紙上中継「ハングルの詩のある風景」
素月と「無主空山」 第5回
歌樽先生:この詩はハングルのリズムに合わせて訳してみましょう。
부엉새(NO28)
간밤에
뒷 창(窓) 밖에
부엉새가 와서 울더니,
하루를 바다 위에 구름이 캄캄.
오늘도 해 못 보고 날이 저무네.
詩子アナ:こんな風に訳詩してみました。
ミミズク(ハングルのリズムに合わせての試訳)
夕べ
窓辺に
ミミズクが来て啼き
海にはひねもす黒雲が
今日も陽は出ず日が暮れる。
詩子アナ:「ミミズク」と「フクロウ」はよく似ていますね。
歌樽先生:一般的には頭が丸いのがフクロウで、頭の両側に耳のような羽角(うかく)があるのがミミズクと言われています。映画「禁じられた遊び」にフクロウが出て来ますね。
詩子アナ:映画は見ていませんが、ギターの音楽の「禁じられた遊び」は知っています。
歌樽先生:映画の方もいいですよ。
詩子アナ:この詩のタイトルは「ミミズク」ではなく「フクロウ」ではだめですか。
歌樽先生:これはまたすごい角度から攻めてきましたね。
詩子アナ:いえ、ただよく似ていて、どちらがどちらかよく分からないものですから。
歌樽先生:なるほど。では、こんな問題を出してみましょう。
第5問:フクロウかミミズクと最も関連の深い哲学者は誰でしょうか。
1)ソクラテス(BC470-399) 2)デカルト(1596-1650)
3)カント(1724-1804) 4)ヘーゲル(1770-1831)
詩子アナ:この方面は全く不案内ですが、素月が生きていた時代の人ではないようですね。
歌樽先生:このうちの誰かと「フクロウ」か「ミミズク」をセットで検索すると、どういう流れか推察できますよ。
詩子アナ:はあ、そういうことですか。
歌樽先生:何か分かりましたか。
詩子アナ:はい、出て来ました。
第5問:答は4)ヘーゲル、です。ヘーゲルの著書『法の哲学』の序文に「ミネルヴァの梟(ふくろう)は迫り来る黄昏(たそがれ)に飛び立つ」とあります。
歌樽先生:そうですね。ヘーゲルといえば弁証法と「ミネルヴァの梟」が有名ですね。
詩子アナ:ミネルヴァというのはローマ神話の女神でしたよね。
歌樽先生:そうですね。「ミネルヴァの梟」は知恵の象徴として知られています。
詩子アナ:女神のミネルヴァの左手に乗っている像が梟なんですね。
歌樽先生:この詩と「無主空山」との関連はあとでゆっくり考えてみてください。
詩子アナ:あとでゆっくりというのは、説明がすぐには難しいということですか。
歌樽先生:難しいというよりも結論にいくまでの過程がやや複雑だからと言っておきましょう。
詩子アナ:AIで調べられるといった類のものではないようですね。
歌樽先生:そうですね。これからはAIに頼っていいものと頼ってはいけないものを知っておくことが一層重要になります。
詩子アナ:えっ?そうなんですか。
歌樽先生:疑うことが大切です。ではこんな問題をやってみましょう。
第6問:「梅が香を比べてみつつ高尾まで」という句の作者をAIで調べてみましょう。
1)水原秋櫻子(みずはらしゅうおうし) 2)加藤楸邨(かとうしゅうそん)
3)飯田龍太(いいだりゅうた) 4)高野素十(たかのすじゅう)
詩子アナ:あのー、私の句なんですけど。今日、お会いしてすぐにお話しましたが。










