2013-07 엄마:母さん

第7回 オンマ:엄마(母さん)

 

親孝行 엄마と一緒に 韓国旅行 (NO101)

韓国旅行に母親と一緒に行ってきたという話を女子学生からよく聞きます。どうやら一緒に韓国に着いた後は別行動をすることも少なくないようです。行きたいところがそれぞれ別にあるからで、「いつでも一緒」というパターンでは親孝行にはならないのかも知れません。ずいぶん韓国旅行に慣れている母親と娘のようです。

엄마엄마~ 留学で見た 韓国のぬくもり (NO114)

韓国に留学したことのある学生のようです。友達の家に呼ばれて、食事なども一緒にしたに違いありません。「엄마엄마~」と母親を呼ぶ友達の声に韓国の家庭のぬくもりを感じたようです。これは日本と韓国での子育て観の違いが形になって現れているように思います。

厳しいが 一番偉大な 우리엄마 (NO117)

日本で母親が厳しさを娘に求めるのは、早く一人前になってほしいという希望と期待がその背景にあるからだと思われます。「엄마」が「一番偉大」であることは日本も韓国も変わりないと思いますが、韓国では娘はいつまでも娘であって、大きくなってからも厳しい母親はあまりいないようです。

こんな句も

あの山は なぜ待っているの 教えて엄마 (NO102)

子の母親に対する信頼は無限といってもいいようです。なんでも答えてくれ、なんでも実現してくれるのが母です。子供は無理難題をいくつも母親にぶつけますが、その度に母親は答えてくれます。本当に母親は偉大です。

この句で「엄마」をもし「아빠(父さん)」に替えると、おそらくこの句は成立しないでしょう。「엄마」だからできることがうなずける句になっています。皆さんはどう答えますか?

2013-06 안녕:安寧

第6回 アンニョン:안녕(安寧)

 

昼晩 いつでも使える 안녕하세요 (NO118)

この句のように「안녕하세요:アンニョンハセヨ」は朝昼晩いつでも使える挨拶です。「おはよう」「こんにちは」「こんばんは」を一つの言い方で表せる大変便利な挨拶言葉です。

「안녕하다:安寧だ」には「平安だ、安泰だ」の他に「元気だ、心身がすこやかだ」といった意味もあり、健康を気遣う時に用いられます。

友達と 안녕だけで 一日あいさつ (NO110)

「アンニョン」は会った時も、別れる時も、すれ違う時も使える便利な挨拶で、友達同士で最もよく用いられます。本来は「安寧」という漢字語ですが、やわらかい響きがあります。略さずに言えば「アンニョンハセヨ」です。この句のように「アンニョン」だけで一日過ごす人もたくさんいるようです。

類句に次の句があります。

オールマイティ この一言で 안녕(NO127)

안녕と 笑顔で別れて また明日!(NO119)

「アンニョン」と笑顔で挨拶できる間柄は人間関係もよく、元気でいることの証明のように思います。次の日の朝、また友達に会って、「アンニョン」と挨拶して、夕方になり「アンニョン」と言って別れて家路につき、一日を終えて、また明日を迎える。なんと明るく平和の響きあう世界なのでしょう。この句の作者のように元気溌剌でいたいものです。

こんな句もあります。

안녕하세요 あいさつ一つで みな笑顔 (NO117)

「アンニョンハセヨ」には笑顔が似合います。会うときも別れるときも挨拶の基本は「アンニョンハセヨ」です。「アンニョンハセヨ」と挨拶をしてくれる学生も増えて来ました。

「アンニョンハシムニカ」というフォーマルな表現もありますが、フォーマルなだけにややかたい感じがします。かつては初対面の人には「アンニョンハシムニカ」を使うようにという注釈をつけていましたが、現在は初対面の人でも「アンニョンハセヨ」で十分だと思います。

2013-05 이름:名前

第5回 イルム:이름(名前)

 

学びつつ イルムの仕組み 見つけ出す (NO106)

韓国人のイルム(名前)には色々なルールがあります。例えば男兄弟は同じ漢字が一文字使われ、この漢字は従兄弟にも用いられます。もちろん例外もありますが、同じ代では同じ漢字を用いるというルールがあります。

この漢字のことを「行列字(항렬자:ハンニョルチャ)」または「돌림자:トルリムチャ」といいます。代ごとに別の文字が用いられますので、これで何代目の子孫かが分かる仕組みになっています。

この句で「仕組み」とあるのはこのようなルールのことです。学びながらこのルールの仕組みを知ると、ドラマをみる目も変わってくるでしょう。

イルムには 伝統的な 五行あり (NO113)

イルムのルールの「行列字」には世代の順序があり、「五行説」に従います。「五行:오행」とは「木-火-土-金-水」の順の五つをいいます。イルムには五行とかかわりのある文字がよく用いられました。例えば、祖父が「木偏」だとすると、

父は「火偏」、私は「土偏」、子供は「金偏」で孫は「三水偏」が付くといったように五行の順に名前に漢字が振り当てられます。この文字は適当に付けるのではなく、すでに決まっていて、この決まった文字を「行列字」と呼んでいます。「五行」でない場合は数字や干支が用いられますが、この順序が世代順となります。

韓国の イルム可愛い うらやましい (NO114)

韓国の名前には難しいルールがありますが、最近はこうしたルールに沿ったものではなく、純固有語の名前を付ける親も増えてきましたし、実際に「아름:アルム(美しさ)」「한샘(大きい泉)」「보름(満月)」などよく耳にするようになりました。

こんな句もあります。

イルムを知り ため息をつく 若人よ (NO103)

韓国では長く同姓同本(姓も同じで、本貫(その姓の出た土地)も同じ)だと結婚できませんでした。せっかくミーティング(「合コン」のこと)でいい人と出会っても、同姓同本であればため息を付くしかないという内容の句です。

金さんは韓国に約1000万人ほどいます。このうち4割ほどが金海金氏(姓が金で本貫が金海の場合)で、全体の約1割に当たります。

類句に次の句があります。

合コンで イルムと本貫 最重要」(NO126)

2013-04 アヤオ体操:아야어 체조

第4回 アヤオ体操:아야어 체조

 

疲労感 アヤオ体操 5連発 (NO116)

アヤオ体操とはハングルの母音を覚える体操です。次のブログで紹介しています。

http://blog.livedoor.jp/kanetaka123/archives/1127174.html
○ま~る書いて縦棒は(イ)、
右に(ア)(ヤ)、左(オ)(ヨ)
○ま~る書いて横棒は(ウ)、
上に(オ)(ヨ)、下は(ウ)(ユ)

と歌いながら、腕を動かします。このアヤオ体操を5回ワンセットで5連発すれば、体で覚えられますが、やはり疲れるのでしょう。

アヤオ体操 歌って踊って 先生息切れ (NO101)

字余りの句ですが、「先生息切れ」が教えるときの体操の様子をよく伝えています。高いテンションを維持しながらやりますので、先生も大変ですが、学生も大変です。

もう一度、ブログのユーチューブの動きを見て、真似ながら、5連発やってみましょう。すぐに覚えられるようになります。

さあみんな アヤオ体操 はっじまるよ (NO115)

アヤオ体操をするぞという気合が「はっじまるよ」の小さい「っ」に感じられて、好感のもてる句になっています。「さあ」という掛け声と「みんな」への呼び掛けもぴったりです。こんな調子で授業が進められると最高です。

こんな句もあります。

アヤオヨと 母音がいっぱい ウェあるの (NO121)

アヤオ体操を卒業して、合成母音の「왜:ウェ」のことを詠んだ句です。どことなく余裕が感じられるのは「ウェ」に「なぜ」という意味があり、しかもこれが「오+아+이」の3つの母音を合わせた文字だと知っていて、使っているからでしょう。

アヤオでハングルの母音は覚えたが、数えてみると基本母音は10個、合成母音は11個もあって、これは「ウェ(なぜ)?」と問う形の洒落た句になっています。

2013-03 제사:祭祀

第3回 チェサ:제사(祭祀)

 

準備して 皆が集まる チェサの日は (NO103)

「チェサ」は漢字では「祭祀」と書きます。祖先を敬い、チェサ用の食べ物を準備し、四角いテーブルの決められた位置に配膳します。チェサの日には他の予定は入れず、家族、親戚一同が会します。チェサは長男がすることになっていますから、長男の嫁は準備が大変です。

前日から準備をすることが多く、長男の家族だけでなく、長男の姉妹が手伝いに行くことが多いようです。料理などは女性の仕事で、男性は栗の皮を剥く位です。ともかくチェサには出ないわけにはいかないという重要行事であることを詠った句です。

祭祀には亡くなった日に行う「忌祭祀」と旧正月や秋夕(陰暦8月15日)など年中行事の「茶礼」があります。ただし、キリスト教徒のプロテスタント(新教)は「祭祀」をしません。

チェサして 先祖敬い 子孫繁栄 (NO126)

祭祀をする理由を尋ねると、祖先を敬うことで、子孫が繁栄するからという答が返ってきます。祭祀を代々している家は長男の家ですが、いつ祭祀をするからという連絡を親戚にすることはないようです。

「忌祭祀」も旧暦でするので、新暦では毎年、月も日にちも一定していませんが、どの家にも旧暦が書かれた暦があるので、迷うことはありません。行くほうも連絡をしてから行くことはあまりないようです。行くことになっているので、当然のように長男の家を訪れます。

この時、季節の果物や肉などをお土産に持っていきます。こうして親戚中が集まることが、子孫繁栄を促しているのかもしれません。

金かかり 泣きたくなるよ チェサとやら (NO109)

祭祀をするには、お肉、魚、餅、野菜、果物、菓子類など相当の量を使いますのでこの材料費だけでも大変です。当日、テーブルに配膳した食べ物だけでなく、祭祀に訪れた親戚にも作ったものを持って帰ってもらう習慣がありますので、長男一家の食費の一ヶ月分ほどを使うこともあるようです。

この句はそのあたりの事情を詠んだものです。食料品が上がると主婦は大変ですが、とくに祭祀の準備には響きます。

こんな句もあります。

大集合 明日はチェサだ 嫁急ぐ (NO120)

祭祀の忙しさを詠った句です。いろいろと買い物をしなくてはいけませんが、祭祀には使わない野菜や魚、果物があります。野菜では「ニンニク」「ニラ」「ネギ」「唐辛子」など辛かったり、刺激の強いものは用いません。

魚では「갈치(カルチ:太刀魚)」「삼치(サムチ:さわら)」「꽁치(コンチ:秋刀魚)」「멸치(ミョルチ:いわし)」など「치」の付くものは膳にあげません。

これらは安い魚と考えられていて、もっといいものを膳にあげなければいけないからという理由のようです。果物では「桃」が嫌われます。霊は「桃」に弱いとされているからです。

「제사상」で検索すると配膳の仕方が分かります。一度検索してみてください。配膳の仕方にルールがあることが一目で分かります。

http://jepisode.com/326

http://100farm.tistory.com/139

http://blog.daum.net/milchang/354

例えば、手前の列に果物が並んでいますが、左端は「棗(なつめ」で、その右側には「栗」があります。「棗、栗、梨、柿」という順に並んでいます。地方によっては、「棗、栗、柿、梨」の順にするところがありますが、いずれもこうした決まりがあって、配膳をしているのです。

 

初めての場合は準備も大変、配膳するのも大変です。

2013-02 불고기:焼肉

第2回 プルゴギ:불고기(焼肉)

 

プルゴギは サンチュと食べると 丁度いい (NO110)

「プルゴギ」とは焼肉のことで、肉は牛肉を使います。豚肉の焼肉もあり、これは豚にあたる「トゥエジ」を付けて「トゥエジブルゴギ」といいます。
韓国ではプルゴギは普通「サンチュ」に包んだ状態で食べますので、そのことを詠んだ句です。「サンチュ」は「チシャ」で「サニーレタス」の名で売られている野菜とよく似ています。

「サンチュ:상추」だけでなく色々な食べ物を包んで食べるのをよく見かけます。包む食材は「キム:김(海苔)」「ベチュ:배추(白菜)」「ケンニプ:깻잎(エゴマの葉)」などが多く用いられます。この句の作者はこのような食べ方をよく知っている食通のようです。

プルゴギを ビールとキムチと 白米と (NO125)

韓国でプルゴギを注文するとキムチが出てきます。お代わりも自由です。ビールとご飯は別注文になります。
ビールは「맥주:メクチュ」、ご飯は「밥:パプ」ですが、注文するときは「맥주 주세요:メクチュ チュセヨ」、「공기 밥 주세요:コンギバプ チュセヨ」といいます。

キムチのお代わりを頼むときは「김치 좀 주세요」と「좀(チョム)」を必ず付けましょう。それは「김치:キムチ」「물:ムル(水)」「보리차:ポリチャ(麦茶)」など料金を払わないものについては「すみませんが」というニュアンスをもつ「좀(チョム)」を付けて頼むのが礼儀とされているからです。

「공기 밥」の「공기」は「空器」で「お椀」のことです。

この句の作者はプルゴギを食べ、ビールも飲み、キムチにプルゴギを包んで食べ、最後の締めにご飯を食べるという食べ方を知っているようです。

プルゴギの 文字を見てると 腹がなる (NO108)

「불고기」のハングルを見てお腹がすく人は何度も食べたことがあるのでしょう。この文字が見えるお店からは焼肉の匂いもするでしょう。「言霊(ことだま)」とは「言葉に宿る不思議な力」を言いますが、文字にもこうした力があるようです。

「냉면:ネンミョン」と大きく書かれた店の前を通れば「冷麺」が食べたくなり、「만두:マンドゥ」の字が見える店の前では「餃子」が食べたくなったことを思い起こします。

こんな句も

夜ごはん いつかは夫と プルゴギを (NO120)

自宅でプルゴギをすることも多いのですが、炭火では煙がでるので、たいてい焼肉専用のフライパンのついた電気器具を使います。この句は未来の夫のことを考えながら、プルゴギを食べている様子を詠ったもののようです。

「プルゴギ」でなくても、他の料理でも同じではないかと思うかもしれませんが、プルゴギを焼く雰囲気と赤いキムチ、まいて食べるサンチュの緑、肉につける味噌の黄色など原色の中でのプルゴギの醍醐味を一緒に味わいたい人を求めているのでしょう。

2013-01 キムチ:김치

第1回 キムチ:김치

冬将軍 キムチ引っさげ やってきた(NO101)

越冬用のキムチを漬けることを「キムジャン」といいますが、その時期はかなり寒くなってからです。この句はそのことを題材にしています。

「빼빼로(ペペロ)の日」の韓国気象庁のブログに「キムジャン予想時期分布図」が出ています[2011/11/11]。この線を以前は「キムジャン前線(김장전선)」と呼んでいました。

「冬のソナタ」で有名なソウルの北西の春川(춘천:チュンチョン)と南の釜山(부산:プサン)や麗水(여수:ヨス)では1ヶ月近く遅くなっています。

http://blog.kma.go.kr/tag/1074#entry_225

キムチ食べ 乳酸菌とり 腸快調 (NO119)

「腸快調」が「超快調」と掛けている楽しい句です。韓国の「김치:KIMCHI」と日本の「キムチ(KIMUCHI)」の違いは乳酸菌の有無にあります。 김치に含まれた乳酸菌の役割に関する研究も活発です。

韓国は キムチの合図で ニッコリだ(NO114)

「김치」は写真を撮るときの「チーズ」にあたる言葉です。笑顔が思い浮かぶ句です。類句に以下のものがありました。

はいキムチー 笑顔で写る 韓国旅行(NO129)

人気の句

発酵し 食べごろきたぞ 무김치(NO127)

「무김치」とは大根のキムチのことで、「깍두기:カクテギ」が特に有名です。大根を使った「총각김치:チョンガクキムチ」「물김치:ムルキムチ」などもあります。김치は「発酵食品」であることをしっかり踏まえた句となっています。