초혼 招魂 11

紙上中継[LIVE]:ハングルの詩のある風景「招魂」第11回

歌樽先生:直観ではなく、直感のようですね。

詩子アナ:皐復(고복)儀式で、姓名を呼びますが、姓は分かっているのでこれを省略して、下の2文字の名前だけ呼んでもいいんじゃないかと思うのですが。

歌樽先生:名前も重要ですが、姓はもっと重要です。同じ本貫同士はつい最近まで結婚できませんでしたし。

詩子アナ:えっ!結婚できないんですか。

歌樽先生:「同姓不婚」という言葉があって、特に「同姓同本」、つまり同じ姓で同じ本貫の場合は長らく法律で婚姻が禁じられていました。

詩子アナ:法律で禁止ですか。わー、これは大変だー。びっくりポンですね。同じ姓で同じ「本貫(본관)」の人同士が好きになることはないんですか。

歌樽先生:それはありますよ。そうなれば問題は深刻ですね。

詩子アナ:一番数の多い金海金氏同士が知り合う確立は高いでしょうし。

歌樽先生:結婚しても出生届けがだせないままで、子供が大きくなって小学校への入学案内が届かなかったという例もありますよ。こうなるともう大変なんです。罰金も科せられますし。
では、3行目と4行目に移りましょう。

詩子アナ:はい、読んでみます。
3行目:불러도 주인 없는 이름이여!
4行目:부르다가 내가 죽을 이름이여!

歌樽先生:よく読めました。
第23問:3行目を直訳してみましょう。

詩子アナ:直訳でいいんですか。では、直訳で、失礼します。
第23問:呼んでも主人なき名前よ!

歌樽先生:これはどういうことを言っていますか。

詩子アナ:死者には名前はあるのですが、名前の方から見ると生きている者としての名前はなくなっていて、名を呼んでも答えてくれる者がいないことをいっています。

歌樽先生:では、4行目を見てみましょう。

第24問:「부르다가 내가 죽을 이름이여!」の直訳として最も適当なものはどれでしょうか。
1)呼べば私が死ぬ名前よ! 2)呼んでからわたしが死ぬ名前よ!
3)死ぬまで私が呼ぶ名前よ! 4)呼べば私も死ぬであろう名前よ!

詩子アナ:直訳ですから、文の意味の訳でいいんですよね。

歌樽先生:はい、詩訳のほうは直訳をまずしたあとでゆっくり考えることにしましょう。

詩子アナ:1)の「呼べば私が死ぬ名前よ!」であれば、皐復(고복)儀式は名前を呼ぶ訳ですから、死者の名を呼べば私が死ぬのでは、皐復儀式ができなくなるように思います。2)は死者の名を呼んだ後で自分が死ぬことになるか、死を選ぶようなニュアンスが感じられます。4)は「であろう」が推量になっていますが、1)とよく似ています。1)、2)、4)は皐復(고복)儀式との関連がよく理解できませんが。

歌樽先生:なるほど、それで?

詩子アナ:「부르다가」の「-다가」はどういう意味なんですか。

歌樽先生:「-다가」の基本は「途中で」という意味ですね。途中ということは「終わりまで行かないうちに」、「終わりまでしないうちに」「十分できないうちに」という意味にもなります。

詩子アナ:分かりました。
第24問:正解は、3)死ぬまで私が呼ぶ名前よ!、です。

歌樽先生:消去法ですか?

詩子アナ:いえ、今回は非消去法です。「-다가」が「十分できないうちに」という意味ですから、死者の名を呼んでも呼んでもまだ呼び足りなくて、呼んで、呼んで、また呼んでということを繰り返している間に、つまり呼んでいる途中で自分が果ててしまうという風に考えれば3)の「死ぬまで私が呼ぶ名前よ!」が最もよく分かります。

歌樽先生:進化しましたね。

詩子アナ:ヤッター!詩子、大進化!という見出しでも書きたいくらいです。

歌樽先生:どこに書くのですか?

詩子アナ:将来有名になったときのために、日記に書いておきます。

歌樽先生:野心家ですね。

초혼 招魂 10

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景 : 招魂 第10回

詩子アナ:「산산이 부서진 이름이여! (粉々に砕けた名前よ!)」というのは名前の3文字がバラバラになることを言っているんですか。

歌樽先生:そうですね。ゆっくり名を呼ぶので、3文字の名前の人であれば、姓、行列字、固有の名の三つが離れ離れになりますね。
詩子アナ:三つが離れ離れであれば、三つにしか分かれていない訳ですから、これで「산산이 부서진 ~(粉々に砕けた~)」と言っていいんですか?

歌樽先生:なるほど、するどい指摘ですね。

詩子アナ:ヤッター!するどいという言葉を久しぶりにいただきました!

歌樽先生:初めは三つに分かれていますが、こちらの世界に帰ってくることが出来なくなると、存在自体がこの世にはなくなる訳ですから、3つに別れたはずの3文字の名の一つ一つが、もう本来の役割を果たさなくなっているために、さらに粉々になって壊れてしまうことになるのです。それはこの世との関係が崩れてしまっていることでもあります。

詩子アナ:名前が砕けるというのは、人と人との関係、この世との関係がなくなったことを示しているんですね、なるほど。

歌樽先生:その名前を呼んだ次はどうするんでしたか。

詩子アナ:以前、第7問でやりました。名前を3度呼んだあと、「복 복 복」と「복(復)」を3度言います。

歌樽先生:第5問で見ましたが、北を向いて言いますね。この儀式は亡くなった人の着ていた服を手にもって行われます。
http://dacheon.net/mounrning2.htm

詩子アナ:この「복(復)」というのが「招魂」、つまり「魂よ、帰って来い」という意味なんですね。

歌樽先生:その通りです。こちらの世界に戻って来られないことが。2行目に書かれています。

詩子アナ:2行目は「허공중에 헤어진 이름이여!」です。

歌樽先生:まず、この「허공(虚空)」についてみておきましょう。

第21問:「허공(虚空)」とはどんな意味でしょうか。
1)虚な空間 2)あの世 3)この世 4)あの世とこの世の間

詩子アナ:辞書には「何もない空間、何でも包容する空間」のことのようですが。

歌樽先生:現実世界と対峙する空間と考えていいでしょう。

詩子アナ:あの世とも少し違うようですので、、、

第21問:正解は、4)あの世とこの世の間、です。

歌樽先生:そうですね、あの世に行ってしまっていれば、もう呼び戻すことはできませんから、あの世までには距離があるようですね。そうかと言って、この世の方に近いかというと決してそういう訳ではありません。こういう状況を受け止める時空を「虚空」と呼んでいるようですね。1行目と2行目を並べてみましょう。

詩子アナ:はい。
산산이 부서진 이름이여!
허공중에 헤어진 이름이여!

歌樽先生:2行目の「헤어진 이름」について考えてみましょう。

第22問:「헤어지다」とはどんな意味で使われていますか
1)別れる 2)皮膚が荒れる 3)情を絶つ 4)バラバラになる

詩子アナ:分かりました。

第22問:正解は、4)バラバラになる、です。

歌樽先生:これはこれは、さすがですね。理由は?

詩子アナ:「虚空に」という言葉が前にありますから。

歌樽先生:それで?

詩子アナ:あの世に行ってしまえば「別れる」という意味で使えるかも知れませんが、まだあの世へ行ってしまった訳ではなく、この世に帰って来いと言ってところなので1)を選択肢からはずしました。2)は詩の内容とは無関係です。また、皐復(고복)儀式中ですから、名前を呼んでいるところなので、情を絶つことはないように思います。

歌樽先生:なるほど、理詰めできましたね。1)もいいように思いますが、、、

詩子アナ:「1行目と2行目を並べてみましょう」とおっしゃったところで、わかりました。一行目と2行目は同じ事を表現していると直感しました。

초혼 招魂 09

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 초혼 招魂 第9回

詩子アナ:はい、やってみます。金素月の場合を復習してみます。

公 州 金 氏         行列字 (五行)    素月の直系

17世・金  基  河 (김기하)   河 (水)    素月の曽祖父

18世.   金  相  疇  (김상주)    相 (木)    素月の祖父

19世・金  性  燾 (김성도)    燾 (火)    素月の父

20世・金  珽  湜 (김정식)   珽 (土)    金素月

21世・金  俊  鎬 (김준호)   鎬 (金)    素月の長男

名前の構成をみると金素月の場合、本名は金珽湜(김정식)で、

金:公州金氏(本貫は公州)
珽:行列字(同じ世代の者、全てが持つべき文字)
珽は玉偏があり、五行は「土」。後に「廷」とする
湜:素月の名としての固有の文字

歌樽先生:これで名前の構成の基本が分かりましたね。

詩子アナ:はい。名前の基本構成は分かりましたが、韓国には姓の数はどの位あるのですか。

歌樽先生:では、2000年の国勢調査を調べてみましょう。

http://kostat.go.kr/portal/korea/kor_nw/2/2/1/index.board?bmode=read&bSeq=&aSeq=46672&pageNo=1&rowNum=10&navCount=10&currPg=&sTarget=title&sTxt=%EB%B3%B8%EA%B4%80

人口規模
1千

未満

1千~

1万

1~5万 5~

10万

10~

20万

20~

30万

30~

40万

40~

50万

50~

100万

100万以上
성씨수 286 112 67 41 12 20 5 5 4 14 6
% 100.0 39.2 23.4 14.3 4.2 7.0 1.7 1.7 1.4 4.9 2.1
본관수 4,179 2,778 1,038 222 59 42 13 8 6 8 5
% 100.0 66.5 24.8 5.3 1.4 1.0 0.3 0.2 0.1 0.2 0.1

19問:韓国の姓の種類は2000年の調査によるとどのくらいあるでしょうか。

詩子アナ:どこの数字を見ればいいのでしょうか、ええと、ありました。

19問:성씨수(姓氏数)286です

歌樽先生:調査のたびに増えているようですね。1985年の調査では275でした。2015年の国政調査の結果はまだ出ていませんが、数は増えるでしょう。

20問:本貫の数はどのくらいでしょうか。

詩子アナ:本貫数、ありました。

20問:본관수(本貫数)、4179です

歌樽先生:本貫数も1985年には3349ですから、かなり増えていますね。

詩子アナ:国勢調査で姓の数や本貫の数、またそれぞれの人口規模を調査対象にしているとは知りませんでした。姓や名前に関する認識が日本とは全く違いますね。

歌樽先生:それが分かったところで、詩の方に戻りましょう。

초혼 招魂 08

紙上中継[LIVE] ハングルの詩のある風景: 초혼 招魂 第8回

詩子アナ:分かりやすくするために、分かるものからチェックしていきます。

歌樽先生:いい方法ですね。

詩子アナ
塾  憲  虎  春  梧
↓    ↓    ↓    ↓    ↓
九  四  七  三  五

歌樽先生:コツを掴んできたようですね。

詩子アナ:ここまでは合っているんですか。

歌樽先生:ここまでは完璧ですよ。

詩子アナ:「雨 天 平 容 奇」の中に一、二、六、八、十があるんですね。

歌樽先生:そうなりますね。

詩子アナ:一は横棒一本なので全部にあるようですし、二は天と平、六は天と容と奇、八は平と容といくつかの可能性があるようなんですが。

歌樽先生:そこを一気に決めてもらえればいいですね。

詩子アナ:一気にですか。

歌樽先生:雨と平はどちらかが一でどちらかが十です。

詩子アナ:ヒントをもらってスッキリしました。

18問:答が出ました。

雨・天・春・憲・梧・奇・虎・容・塾・平
一・二・三・四・五・六・七・八・九・十

歌樽先生:完璧です。このほかに、丙・宗・泰・寧・吾・赫・純・謙・旭・協などの文字も使われています。

詩子アナ:六の赫と七の純と八の謙がよくわかりませんが。

歌樽先生:六の赫(혁:かく)は赤いという字の2・3・4・5画目が六の書き方と同じなので、六に見立てているんです。七の純ですが、屯の中に七に当たる字画があるので、これを七に当たる文字として使っているのです。謙は右の兼の字の上の2画のカタカナのソに似た部分を八のように下を広げて書く書き方があって、そこを八と見立てているのです。このように字画の中にそれとなく入っているものがいくつもあります。そうすることで使える文字バリエーションを増やしているんです。

詩子アナ:名付け法はずいぶん複雑なんですね。驚きました。

歌樽先生:五常を使ったものもありますよ。

詩子アナ:五常とはなんですか。

歌樽先生:儒教で守るべきとされる「仁・義・禮・智・信」です。最近はあまり見かけなくなりましたが、この順に名付ける場合もありました。

詩子アナ:金素月はこういう名付け法によって「김정식(金珽湜)」と名付けられた訳なんですね。

歌樽先生:金素月だけではなくて、現在も純ハングルの名前以外はこうした名付け法によって名前が付けられているんです。最ももとは儒教思想に基づくものなので、男性の場合が多いですが、女性の場合にも行列字を用いている人もいますよ。

詩子アナ:名付けの基本はこれでほぼ尽くされているんですか。

歌樽先生:これにさらに画数や発音などが複雑に関係してくるので、名付けのための専門家があちこちにいます。

詩子アナ:発音というのは音ですよね。

歌樽先生:そうです。五行の音のことです。

詩子アナ:「招魂」で「이름이여!:名前よ!」と呼んでいるのは、単なる名前ではないんですね。

歌樽先生:そういうことですが、これで第3問の「名前が砕ける理由」が分かりましたか。第3問をもう一度見ておきましょう。

3問(再):名前が砕ける理由は何に起因していますか。

1)名前がなくなったため
2)死者の名前の呼び方のため

3)死を象徴的に示すため
4)死者の魂が壊れているため

詩子アナ:第3問は「2)死者の名前の呼び方のため」でしたよね。ああ、名前の構成が名前の呼び方に関わっていて、このために名前が「砕ける」ということですね。やっとこれまでの流れが分かりました。

歌樽先生:流れが分かったところで、素月家の名前の構成をここで整理しておきましょう。