているので・・・つまり、本人に声が届かない訳ですから・・・

38問:正解4)부르다가 내가 죽을 이름이여!、です

歌樽先生:問題が易しすぎたようですね。

39問:では、ここで、頭音と脚音の母音から整理しておきましょう。

詩子アナ:はい。では頭音と脚音を確認して整理してみます。

(陽母音:아/오   中性母音:이   陰母音:その他)

第1連 第2連 第3連 第4連 第5連
第1連 第2連 第3連 第4連 第5連
頭音: 2種3同 3種2同 2種2同 2種3同 2種2同
脚音: 1種4同 2種3同 2種3同 1種4同 2種3同

39問:以上、整理すると、頭音は2種3同が2つ、2種2同が2つ、3種2同が1つ、脚音は

1種4同が2つ、2種3同が3つです。頭脚音10の内、2種3同が5つで半分です。

2種3同とか一種4同といっても、母音の場合は陽母音、陰母音、中性母音の3種ですから、子音を5つに分ける五行の場合と全く同じように見る訳にはいかないかも知れませんが、金素月の特徴は出ているように思いました。(2種3同:「山有花7回」参照)

歌樽先生:そうですね。特に「이름이여!」「사람이여!」などの同音の反復技法が際立っていますね。

詩子アナ:この詩では「산산이」「사람」「사랑」など「ㅅ(シオット)」の音も目に付きますが。

歌樽先生:それらは後でまた調べてみることにしましょう。

詩子アナ:脚音20の内、「여」が9回使われていますが、これがこの詩の強烈なイメージを作り出しているように思うのですが。

歌樽先生:そう言っていいでしょうね。ただ、原本では「이름이어!」「사람이어!」となっていて、実は「여」とは書かれていないんです。でも、読むときは[이르미여][사라미여]と読むので、今はどの本にも「이름이여!」「사람이여!」と表記されているのです。

詩子アナ:原本と現在の表記と違うところは他にもあるのですか。

歌樽先生:ずいぶんありますね。分かち書きも入れると、全ての行で今の表記法とは違った書き方になっています。

詩子アナ:えっ、大変だー!

초혼 招魂 18

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第18回 

歌樽先生:今度は、俳句でなにか探してみることにしましょう。

36問:正岡子規の句で鹿の入った面白い句を探しましょう。

詩子アナ:俳句といえば、正岡子規ですからね、探してみます。ええと、100句を遥かに超えています。この中から面白い句を探すのですか。これは大変だ!

36問:鹿老て猿の声にも似たる哉(明治25年)
わりなしや妻追ひまはす昼の鹿(明治28年)
鹿聞きに来て鹿笛をあはれがる(明治30年)

http://www.webmtabi.jp/200911/shiki_kigo/fa_ani_shika.html

歌樽先生:なかなか面白いものを探しましたね。

詩子アナ:もっと面白い句があるようですね。

歌樽先生:面白いかどうかは人によって違いますから、なんとも言えませんね。

詩子アナ:いえいえ、それはともかく、面白い句を教えてください。

歌樽先生渋柿は馬鹿の薬になるまいか

http://www.webmtabi.jp/200911/shiki_kigo/fa_sho_kaki.html

詩子アナ:面白いですね。でも、私に言われている気がしますが。

歌樽先生:この句を見ると誰もがそう思うかもしれませんね。

詩子アナ:この句は鹿の句の中にはありませんでしたよ。

歌樽先生:では、渋柿を食べてみますか。

詩子アナ:あっ!やられてしまった!!

歌樽先生:子規は柿がとても好きだったようですね。

詩子アナ:さっきの「사슴」には柿についての詩はないのですか。

歌樽先生:ありますよ。ちょっと見ておきましょう。3行詩です。

青柿(p41)
별많은밤            星の多い夜
하누바람이불어서        西風が吹いて
프른감이떨어진다 개가 즞는다  青柿が落ちる 犬が吠える

詩子アナ:さっきも思ったのですが、書き方が今とはずいぶん違うようですね。

歌樽先生:そうですね。書き方だけでなく、方言が使われていますから、言葉も少し違いますね。

詩子アナ:どんな言葉が方言ですか?

歌樽先生:「하누바람」とありますが、「하늬바람」が正しい綴り字とされています。北の地方では「西北風」あるいは「北風」をいうようですが、韓国国語院では「西風」をとっています。

詩子アナ:詩に「青柿」とあるので、「北風」の冬を避けて、「西風」としてあるわけですね。

歌樽先生:なかなか鋭いところを見ていますね。

詩子アナ: いえいえ、それほどではありません。冬ならもう青柿はない訳ですから。

歌樽先生:もう詩人の境地のようですね。

詩子アナ:ああー、これは大変なことになりました。ええと、「西風や青柿落ちて犬吠える」では因果関係の説明になってしまいますし・・・

歌樽先生:「因果関係」ですか、この詩は「犬が関係」していますね。一字違いですが。

詩子アナ:おおー。「오비이락(烏飛梨落)」じゃなくて、「西風柿落」・・・、「星多き夜に西風が青柿を落としてゆくを犬吠えにけり」、叙述に終わっていますね。「星多き夜に青柿を落としたる西風責めて子犬吠えたり」、ああ、3行詩を一行で言うのは難しいですね。

歌樽先生:芭蕉十哲の一人の向井去来の「落柿舎」には「柿落花注意 柿主」という木の札が柿の木に掛けれているようですね。さあ、もう一息です。

http://morgen100.kt.fc2.com/03rakushisya/03rakushisya.htm

詩子アナ:もう一息といわれても、出来ることと出来ないことがありますから・・・・

柿落ちぬ星夜の風に子犬吠ゆ

歌樽先生:俳人ですね。こういう練習をすると詩の核になる部分に近づけますね。

詩子アナ:今日は、歌人、詩人、俳人の一人3役の大変な日なのであーる。

歌樽先生:いろいろとやってみることが大切ですからね。では、次に進みましょう。

초혼 招魂 17

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 招魂 第17回

詩子アナ:百人一首でもいいですか。

歌樽先生:もちろん構いませんよ。

詩子アナ:確か、こんな歌だったと思います。

35問:奥山紅葉踏みわけ鹿の きく時ぞ秋は悲しき

歌樽先生:猿丸太夫の歌ですね。

詩子アナ:『古今集』秋上・215とあります。
http://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/005.html
http://komonjyonavi.web.fc2.com/hyakunin/005.html
http://www.ogurasansou.co.jp/site/hyakunin/083.html

歌樽先生:他にはありませんか。

詩子アナ:少々お待ちください。ありました。83番の歌です。

世の中よ道こそなけれ思ひ入る 山のにも鹿ぞ鳴くなる

どちらも鹿の悲しい鳴き声が詠われているんですね。
韓国では鹿の語の入った短い詩はないんですか。

歌樽先生:短い詩といえば「시조:時調」という形式があります。

詩子アナ:「詩調」ではなく「時調」なんですね。

歌樽先生:最近はあまり作られなくなったようですが、「時調」については
別の機会に譲ることにして、1936年に『시슴:鹿』という詩集を出した「백석:白石」の詩を見てみましょう。2行詩です。金素月と同じ学校を出ています。

노루(p52)(ノロ) 『사슴』백석 1936.1.20 (鮮光印刷株式会社)

곬에서는 집터를츠고 달궤를닦고 

山峡(やまかい)では敷地にと土を掘っては地固めし、

보름달아레서 노루고기를먹었다   

満月の下でノロの肉を食べた

詩子アナ:「ノロ」というのは鹿なんですか。

歌樽先生:「ノロジカ」といわれているようですね。鹿よりも小さくて山ではよく見かけます。夕方里に下りてくることも多いので、このノロは捕まったようですね。

詩子アナ:この詩を短歌にしてみたいのですが、いいでしょうか?

歌樽先生:どんな風の吹き回しか分かりませんが、大歓迎です。

詩子アナ:歓迎していただけるとは思っていませんでした。では、一首。

山里に家を建てんと地を均し 捕らえしノロを月に供えぬ

歌樽先生:歌人ですね。

詩子アナ:ヤッター!!