2011-05 신토불이:シントブリ

第5回 題目:身土不二(신토불이:シントブリ)

地産地消 だけでは尽きぬ 身土不二(NO44)

「身土不二」は本来「自分の生まれた土地で作られた農産物を食べるのが体に最も良い」といった考え方を
言うようですが、輸入農産物から韓国の農産物を守る運動とも結びついて、大きな社会運動となりました。

日本では「地産地消」という言葉が定着して来ました。都内には地方の農産物や物品を売る場所も出来ています。地方では観光スポットとなっている所もあるようです。

「身土不二 地に足つけて村おこし(NO4)」のように、この句はこうしたさまざまな動きを「・・だけでは
尽きぬ」と詠っています。

身土不二 生まれた場所とのコミュニケーション(NO20)

食べてみると自分の生まれ故郷のものでした。都会に出てきてからずいぶん経って、久しぶりに故郷のことを
思ってみると、山や川、畑や田んぼなどが思い出されます。

家族のこと、友達のこと、飼っていた犬や猫のこと、こんなことを考えていることも、食べるだけでは終わら
ないコミュニケーションの場と感じているのでしょう。

欠かせぬわ 人に全てに 身土不二(NO3)

この句は自分のことを歌ったというよりも、「身土不二」を叫ばなくてはならない人たちの抑えがたい気持ちを代弁している歌のようです。

外国からの安い農産物と価格面で競争するのはほぼ不可能な現実があります。何を訴えるべきなのか、という究極の問に、「欠かせぬ」と「全て」で答えているように感じました。

こんな句も

身土不二 世界共通 愛国心(NO39)

韓国の「身土不二」、日本の「地産地消」、更にはインドの「スワデ-シー(「自国の」という意味から国産品愛用運動)」などを共通した「愛国心」と捉えて詠んだ句です。

「身土不二」が漢字4文字なので、全て漢字でかいてみたという試みでもあったようです。この他に、

身土不二 健康第一 地元味(NO18)
身土不二 健康大切 食文化(NO23)

などの句もありました。

2011-04 고추:トウガラシ

第4回 題目:トウガラシ(고추)

唐辛子 チェサでは使えぬ すごいやつ(NO53)

「チェサ」は祖先に供物をお供えして祀ることで、「祭祀」と書きます。このチェサには辛い野菜、刺激の強い野菜は用いられません。その理由は次の句で説明します。

また、果物では桃が使えません。桃は霊に対して力が勝るからという説もあります。「すごいやつ」とやや荒っぽい表現にしたところが、唐辛子の辛さを表しているのでしょう。

唐辛子、ニンニク、ネギ、ニラ、セリいらん(NO22)

これらの野菜は「五辛菜(오신채:オシンチェ)」といい、祭祀(チェサ:祖先を祀ること)の膳に用いることが禁じられています。

この句は、「春の七草の歌」(セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ほとけの座、すずな、すずしろ、これぞ七草)を思い出させます。

これらの野菜が祭祀の膳にのらないのは、お寺の料理に用いられないから、あるいは刺激性が強いから、精力が付くからなどととされています。もっとも唐辛子は祭祀が定着する頃にはまだ栽培されていませんでした。この句で「五辛菜」が覚えられますね。

唐辛子食べて汗かく夏盛り(NO57)
 
暑い夏に唐辛子を食べるともっと暑く感じるはずですが、韓国では熱いもの、辛いものが好まれます。熱いものの代表は「参鶏湯(삼계탕:サムゲタン)」、辛いものの代表は「咸興冷麺(함흥냉면:ハムフンネンミョン)」でしょう。

古くから「以熱治熱(이열치열:イヨルチヨル)」という言葉があり、これは「熱をもって熱を治す」ところから、「熱には熱」、「力には力」といった風に、暑い夏には熱いものを食べて暑さに負けないようにしようという考え方です。

夏の盛りに唐辛子を食べて汗をかく様子が「以熱治熱」にぴったりの句となっています。
  

こんな句も

気が滅入るそんな時こそ唐辛子(NO44)

唐辛子の辛さには気が滅入ったときに元気にしてくれる力があるようです。この句の作者はそんな唐辛子の力を知っているのでしょう。唐辛子の辛さに慣れると、辛いものがないと寂しくなることもよくあります。

かなり辛い唐辛子でもとがった先っぽの三分の一ほどはそれほど辛くありません。辛いものが苦手の人は先っぽの細い部分を少しだけ齧ってみて、辛さ具合を確かめてみましょう。
本当に辛いものは胃を壊しますので注意しましょう。

2011-03 막걸리:濁り酒

第3回 題目:マッコリ、マッコルリ(막걸리:濁り酒)

マッコリの 味を知ってる 我が小指(NO38)

マッコリを小指で回してから飲むという話をしたところ、

「マッコルリ ゆっくりゆっくり 回します(NO7)」

「マッコルリ 小指で混ぜて 通(ツウ)になる(NO25、類句NO36、NO54)」

などの句もありました。

「小指が味を知っている」というのは、飲んだことがあるのでしょう。見よう見まねで小指を立てて、マッコリに浸して回しているうちに、酸っぱさとか、舌への刺激とか、まろやかさとかが、分かるようになります。

インドでは指でご飯を混ぜて食べますが、まず指で味見をするそうです。「味を知ってる」というのはこのような感覚なのでしょう。

歴史混ぜ 白を濃くする マッコルリ(NO32)

マッコリを小指で混ぜるという句が多かったなかで、混ぜるという行為を歴史と結びつけたこの句は深みを感じました。また、マッコリは入れたままにしておくと、白い部分が沈殿し底に沈むため、上の部分が薄く、透明に近くなることがあります。それを混ぜると白く濁ってマッコリらしくなります。

これをこの句では「白を濃くする」といっているのでしょう。あれこれと考えながら、また歴史にも思いを馳せながら、という場面にもっとも合うのはマッコリのようです。

焼酎では早く酔ってしまいますし、ビールや生ビールでは歴史とは合わない気がします。

マッコルリ 飲んで目指すは 韓国美(NO60)

マッコリを飲んできれいになれるかどうかは分かりませんが、キムチを食べて歯を白くさせたり、辛いものを食べて脂肪を燃やしてスリムを目指したりするのが「あり」であれば、マッコリを飲んで韓国美を追求するこことも「あり」かなと思わせます。

「カラ」や「少女時代」など女性グループが大人気なのもスリム系と無関係ではないでしょう。

韓国では踊りながら歌うときに「口パク」がよくありましたが、これを禁止する法案が今年5月31日に出されたそうです。この法案が通ると、多くの歌手グループは大変になりそうです。それはともかく、何かを目指すのはよいことです。

人気の句

紅い頬 白いマッコリ 美しき(NO2)

「紅い」と「白い」の対比が「頬」と「マッコリ」をうまく生かし、これがアピールしたようです。「美しき」というのは連体形なので、文末に使うには係助詞が必要ですが、現代語では「美しい!」といった意味合いがあるように感じられるのかもしれません。

「マッコリ」の「コリ」に掛けて、「ホッコリ」「ニッコリ」「コリゴリ」などを入れた句も多く見られました。音だけをしゃれてもなかなかうまくいかないようです。

文末の「美しき」が不自然であるところから、「美しき 白いマッコリ 紅い頬」のほうが良いのではという
指摘(NO39)もありました。

こんなところにハングル28

35
「一時利用自転車駐車場」横浜野毛で見つけました。
「駐輪」という言葉、韓国には無いようです。
でもずいぶん増えましたね、ソウルの自転車。

ちなみに
일자は「一字」일차は「一次」일시が「一時」です。

【一時利用自転車駐車場】

2011-02 비빔밥:ビビンパ

第2回 題目:ビビンパ、ピビンパプ(비빔밥)

残り物 あなたと混ぜる ピビンパプ(NO35)

ビビンパの起源はいろいろありますが、もっとも自然なのは 残ったものを混ぜて食べることでしょう。直訳すると「混ぜる:비비다」の「名詞形:비빔」と「ご飯:밥」ですから、「混ぜご飯」になります。

韓国では実際に残り物を混ぜて食べるのは主に食事を担当する女性のようですが、この句からは食べ物を混ぜるだけでなく、人生のさまざまな味を一緒に混ぜて、生き抜くといった意味合いを感じます。

ビビンパの 辛さにほれた 恋心(NO45)
 
ビビンパはそれほど辛い料理ではありませんが、はじめての人にはコチュジャンの辛さに驚くかもしれません。ビビンパを食べに行こうと誘われ、えっ!というほどの辛さに、あらためて相手を見直すというところに恋のマジックがあるのでしょう。

ビビンパと くもるメガネと 光る汗(NO39)

ビビンパの美味しさは至福といっていいほどです。わたしも全州に行くと必ずといってよいほど立ち寄るお店があります。それはそれは美味しくて、ただただいただくことに感謝しながら集中します。

中に入っている具の種類も多く、25種類ほどあり、おかずに付くものがこのほかに15種類ほどあるといった、ほんとうに贅沢なものです。メガネはくもり、汗も出ます。食べている人たちの描写を目前でしたような句です。

人気の句

ビビンパの 石のこだわり 味深く(NO31)
  
この句は「トルソッ ビビンパプ(돌솥 비빔밥:石釜ビビンパ)」のことを詠んだ句のようです。ふつう「石焼ビビンパ」と呼んでいるものです。この料理に使われる石は「長水:チャンス」という地方のものが有名です。ビビンパの本場の全州から近い距離にあります。

この石の器は、遠赤外線の働きで火がまんべんなく通り、美味しい味を出すとのことです。底におこげができるのも香ばしく、ここにお湯をいれると「スンニュン:お焦げ茶」ができます。このような内容を受けて作られた句です。こうしてみると、人気の句で、味わい深いものがあります。

2011-01 젓가락:お箸

2011年度 第1回 題目:チョッカラク(젓가락:お箸)

チョッカラク 埋まらない距離の 僕と君(NO39)

チョッカラク文化の韓国の学生とお箸文化の日本人の私の距離が、学んでみると、なるほどと思えるくらいの距離があることを実感したという風に読みました。ハングルを学んだり、食事などを楽しみながら距離を縮めてください。

チョッカラク 学んでつながる 君と僕(NO4)

文化の違いを超えて、互いに理解しようとする気持ちが表れている句です。この気持ちは希望へとつながっているような気がします。

箸がいい チョッカラクより チョットラク(NO21)

言葉遊びのようにも見える句ですが、お箸の方が日本人には使い易いという実感と、食事文化の慣れについても語っているようです。韓国料理も楽しんでみましょう。

人気の句

暑い夏 ちょっとひんやり チョッカラク(NO35)

この句はもっとも人気のあったものですが、「ひんやり」が金属製であることを示しています。「暑い夏」の「暑い」は不要です。「暑い夏」と「ひんやりチョッカラク」との対比の意図もあるのでしょうが、「暑い」と「ひんやり」は対比できますが、「夏」と「チョッカラク」は対比になっていません。

季節感を表すには夏らしいものを挙げるといいでしょう。「浴衣着に」とすると夕涼みとか、花火大会といった風情で韓国料理をいただいている感じになりますが、いかがでしょうか。