제비 つばめ 09

[紙上中継] ハングルの詩のある風景: 제비 つばめ 第9回

 

詩子アナ:「몸」にあたる漢字ですか。詩に用いられた漢字は「一定」の2文字だけですよ。

歌樽先生:そこのところをしっかり見てみましょう。

詩子アナ:そこのところといわれても、そこがよく分かりませんが。

歌樽先生:金素月は何を習っていましたか。

詩子アナ:それは、いろいろと学んでいたと思いますが。「千字文」を九九を暗唱するように、習ったというのは以前教わりましたが。

歌樽先生:では「千字文」で「一」に当たる文字はどこにありますか。

詩子アナ:「一」ではなくて、「一」に当たる文字ですか。

歌樽先生:昔は「一」は「壹」という字を書いていましたし、「1円札」はこの「壹」でしたよ。

http://matome.naver.jp/odai/2133498493901597301

詩子アナ:お札にね、そうですか。「千字文」を調べてみます。

http://ameblo.jp/n-kujoh/entry-11279861186.html

歌樽先生:そこの部分を書いてみましょう。

詩子アナ:千字文16

<意味>「遐邇壹體、率賓歸王」…かじたいをいつにし、そっぴんおうにきす

遠きも近きも身を一つにして、四海の限り国内の果てまでも、聖王に従う

歌樽先生:何か分かりましたか。

詩子アナ:いえ、なかなかはっきりしません。「広い国土のあちこちから帰属、臣服する人たちが、名君のもとに我も我もと一団となってやってくる。」という説明がありますが。

http://www.seikeikai.net/senji/date_06-28-2009.html

歌樽先生:「壹體」の「壹」は「一」、「體」は「体」ですから、つまり「体」という漢字が「一」と繋がっているんです。

詩子アナ:「一定」の「一」が、「一体」の「体」に繋がるというのは、どういうことですか。

歌樽先生:「一定」と「一体」が一体どうなっているのかを聞きたい訳でしょ。

詩子アナ:ええ、そういうことになるでしょうか。

歌樽先生:ここまでの流れをもう一度たどってみると、一向に分からないということはないと思うのですが。

詩子アナ:「一度」「一向」ですが、まず、「一」ですね。「一」という漢字は覚えるまでもありませんが、「한늘 천」の覚え方だとどうなるのですか。

歌樽先生:いいところに気が付きました。もう大丈夫でしょう。

詩子アナ:えっ?

歌樽先生:「한 일」です。

詩子アナ:「한:一つの일:一」ですか、「한:韓 일:日」と発音が同じですね。

歌樽先生:では「定」は?

詩子アナ:「定:정할 정」。

歌樽先生:では「一定」は?

詩子アナ:「일정」、「日政:일정」とは「日政時代」ですから、日韓併合にことをいっている訳ですか。深いですね。

歌樽先生:「壹體」は?

詩子アナ:「體」はどう覚えるのですか。

歌樽先生:「體:몸 체」です。「遐邇壹體、率賓歸王」も踏まえてのことでしょう。

詩子アナ:なるほど、これで分かりました。「一定」は「日政」、「千字文」によると「壹體」が熟語になっていて、「일체」で「日體」、「體」は「몸」で、これが国構えを示している。

つばめでも帰るところがあるのに、「日韓併合」のため国を失い、帰ることろがないと訴えている歌になっている、といった理解でいいのでしょうか。

そういうことで「一定」だけが漢字で書かれていた訳ですね。何か変だと思うところはありませんかというのは、ここだったんですか。

歌樽先生:では、詩の音の特徴がいくつかあります。ということで、

第13問:この詩の音の特徴を挙げてみましょう。

제비 つばめ 08

[紙上中継] ハングルの詩のある風景: 제비 つばめ 第8回

 

歌樽先生:では、言ってみましょう。

詩子アナ:「식구:食口」の「口」が2つで、「食口」は「家族」だから、家族が集まって「国」と考えましたが、いかがでしょうか。

歌樽先生:かなり自信があるようですね。

詩子アナ:いいえ、「くにくの策」です。

歌樽先生:いい線まで来ました。もう少しです。周囲に影響されず、固くならないで、行けばもう少しでゴールでしょう。

詩子アナ:あと、どのくらいですか。

歌樽先生:どのくらいと言われても、もう何回も同じようなことを言っていますからね。

詩子アナ:何回もですか。もう一つヒントを。

歌樽先生:今までの話が全てヒントになっているはずなのですが。

詩子アナ:分かった!!

第10問:「口」です。

歌樽先生:正解です。この「構え」を日本語でなんといいますか。

詩子アナ:構え?「構え」なんですか。

歌樽先生:構えではなかったのですか。

詩子アナ:「周囲」の「周」と「囲」、「固い」の「固」、「何回」の「回」にはどれも口の字が中に入っていますから、この中の「口」の字と「몸」の「口」の字かと思いましたが。

歌樽先生:外側の「構え」のことです。

詩子アナ:構えは「国がまえ」です。えっ!「国」がここに入っていたのですか。驚きました。

歌樽先生:漢字の部首の「国構え」は「큰입구몸」といいます。

詩子アナ:えっ!!「큰입구몸」つまり「大きい口の構え」なんですか。

歌樽先生:ただ「몸」とだけ言うこともあります。

詩子アナ:「ㅁ」の形だけでも「国構え」なのに、これが2つある文字の意味が「国構え」であればもう何ともいえませんね。金素月のアイディアには呆然とするばかりです。

歌樽先生:国の字のもとの字は分かりますか。

詩子アナ:国構えの中に「或る女」の「或る」の漢字が入る「國」ですか。

歌樽先生:そうそう。それは本字ですが、有島武郎の『或る女』をよく知っていましたね。

詩子アナ:いえいえ、そう誉められても。

歌樽先生:『或る女』の登場人物、誰か思い出せますか。

詩子アナ:女の人ですか、男の人ですか。

歌樽先生:どちらでもいいですが。

詩子アナ:「葉子」ですか。

歌樽先生:ちゃんと覚えていますね。

第11問:その「葉子」の初めの夫のモデルとなったのは誰でしょうか。

1)有島武郎  2)島崎藤村  3)国木田独歩  4)志賀直哉

詩子アナ:実際の話だったんですか。有島武郎は『或る女』の作者ですから、これ以外ですね。島崎藤村は『ある女の生涯』で、これはなし。志賀直哉は『或る朝』、国木田独歩は『ある・・』がありませんね。久しぶりの四択、いただきました。

第11問:答は3)国木田独歩です。

歌樽先生:『ある・・』がないからではなく、

詩子アナ:先生、分かっていますよ、「国構え」の「国」でしょ。

歌樽先生:読まれていましたか。実は、本当の話はこれからなんですよ。

詩子アナ:えっ!!これでゴールではないのですか。もうこれで完璧だと思ったのですが。

歌樽先生:「몸」を2つ使って、こちらに注目させているような仕掛けになっているんです。

詩子アナ:では、他にも仕掛けがあるということですか。

歌樽先生:仕掛けは一つとは限りませんからね。

第12問:「」に当たるの漢字の秘密は?

제비 つばめ 07

[紙上中継] ハングルの詩のある風景: 제비 つばめ 第7回

 

詩子アナ:まず、2つの詩を並べてみます。

歌樽先生:「깃」というのは「鳥の巣」のことです。

①故国    オオバネル
小鳥でさえも巣は恋し、
まして青空、わが国よ、
うまれの里の波羅葦増雲 

제비(つばめ)
하늘로 날아다니는 제비의 몸으로도
空を飛びまわるつばめの体でも
一定 깃을 두고 돌아오거든 !
一定の巣を置き帰ってくるんだ!
어찌 섧지 않으랴, 집도 없는 몸이야 !
どうして悲しくないだろうか、家もない体なんだ! 

歌樽先生:二つの詩を比べて何か変だと思うところはありませんか。

詩子アナ:えっ!金素月の詩で変なところがあるんですか。

歌樽先生:変というか、何でなんだろうとおもうところと言ってもいいのですが。

詩子アナ:あまりにも似すぎていて、どこがどうとはなかなかいいにくいのですが。

歌樽先生:①の「小鳥、巣、青空」は、②の「つばめ、巣、空」に対応していますね。

詩子アナ:ああ、そういうふうに比べてみると、①には「国」があるのに、②には「国」がありませんし、①には「波羅葦増雲」があるのに、②には天国がありません。でも、国を言葉に出すと、捕まるってさっきおっしゃっていましたよね。

歌樽先生:はい、いいました。

第9問:では、「つばめ」のどこに国があるでしょうか。

詩子アナ:確か、今回の詩のキーハングルは「몸:体」ですよね。

歌樽先生:そういいましたよ。

詩子アナ:しかも「몸」は2度使われていますね。つばめの「몸」と自分の「몸」なんでしょうか。

歌樽先生:なかなかいいところを突いてきましたね。

詩子アナ:よかった。やっとゴールに向かって歩き始めた感じになってきました。ということは、、

第9問:国は「」に隠れている!

歌樽先生:答が合っても理由がわからないと、意味がありませんね。もう少し、考えを「もむ」ということをしてほしいですね。

詩子アナ:出てきましたね、独断と偏見の歌樽先生の真骨頂ですね。

歌樽先生:詩子さんも急に元気になりましたね。

詩子アナ:お陰様で。もう少しヒントがあればもっと元気になるんですが。

歌樽先生:そこまでいわれると、しょうがありませんね。易しすぎるのですが、大ヒントです。

第10問:「몸」の文字をしっかり見て、分かることをいいなさい。

詩子アナ:「모」の下に「ㅁ 」があります。

歌樽先生:他には?

詩子アナ:「ㅁ」と「ㅗ」と「ㅁ」があります。

歌樽先生:近づいてきましたよ。

詩子アナ:ヤッター!国に近づいて来た訳ですね。

歌樽先生:近づきすぎると見えにくくなる場合もありますよ。

詩子アナ:では、少し離れて見ます。分かりました!

제비 つばめ 06

[紙上中継] ハングルの詩のある風景: 제비 つばめ 第6回

 

詩子アナ:「朔州龜城」のここのところですか。

第7問:答。     삭주 구성(朔州龜城)

(前略)
서로 떠난 몸이길래 몸이 그리워
님을 둔 곳이길래 곳이 그리워
못 보았소 새들도 집이 그리워
남북으로 오며가며 아니합디까
(後略)
http://hompi.sogang.ac.kr/mkyang/music/poems/p015006.htm

歌樽先生:素月の生まれた地を詠った詩です。

詩子アナ:「새들도 집이 그리워:鳥たちも巣が恋し」とあるのが、オオバネルの「祖国」の中の「小鳥でさえも巣は恋し」とそっくりですね。

歌樽先生:素月にとって「生まれの里」は「朔州龜城」、素月は「祖国」という言葉を使わずに、オオバネル「祖国」への思いと同じものを表わそうと考えたのです。

詩子アナ:なぜ、「祖国」の語を使わないで、オオバネル「祖国」への思いと同じものを表わそうと思ったのですか。

歌樽先生:そんなことをすればすぐに捕まってしまいますからね、書けなかったんですよ。

詩子アナ:捕まるのですか。

歌樽先生:韓国の独立を叫んだとして捕まるでしょうね。事実、韓国の独立のための運動は弾圧を受けましたし、犠牲者もたくさん出ましたからね。素月の叔母の桂熙永さんの書いた『私の育てた素月』(章文閣)の「はじめに」には

「彼の中心の詩は全て倭警に押収されて燃やされてしまった。今残っている詩はその当時に思想的に問題がないと認定され、許可されたいわゆる純情の詩だ」と書かれています。

また、金素月は何度も警察の呼び出しを受けてほとほと困っていた様子も桂熙永さんが同じ本の第7章で証言しています。

詩子アナ:そういう時代だったのですか。

歌樽先生:そういう時代でしたね。そこで、金素月が天才振りを発揮したのが、「제비:つばめ」という短い詩です。

詩子アナ:どういうことですか。

歌樽先生:オオバネルの「祖国」という詩は上田敏の訳で日本で有名になった。特に日韓併合によって国を失った韓国の人はオオバネルの「祖国」を読んで心を打たれたことでしょう。でも、このままだとプロヷンスの詩なので、同じ気持ちだといっても、プロヷンスを思う詩に終わってしまう。これを何とかして自国を失った詩にしたい、こう思って、ある方法を思いついたようです。

第8問:金素月は次のどのような方法を用いたと考えられるでしょうか。

1)序詞  2)縁語  3)掛詞  4)本歌取り

詩子アナ:金素月は和歌の技法といったものを知っていたのでしょうか。

歌樽先生:「7・5調」を用いたといって以前非難を受けたくらいですから、それはよく勉強していたと思いますね。

詩子アナ:なぜ非難を受けたのですか。

歌樽先生:支配をうけた日本の和歌の音律を使ったからというのがその理由のようです。

詩子アナ:大変な時代だったんですね。

歌樽先生:「つばめ」と「祖国」を比べるとすぐ分かると思いますが。

詩子アナ:分かりました。

第8問:4)本歌取りです。

歌樽先生:では、どのように本歌取りをしたのか、見て行きましょう。

詩子アナ:はい。では比べてみます。